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「東京おでんラブストーリー」が恵比寿に開業。ノスタルジックな昭和スタイルの出会いの場として話題に、連日満席の大ヒット!

恵比寿駅西口から徒歩1分の雑居ビル2階に立地。店名が手書きされたのれんが存在感を放つ
昭和のノスタルジー漂う内装デザイン。店内には3台のおでん屋台を配置
串打ちのおでんは13品を用意。お客がセルフで取り、取った商品を伝票に書き込むシステム。串に当たりの印が付いていたら、好きな別グループのお客にドリンクやフードなどを贈ることができる
そばは店内に設えたそば打ち部屋で職人が手打ちする本格派だ
スマート代表の深澤勇人氏。20代で海外を放浪したのちに人材派遣業で起業。現在は恵比寿や静岡などで飲食店を5店舗展開する

(取材=大関 愛美)


2月9日、恵比寿駅西口から徒歩1分ほどの雑居ビル2階に「東京おでんラブストーリー」がオープンした。奥まった場所にある階段を上った先に佇む同店。足を踏み入れれば、おでん屋台が並ぶ、まるで昭和にタイムスリップしたかのような空間が広がる居酒屋だ。連日、20代~30代の若い男女を中心に賑わい、別々のグループ客同士が打ち解け、楽しく杯を酌み交わすという、恵比寿らしい光景も珍しくない。開業から2カ月ほどにもかかわらず約20坪40席の店内は満席続きの毎日。週末ともなれば1日130人を集客し、入れないお客も少なからずいるという繁盛ぶりだ。

同店のコンセプトは、「ノスタルジックな昭和スタイルの出会いの場」。おでんと手打ちそばがウリの昭和のノスタルジーをテーマにした居酒屋でありつつも、同時に“ラブストーリーが生まれる出会いのスポット”としても機能し、若い男女を中心ににわかに話題となっている。運営は、カフェやゲストハウスなどを展開するスマート(静岡県富士市、代表取締役:深澤勇人氏)。ほか恵比寿ではつけナポリタンがウリの「ライオンのいるサーカス」や、ルーフトップバーの「Bistro Franky Hotel(ビストロ フランキーホテル)」を構えるほか、創業店である静岡県富士市の「Cafe Sofarii(カフェ ソファリ)」、鎌倉・腰越につけダレで食べる“ダンクバーガー”専門店の「SLAMs Burger House(スラムス バーガー ハウス)」を運営する。数々のユニークな業態を手掛けてきた同社だが、今回もその型破りな発想による店づくりに注目が集まっている。

同店はもともと同社が運営する「恵比寿のパンダ」だった物件。それを業態変更して誕生した。その経緯について代表の深澤氏はこう話す「『恵比寿のパンダ』はカフェとして2012年6月に開業しました。パンケーキやつけナポリタンを用意し、ランチやお茶利用にこたえるほか、夜はアルコールにも注力。当時は“カフェでお酒を嗜む”というのが、ある種のオシャレだった時代でした。そのトレンドに支えられ売り上げは順調に推移していたものの、時代の流れにより、次第にカフェで酒を飲むというシーンは衰退。売り上げが落ちていったことから、思い切って業態変更をすることを決意しました。そこで、当社で今まで手掛けたことのない居酒屋という業態にチャレンジすることにしたんです」。

「40代以上の人にはなつかしさを、それ以下の世代には新鮮さを感じてもらいたい」と深澤氏。内装や什器、細部に至る小物まで徹底的にこだわり、ノスタルジックな空間を作り上げた。店内にはリヤカーを改造した本物さながらの屋台が3台鎮座。屋台の中心には業務用おでん鍋が据えられ、お客はそれを囲むように飲食を楽しむ。屋台ゆえに客同士の間隔は狭く、密着感のある空間で、隣あったお客同士の会話が自然と生まれるような環境だ。さらに特筆すべきはくじ付きのおでん。おでんを打つ串には約10本に1本の割合で1等~5等までの当たりが存在し、当たりを引き当てれば、他グループの好きなお客に、ドリンクやフードなどのプレゼント(無料)ができるという粋な仕組みだ。これを利用して気になるお客にプレゼントを贈ることで、会話のきっかけにすることができる。こういった仕掛けが、同店が“出会える居酒屋”と話題になっているゆえんだ。「10年ほど前に恵比寿に開業した『恵比寿横丁』は、今や“ナンパスポット”として大盛況。それに付随して近辺には客同士の交流が生まれるような立ち飲み屋やバルが増え、さらに当店の隣には『相席屋』まで開業しましたが、どこも繁盛している。恵比寿にはそういった出会いを求めるニーズというのがあると捉え、そのスキマを狙い、“出会える居酒屋”というコンセプトを打ち立てました」と深澤氏。

看板商品のおでんは「たまご」「はんぺん」「大根」(各200円)、「巾着」(250円)、「パクチー」(300円)など13品が並ぶ。店内のそば打ち部屋で、そば職人が手間暇をかけて手打ちするそばも目玉だ。「かけ」(800円)から「鴨せいろ」(1700円)まで12品をそろえる。加えて、「クレソンと揚げのサラダ」(850円)、「季節の天ぷら」(1300円)などの一品料理も充実する。ドリンクのラインアップにもこだわり、「真澄」(500円)、「伯楽里」(550円)など、6品をそろえる日本酒は、ワインのように飲める女性好みのものを中心に厳選。ほか、ウイスキー、焼酎なども「原価はかかっても、他ではあまり見ないおもしろい銘柄を」(深澤氏)と、こだわりを持って選んだ品ぞろえだ。

「“出会える居酒屋”なんて、一見チャラチャラしたコンセプトでも、高いクオリティのフードやドリンクを提供するというギャップを大切にしています。おいしい料理にお酒、さらに出会いまでも楽しめる。そういった魅力を兼ね備えてはじめて激戦区の恵比寿で差別化ができるんだと思います」と深澤氏は話す。

今後も同業態の店舗展開に意欲的な深澤氏。夏は不利と言われるおでんだが、今夏の動向を見て、このまま好調を維持できれば年内に別のエリアにもう1店舗を展開したい考えだ。「当社は『旅するカフェ』をテーマに店舗を展開。全国、さまざまな場所に出店し、スタッフの異動を盛んにしたい。会社としては大変だけど、でも、スタッフにとってずっと同じ場所で働くのはつまらないでしょ?」と深澤氏。同氏は、独立以前の20代のころ、海外のさまざまな国を旅して、その土地のカフェやレストランで働いていたというフットワークの軽さを持つ人物だ。同じ場所にとどまるより、多様な視点からモノを見ることで得られるものは大きいと深澤氏は確信するのだろう。そうして培われた広い視野、自由な発想こそが、「東京おでんラブストーリー」の大ヒットにつながっている。

店舗データ

店名 東京おでんラブストーリー
住所 東京都渋谷区恵比寿南1-7-8 ニューライフ恵比寿202

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アクセス 恵比寿駅西口から徒歩1分
電話 03-5708-5237
営業時間 17:00~24:00
定休日 不定休
坪数客数 約20坪40席
客単価 3000~5000円
運営会社 有限会社スマート
オープン日 2018年2月9日
関連リンク 東京おでんラブストーリー(FB)
関連リンク 旅するカフェ(有限会社スマート)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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