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大阪でバルを展開するジースタイルの東京2店舗目。本場スペインと大阪の味が融合した創作お好み焼きがウリの「カネコバルセロナ」が恵比寿にオープン

4月19日、恵比寿に「カネコバルセロナ」がオープンした。同店を含め大阪と東京で6店舗を展開するジースタイル(大阪府大阪市、代表取締役:金子健治氏)が運営。同店は大阪の味と融合を図ったスペインバルで、オリジナルソースのかかった創作お好み焼きを中心に鉄板料理やタパスを提供。本格派のスペインワインも豊富に揃える。バル飽和状態の恵比寿で、エンターテイメント性と本場の味で差別化を図り勝負を仕掛ける。

恵比寿駅から徒歩2分。黄色いファサードにカタカナの店名。サグラダ・ファミリアと鉄板料理のコテをイメージしたロゴ看板が可愛らしい
座席はあえて丸イスを選び、大阪の大衆鉄板料理屋をイメージ。壁に書かれたイラストはミケル氏作
看板メニューのスペイン風創作お好み焼き「フロマージュバルセロナ」。生地はふわふわ所管のグルテンフリー。客席前の鉄板でかけるソースは歓声の上がるパフォーマンスだ
人気の鉄板料理「エビのプランチャ」(880円)
左から、代表取締役の金子 健治氏、ヘッドマネージャーのロセヨ ミケル氏。「カネコバルセロナ」の店名は、全てカタカナで覚えやすさを意識。大阪出身の金子氏と、バルセロナ出身のミケル氏で美味しいものを追求するという意味を込めた

(取材=福井 晶)


42歳にして、バスの運転手から飲食店経営者へ転身

ジースタイルは同店を含め大阪で4店舗、東京で2店舗を経営している。代表の金子氏は大阪出身。8年前の42歳までバスの運転手として働き、飲食業界は未経験だった。「昔から食べ歩くのは大好きで。飲食店経営の知人が作る唐揚げに惚れこみ、『これをウリにした店をつくれば、絶対繁盛する!』とレシピを教えてもらったのがきっかけです」と同氏。仕事を続けながら、自分が出資し大阪の天満に唐揚げとたこ焼きのテイクアウト店を開業し、飲食業界に飛び込んだ。

その後、その店は譲渡し、2009年、新たに大阪の天満でワインとたこ焼きを提供する「天満たこ焼き酒場 ゴブゴブ」を開業。途中、駅ナカでの出店、撤退など、苦い経験もしながら会社を軌道にのせ、2012年には勤めていたバス会社を退職、代表に就任した。

本場の味を作るため、現地スペインから料理人を採用

翌年には大阪・天満にスペインバル「天満ビストロワイン酒場 ゴブ プラス」を開業。「ちょうどバル業態が流行りだした頃で、スペインバルは他にもたくさんありました。でも、日本人が調理する店がほとんど。スペイン人の友人に頼んで現地から料理人を連れてきて、本場の料理を提供したら面白いんじゃないかとひらめいて。これがドンと当たりましたね」と金子氏。スペイン人による「本物」を提供することが、他店と差別化につながった。

次いで同じく天満に肉バルイタリアン「天満駅前西洋酒場 ゴブ トレス」を出店。そこが軌道に乗り、2016年、創業から7年目で学芸大学に「エル・ロセヨ」に出店し、東京進出を果たした。大阪での成功例を生かし、こちらも本格派スペインバルとして、現地、スペイン・イビサ島で面接した料理人を起用。学芸大学の街とターゲット層もうまくマッチし好調に推移している。また、大阪では同時期にたこ焼きと串カツが主軸の大衆酒場「大阪横丁酒場 おいでや」を開業。順調なステップアップを重ね、今回の新店で新たなる展開を仕掛ける。

「恵比寿に出店したのは飲食店が多く、人気が出た際の発信力も高いと考えたから。ただ、周辺にはバル業態も多いため、今までの知見を踏まえつつ、普通のスペインバルとは違った業態にすることは強く意識しました」と金子氏。

スペインの食文化に触れる中で、次第にスペインと大阪の鉄板料理に共通点を見出すようになった金子氏は、その2つを融合させた創作お好み焼きを中心としたバルを構想。これまでの経験も踏まえ、同店では2010年よりともに記者を盛り上げてきたロセヨ ミケル氏をはじめとするスペイン人スタッフを中心に進め、既存店と同様に”本場のバル文化”が息づく店づくりを進行。スペインのバル文化と大阪の鉄板居酒屋のいいところどりな店を目指した。

キラーコンテンツのお好み焼きは見た目も味もインパクト大

メニューの目玉、スペイン風創作お好み焼きは、研究を重ねアイオリソースやトリュフソースなど様々なアレンジを加えた。グルテンフリーの生地は小麦粉を使わず山芋とメレンゲで作り、ふわふわの食感を実現。小麦粉が入っているのでは、とお客に疑われるほどの完成度だという。真っ白なチーズたっぷりソースのかかった「フロマージュバロセロナ」(1,480円)やイカ墨ソースで真っ黒な「イカスミバルセロナ」(1,380円)など、ビジュアルのインパクトも大。客席にある鉄板で仕上げのソースをかけるパフォーマンス付きで、味だけでなくエンターテイメント性も高いキラーコンテンツに仕上がっている。

創作お好み焼きの周りを固める本場スペインの味

その他、学芸大学の「エル・ロセヨ」でも人気の「イベリコ豚3種食べ比べセット 240g」(2,680円)をはじめ、「ウサギ肉の鉄板焼き」(1,380円)、「イカのプランチャ」(780円)など、スペインの鉄板料理を12品、「タコのガリシア風」(880円)、「パンコントマテ」(480円)などのタパスを14品揃え、本格派のスペイン料理も提供。大阪のタパスとして「自家製すじこん」(580円)がラインナップされているのも憎らしい。

ドリンクのメインは、スペインワイン。ミケル氏が各有名産地から選んだ銘柄が常時24種類以上並ぶ。シェリー酒も豊富に揃え、注文すると、専用のベネンシアと呼ばれる柄杓を使って目の前で注ぐパフォーマンスが楽しめる。他にも、生ビール、海外ビール、カクテル類も揃えつつ、ミケル家に伝わるレシピを使った「自家製サングリア」(680円)や、「ポンチェ・カバジェロ」(680円)など随所にスペインの要素が盛り込まれている。

今後の展望について金子氏は「周辺の競合店のバルとはひと味違った魅力が作れたと思います。軌道に乗れば、この業態を東京の他エリアにも展開していきたいです」と語る。東京に乗り込んできた彼らがバル業態に新しい風を起こすだろう。

店舗データ

店名 カネコ バルセロナ
住所 東京都渋谷区恵比寿西1-3-10 田中ビル 1F

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アクセス 恵比寿駅から徒歩2分
電話 03-6427-8314
営業時間 17:00~翌2:00
定休日 不定休
坪数客数 15坪28席
客単価 4000円
運営会社 株式会社ジースタイル
オープン日 2019年4月19日
関連リンク カネコ バルセロナ (FB)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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