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山形県河北町のアンテナショップ「かほくらし」内に物販店「雛音」&飲食店「華音」が開業!第五世代のエース・狩野氏が商工会とタッグを組み、三軒茶屋で地方創生の使命を背負い邁進中

三軒茶屋の国号246号線沿いに立地する一軒家を改装した、山形県河北町のアンテナショップ「かほくらし」。1階に物販の「雛音」、2階に飲食店の「華音」が営業する
1階「雛音」。野菜や酒、加工品など、山形の特産品を常時300品ほどそろえる物販店
2階「華音」。プロジェクターを配備し、今後はここで有名シェフとのコラボイベントも開催予定だ
手前「千日和牛と庄内豚の三茶芋煮」、左「本日の千日和牛-ステークフリット‐」右「かほくイタリア野菜と種からすごい野菜のサラダ」(1180円)
山形県河北町の酒蔵の日本酒や、山形ワインやフランスの自然派ワインがそろう。美しい酒器にもこだわりが見える
写真右から、サービスマネージャーの藤原円氏、「華音」料理長の石崎太一氏、「華音」店長の須田氏

(取材=大関 愛美)


1月11日、三軒茶屋の国道246号線沿いに、山形県河北町のアンテナショップ「かほくらし」がオープンした。築40年ほどの2階建ての建物で、1階には物販店の「雛音(ひなの)」が、2階には飲食店の「華音(かのん)」が入る。2店舗とも、運営は和音人(東京都世田谷区)。代表取締役の狩野高光氏は、現在32歳、“飲食第5世代”のエースとも言える人物だ。同社は三軒茶屋エリアで飲食店を5店舗展開し、今回の出店で計7店舗となる。2015年6月に開業した、山形県の食材や酒をテーマにした「月山」や、2017年10月に開業した、「かほく野菜」を取り入れただし料理の「オステリア割烹 りんどう」など、これまでにも山形の魅力を訴求する飲食店を展開していた同社が、河北町の商工会から委託され開業した。

収益性より、地方創生への熱い想いありきの出店

2018年春ごろ、山形県河北町の商工会で東京にアンテナショップを開業する計画が立ち上がった。そのパートナーを探していたところ、これまでにも山形食材をテーマにした飲食店を展開している狩野氏に白羽の矢が立った。「出店には、物販店を併設することが条件でした。その負担の大きさを考えると、当社でうまく黒字化することができるかが不安だったので、当初はお断りしようかとも考えていました」と狩野氏。ところが、何度か議論を重ねる中で狩野氏はオファーを受けることを決意。その理由について狩野氏はこう話す。

「出店の決め手は、一言で言えば、“使命感”。東京から河北町の魅力を発信することで、生産者の方々の力になりたい。『地方創生』は、今回に限らず当社が掲げているテーマです。実際に生産者のもとに足を運ぶ中で、人口減少、担い手不足、販路縮小など地方が抱える問題が多いことを知りました。そういった現状を、飲食店という形を通じて変えていくことが僕の使命だと思っています。今回は、収益ではなく、使命や想いありきの出店なんです」と力強く語る狩野氏。「さらに、商工会によるアンテナショップのモデルケースになりたい。今後、同様の店が増えて、さらに地方創生が加速してくれれば嬉しいですね」とも。5つの既存店を運営するようになり、創業当時と比べて経営も安定してきたこのタイミング。だからこそ、利益ばかりを重視せずに自らが思う使命を果たすためにできる挑戦なのだろう。

自慢のだしと山形素材を使った、フレンチ&山形郷土料理

2階飲食店の「華音」のテーマは、“だしビストロ”。自慢のだしを使い、フレンチベースの品や、同店流にアレンジを利かせた山形の郷土料理がそろう。素材には「日本一のイタリア野菜」と名高い、「かほくイタリア野菜」をはじめとする山形の素材を多く取り入れ、その魅力をプレゼンテーションする。スペシャリテは「本日の千日和牛-ステークフリット‐」(その日ごとに異なる部位を提供し、時価)と「千日和牛と庄内豚の三茶芋煮」(1180円)。とくに「千日和牛と庄内豚の三茶芋煮」は、同社の和業態料理長の熊谷氏が、山形の郷土料理の芋煮を再構築した逸品。里芋やニンジンなど、芋煮の材料をペースト状にして成型したものに、薄切りの庄内豚を巻いてグリル。仕上げに出汁あんかけをかけるという仕立てだ。一般的な芋煮とはかけ離れたビジュアルだが、頬張れば口の中で芋煮の味わいが再現される、いわば芋煮の口内調理といえる一品。また、名物として推すのが、河北町発祥の郷土料理「小さな冷たい肉そば」(780円)だ。「谷地の肉そば会」と「かほく冷たい肉そば研究会の」が共同開発・監修した、親鶏だしを使ったオリジナルレシピで提供。その他、各種おばんざいなど約30品がそろう。

ドリンクも山形ゆかりのものを積極的に取り入れている。河北町の蔵元、和田酒造の「あら玉」や、同じく河北町の朝日川酒造のものを各種グラス580円、一合980円で提供。ワインは山形産のものやフランスの自然派ワインを用意し、グラス580円~、ボトルでは3300円~6200円。「あら玉出汁割り」(580円)や「かほく茶割り」(550円)をはじめ、ビール、焼酎、果実酒、サワーなどがそろう。

3年で7店舗を展開。今後も地方創生を軸に邁進

これによって、わずか創業から3年で三軒茶屋エリア内に7店舗の出店を果たした同社。今後、しばらくは出店を控え、組織の基盤づくりに注力するという。同時に、狩野氏に地方でのプロデュース業の話もあり、変わらず地方創生に取り組んでいく意向だ。さらに、第五世代の経営者の育成を目的とした会の発足や、外食の現場や生産者にスポットライトが当たる仕組み作りにもチャレンジしていく。

店舗データ

店名 1階:雛音(ひなの)、2階:華音(かのん) ※山形県河北町アンテナショップ「かほくらし」内
住所 東京都世田谷区三軒茶屋2-12-10

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アクセス 三軒茶屋駅から徒歩3分
電話 雛音:03-5779-4045 、華音:03-5779-4055
営業時間 雛音:10:00~19:00、華音:ランチ11:30~14:30、ディナー17:00~24:00
定休日 雛音:不定休、華音:月曜
坪数客数 雛音:10坪、華音:19坪28席
客単価 華音:ランチ800円、ディナー5000円
運営会社 株式会社和音人
オープン日 2019年1月11日
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※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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