佐賀名物「温泉湯豆腐」で心機一転、ニューオープン
「日本酒と湯豆腐 いろは」の店主は、深川 翼氏。2012年から営んだ蕎麦Bar「蕎麦の実」を2019年4月30日で閉め、6月9日、新たに同店をオープンした。「いろは」の主力商品は、温泉水湯豆富。そのほか、和食をベースとした小料理と日本酒がメインコンテンツとなる。温泉水湯豆腐というのは、佐賀県の嬉野温泉名物であり、専用の煮汁で豆腐を煮ると、煮汁が濃厚な白濁スープに早変わりするもの。同店では、客席にコンロと特注の土鍋のセットで提供し、客の目の前で湯豆腐ができあがるというパフォーマンス性がウケている。
湯豆腐は身近ながら、意外性のある食材である。豆腐は前に手掛けた蕎麦業態と並び、日本の伝統的な料理だ。「豆腐は奈良時代に日本に伝来したと言われています。江戸時代には『豆腐百珍』という、豆腐料理指南書が出版されました。それぐらい歴史は古く身近な存在なのに意外と注目されていません」と、豆腐復権を願っている。
また、「豆腐は数十円でも買える安価なものでありつつ、湯豆腐となるとかしこまった席で食べる高級料理でもあります」と言う通り、確かに、高級と安価の両極端で中間がない。「いろは」ではその間ぐらいの価格帯を狙った。「温泉湯豆腐」(2人前 3000円)を基本に、「とうふ」(300円)、「野菜盛り」(500円)などを好みで追加し、うどんで締めてひと通り。客単価は飲んで食べて5000円程度と、妥当なところであろう。
和食の代表格・豆腐には日本の酒を合わせたい
深川氏の前の店は「蕎麦と日本酒」であったため、仕入れのネットワークや日本酒の知識を『いろは』でも大いに活かしている。同店では、日本酒はおよそ80種を常備し、非日常感を味わってもらうべく、すべてワイングラスで提供するスタイルを発案。深川氏の前店からの固定客をはじめ、日本酒好きのお客からは「香りがよくわかる」と講評だ。価格は1杯600円~1000円が中心。「越の景虎 超辛口」(600円)、「十四代」(1000円〜)のような知られた銘柄から、「勝駒」(1000円)、「結」(900円)など珍しいものも用意。インバウンド需要を意識しワインも30種ほど常備。ボトルで3500円~だが、「ケンゾーエステート」(紫鈴-rindo- フル20000円)、「オーパスワン」(50000円)などの銘柄も置いていて高級ワインもリーズナブルに楽しめる。
日本が誇る伝統コンテンツ「豆腐」でいずれ東京・世界へ!?
場所は、JRの川崎駅、京急の川崎駅のいずれからも1分ほど。アクセスは良好だが、飲食店が各フロアに軒を連ねるビルの地下に入店しており、看板はやや目立ちにくい。だが、「隠れ家風で、つい人に言いたくなるような楽しさがあると思います」と前向きにとらえている。また、今後の展望については「この店舗以外に次は東京ですね!」と意欲的だ。豆腐のイメージに合わせて、クラシックな街、発展していても下町の感じが残る街がイメージに合うと言う。さらに、「豆腐はベジタリアンの方にも召し上がっていただけます。いずれは海外にも!」と、夢は膨らむ。
店舗データ
店名 | 日本酒と湯豆腐 いろは |
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住所 | 神奈川県川崎市川崎区駅前本町15-5 十五番館ビルB1 |
アクセス | JR線・京急線川崎駅から徒歩1分 |
電話 | 044-233-9595 |
営業時間 | 5時~翌3時 |
定休日 | なし |
坪数客数 | 15坪・38席 |
客単価 | 5000円 |
オープン日 | 2019年6月9日 |
関連リンク | 日本酒と湯豆腐 いろは(FB) |
関連リンク | 蕎麦の実(記事) |