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学芸大学に「大衆酒場 レインカラー」がオープン。人気イタリアン「ワイン食堂 レインカラー」が手がける2店舗目。居酒屋メニューにジビエを使用するなど、新しい大衆料理を提案

9月20日、学芸大学駅から徒歩1分。西口側の飲食店が並ぶ一角に「大衆酒場 レインカラー」がオープンした。オーナーは、同エリアで人気のイタリアン「ワイン食堂レインカラー」を経営する手島義朋氏。同店の業態は、1店舗目と異なる大衆酒場。テーマは、新しい大衆酒場の提案を意味する「SCRAP&BUILD 日本大衆酒場の再発見」。ハンバーグや肉豆腐にジビエを使うなど、大衆食をひとひねりした料理を提供。ドリンクでは居酒屋メニューのほか、ナチュールワインも揃える。

ガラス張りで広い間口。外からお客で賑わっている様子がよく見える
厨房をぐるっと囲むカウンターが印象的。店内は15坪。カウンター14席、テーブル20席、スタンディング11席が揃うハイブリットな構成で、グループでも一人でも楽しめる
名物 鹿のハンバーグ (790円)。鹿肉を使用したハンバーグにサツマイモのマッシュと赤ワインのソースを添えている。ほとんどのお客が注文するという人気メニュー
〆鯖とクレソンのポテトサラダ(590円)。「ワイン食堂 レインカラー」でも提供しているポテトサラダに〆鯖とクレソンをトッピング。爽やかな香りが特長の台湾黒胡椒がアクセント
オーナーの手島義朋氏。「まだまだフードメニュー開発の引き出しはたくさんあります。これからが楽しみ」と話す

(取材=福井 晶)


お客の声を受け、単価を落とした2店舗目の開業を決意

手島氏は現在43歳。20代の頃は東京でバーテンダーやホテルサービスなど、様々な接客業を経験。地元、茨城で半導体の会社を経営していたこともあるという。飲食への道が大きく開けたのは、15年ほど前。コーヒーに目覚め、学芸大学にある老舗イタリアン「ロ・スパッツィオ」でバリスタとして働いたのがはじまり。研鑽を積み、店長を8年間務めた後、退職。妻の経営していた飲食店「レインカラー」を引き継いだ。その後、自身の注目していたナチュールワインを軸に店をリニューアル。「ワイン食堂 レインカラー」を作り上げた。

2店舗目の「大衆酒場 レインカラー」をオープンさせたのは、もっと多くのお客に来店してほしかったからだという。「ワイン食堂の方は、売上も好調、やりたいこともできて順調でした。ただ、お客様や知り合いから、単価が高くて頻繁には来店できないという声があって。やるなら色んな方に来てほしいじゃないですか」(手島氏)。これを機に客単価を落とした2店舗目のオープンを決意。構想に取り掛かった。

長く愛される店を目指し、大衆酒場業態を選択

同氏は業態を検討するにあたり、条件を設けた。「日常使いで週3日来れる店を目指し、客単価を2500円~3000円に設定。加えて、いわゆる大衆酒場で出てくるメニューではなく、今の世代の人が誰でも知っている料理を提供することを条件にしました。トレンドに影響されない、普遍的な要素を揃えたかったんです」と手島氏。業態を大衆酒場に絞り込み、「SCRAP&BUILD 日本大衆酒場の再発見」というテーマに辿り着いた。「大衆食というと焼き魚や煮物などが浮かびますが、日本で定着しているという面ではパスタやハンバーグだって同じ。1mm違う視点で大衆食を捉え、メニューを開発、提供すれば、新しさもありつつ長く愛される大衆酒場ができると考えました」と同氏は話す。

思わず注文したくなる。フックを備えたフードメニュー

メニューは、手島氏と料亭出身のシェフと2人で開発。「ワイン食堂 レインカラー」との食材やレシピの共有はかなり少ないという。和食、洋食、イタリアンなど幅広いジャンルのメニューを40種類ほど揃える。中でも「名物 鹿のハンバーグ」(790円)や「熊肉豆腐」(590円)など、ジビエを使った料理が人気だ。現在、注文数がダントツで多いのは、「白トリュフ香るポテトフライ」(490円)。白トリュフオイルを使用したクセになる味で、一人一皿注文するお客もいるほどだ。その他にも、昔、手島氏が勤めていた名店の人気メニューを元にした「年商2億円のガーリックトースト」(490円)や、自家製ケイパー塩で食べる「日本しいたけ協会プレミアムジャンボ椎茸の天ぷら」(490円)など、ネーミングもビジュアルもインパクト抜群のメニューが並ぶ。また、今後はランチ営業も開始予定。恵比寿の人気カレー店「sync」がスパイスのブレンドを手がけたカレーを提供する。

ナチュールワインも550円から。手頃に飲めるドリンクメニュー

ドリンクの多くは一杯500円以下の手頃な価格帯で揃える。「サッポロ赤星 中瓶」(550円)、「生レモンサワー」(レモン 90円、中 甲類/芋 100円、外 強炭酸 300円)など、大衆酒場らしいラインナップを抑えつつ、梅酒をホッピーで割る「ウメッピーセット 白/黒」(中 100円、外 200円)や、しそ風味のハイボール「東京ハイボール」(390円)などの変わり種も用意。日本酒や焼酎、紹興酒なども並ぶ。またワインは全てナチュールで「ボトルワイン」は3600円、「スパークリングワイン」、「ワイン 赤/白」、「ロゼワイン」などのグラスワインは各550円で提供。銘柄などは仕入れによって変わるため、メニューにはあえて記載していない。

1ヶ月足らずで、スタンディングも満席の大盛況

オープン後は客単価4000円ほど。15坪34席、スタンディング11席の店内が連日満席で3回転するほどの好調ぶりだ。地元住民が多く、「ワイン食堂 レインカラー」に来店しにくかった若い年代や、ワインが苦手なお客も訪れる。すでに常連客もおり、中には週3日以上もしくは、1日に2回以上来店する猛者もいるという。物件探しの際、五反田や蒲田、神保町なども検討していたという手島氏は、「はじめはビジネスマンの多い街を希望していたのですが、ここに決めて良かった。学芸大学は横の繋がりも強く、ビックリするくらいお客様が来てくれます」と笑顔をみせる。

今後の展望については「3年後にもう1店舗作るのが目標」と明確な答えが返ってきた。「資金と教育の準備期間で早くて3年が目安。これは周囲の経営者も同じ意見だった」と語り、将来はセントラルキッチンでの店舗展開も視野にあると話す。

店舗データ

店名 大衆酒場 レインカラー
住所 東京都目黒区鷹番3-7-13 ホワイトウエル鷹番 1F

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アクセス 学芸大学駅徒歩1分
電話 03-5708-5430
営業時間 19:00〜26:00
定休日 水曜、不定休月2日あり
坪数客数 15坪34席スタンディング11席
客単価 2500〜3000円
オープン日 2019年9月20日
関連リンク レインカラー(Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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