てっぺんでから山梨にUターンで独立。当初は苦戦した1店舗目は今や坪月商50万円
オーナーの塩澤大輔氏は現在27歳。高校卒業後にてっぺんに入社。国内外に居酒屋を展開し、“独立道場”、“朝礼”などで知られるてっぺん(東京都渋谷区)だが、塩澤氏が入社したきっかけは、高校の授業の中で同社のドキュメンタリービデオを観たことだという。いつか地元の山梨で店を開くことを目標に、「てっぺん 男道場」、三重・桑名の「魚のてっぺん」、「てっぺん 自由が丘店」で4年ほど研鑽を積み、2018年4月、甲府に「魚屋ちから」を開業。“海ナシ県の山梨で、とことん魚を味わう”をコンセプトに、コストパフォーマンス抜群の刺盛や1杯290円のハイボールをウリにした居酒屋だ。
ところが開業当初、売上は鳴かず飛ばずだったという。「諸先輩からの教えで、“広告にお金をかけない”をモットーにひっそりとスタートしましたが、そのせいかオープン当初はお客様が全然来ませんでした。土曜日の来店が5人だったときは、悔しくて泣きながら帰りましたね……」と塩澤氏は振り返る。苦しい時期はしばらく続いたが、地道に営業を続けた結果、やがて売上は上向き、今では坪月商50万円、地元で知られた繁盛居酒屋になっている。
2店舗目は総合酒場、多様な利用シーンに対応する使い勝手の良い店を目指して
「魚屋ちから」の好調につき、2店舗目の出店を計画。「魚屋ちから」が駅から徒歩9分とやや距離があるため、2店舗目は駅近で物件を探した。甲府駅から徒歩4分の大通り沿い、元は宅配便の配送所だった場所に決めた。
「『魚屋ちから』は魚料理専門ですが、『酒場らっぱ』では、肉料理や煮込み、野菜焼きなど、魚以外に『こんなものがあったらいいな』というメニューをプラスし、総合的な品揃えとしました」と塩澤氏。名物は「坂井のつくね」(1本280円)、「さつまだいこん」「グツグツアツアツ肉豆腐」(各880円)。「お刺身4点盛り」(1人前550円)はじめ、「魚屋ちから」で圧倒的コスパで人気の日替わり鮮魚を使った刺盛も置く。「淡路産たまねぎ」(500円)、「山梨県産どんこしいたけ」(290円)などの野菜焼き、サラダや酒肴、「チキーン南蛮」(ハーフ580円、レギュラー880円)などの揚げ物、「鯛めしご飯」(一合980円、二号1480円)など〆料理、デザートまでバラエティ豊かに揃える。
ドリンクの目玉は290円の「酒場らっぱのレモンサワー」に、サワー、ハイボール、生ビール、焼酎、日本酒など一通りを網羅し、価格は1杯380円~500円が中心だ。
店舗デザインはスタジオムーンの金子誉樹氏が手掛けた。カウンター席に、宴会向けテーブル席やボックス席、店内奥には個室も備え、ふらりと立ち寄るお客から会社の宴会、軽い接待まで対応する使い勝手の良さを備えた。「どこに行こうか迷った際、そうだ、『酒場らっぱ』に行こう、と真っ先に思い出してもらえる、そんな店を目指しています」と塩澤氏は話す。
“お客の満足度を最優先”が繁盛店の秘訣。今後は山梨で4店舗展開と海外進出も視野に
塩澤氏の繁盛店づくりの秘訣は、あくまでお客の満足度を最優先に考えることだという。「1店舗目で苦戦したときも、とにかくお客様の満足度だけを考えて営業を続けました。最後にお客様が振り返って『ありがとう、ごちそうさま』と言わなかったらミーティングを実施。ゆっくりと過ごしてほしいので、混んでいても時間制にすることもしていません。修業時代、東京の店ではやむを得ず2時間制をお願いすることがありましたが、のんびりとした甲府では絶対にやらないと決めていたこと。翌日、お客様に会社で『昨日、いいお店を見つけたよ』と話題にしてもらうことが目標です」。
今後も甲府市内での展開を予定し、すでに3店舗目も物件を確保している。「次はパスタやピッツァの洋業態を構想中。山梨で4店舗ほど展開したら、次は海外展開や、店舗プロデュースにも挑戦したいですね」と塩澤氏は意気込む。
店舗データ
店名 | 酒場 らっぱ |
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住所 | 山梨県甲府市丸の内2-29-5 たちばな屋ビル 1F |
アクセス | 甲府駅から徒歩4分 |
電話 | 050-3503-0618 |
営業時間 | 17:00~24:00 |
定休日 | 不定休 |
坪数客数 | 18坪50席 |
客単価 | 4000円 |
オープン日 | 2019年6月18日 |
関連リンク | 酒場らっぱ(Instagram) |