お茶割マーケットの拡大と発展を目指した戦略的な出店
10×10という数式が導きだす100の数をメニュー化する大胆な発想は飲食業界での経験がないまま異業種から起業した多治見氏らしい視点である。実は多治見氏の飲食事業の起業きっかけは、足繁く通った知人が運営する飲食店の経営が危ぶまれ、その閉店危機を回避するサポートをすることだったいう。ところがある日突然に事態は一転し多治見氏がその飲食店のオーナーとなり引き継ぐことに。そしてその場所で2014年4月に新たにイタリアンレストラン「daikanyama O’KOK(ダイカンヤマオーコク)」として開業させ、同時に同社を起業したのだ。「daikanyama O’KOK」は繁盛店に成長。
そこで多治見氏は次の挑戦として発展的な新業態創りを模索した。当時、専門店もできて注目され始めたレモンサワーには刺激されたという。しかし店だけのオリジナルレシピや究極の一杯に向かうレモンサワーではなく、お茶割に着目した。日常的に愛飲される日本茶は酒場でもお茶割りとして親しまれているからだ。多くの人がペットボトルのお茶を飲むなか、急須を使いきちんとした作法で淹れる日本茶で育ち、今も日本茶を愛飲する多治見氏らしくもある。しかも日本茶はもとより紅茶など種類も多彩でありお茶は滋養効果など多角的に注目されている。そんな付加価値価を携え広がりのあるお茶と合わせるお茶割の魅力を発信する拠点として立ち上げたのが「茶割 学芸大学」。酒場街として知られる学芸大学から目黒店はさらなるお茶割りマーケットの拡大と発展を目指した戦略的な店鋪でメインターゲットは女子だ。
100種類のお茶割のメニューは一目で分かるように図式化
100種類のお茶割のメニューは一目で分かるようにメニュー表に図式化されている。横罫に10種類のお茶、縦罫に10種類のお酒が並ぶ。縦横が重なる升目には「茎茶×宝焼酎」の400円を基本に、種類によってプラス価格が表記されている。お茶は「茎茶」、「ほうじ茶」から珍しい「トルコ紅茶」、「緑のアールグレイ」などが並ぶ。お酒は宝焼酎にジンなどのスピリッツにウィスキー。ほかに泡盛やカシスなどのリキュールもある。当然ながらテイストは全て多治見氏によるマッチングチェックでお墨付きの美味しさだ。中には月限定のお茶やお酒を加えるなど、時々お茶やお酒の種類を変えて鮮度みを持たせている。
フードの名物である唐揚げも同様に図式化されている。横罫に10種類の鳥の部位、縦罫に10種類の調味料を表記。鳥は鶏に加え鴨とダチョウの部位が並ぶ。部位はもも、むねなどに鶏の砂肝など。調味料は「プレーン」を基本に「わさび」に「パクチー」といった独創的なものまでも用意。価格は「もも肉のプレーン」の400円を基本に部位や調味料プラスしていく設定。さらに「本日の惣菜」も揃え多様なニーズにも応える酒場となっている。
さらに10×10=100の計算式マジックで見せる新業態の構築と展開
オーダーが入ってから茶道のお手前のように茶筅で点てる抹茶。お茶割の基本のお茶は全て茶葉からそれぞれに最適な方法できちんと淹れることがなによりものこだわりだ。茶葉は多治見氏が懇意にするお茶好き店主がいる街のお茶屋さんからの仕入れ。多治見氏のお茶への想いを実感する。今後も「茶割」ブランドの知名度アップと美味しいお茶割の啓蒙を見据えた出店を既に計画している。さらには10×10=100の計算式マジックで見せる新業態の構築と展開に取り組んでいるという。多治見氏のさらなる独創的展開に注目だ。
店舗データ
店名 | 茶割 目黒 |
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住所 | 東京都目黒区下目黒1-3-28サンウッド目黒B1 |
アクセス | 目黒駅から徒歩3分 |
電話 | 03-6417-9811 |
営業時間 | 【月〜金】ランチ11:30〜15:00、 ディナー18:00〜23:30 【土】15:00〜23:30 |
定休日 | 日祝 |
坪数客数 | 14坪25席(カウンター13席/テーブル12席) |
客単価 | 3300円 |
運営会社 | 株式会社サンメレ |
オープン日 | 2019年3月4日 |