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西新宿五丁目のホテル1階にアイリッシュパブ「Peter Cole」が開業。朝昼晩の三毛作で幅広いニーズを獲得

西新宿五丁目駅から徒歩1分、アパホテル1階に立地。エメラルドグリーンのファサードが印象的
70坪の広さを誇る店内。可動式の仕切りが設置され、20~30名の貸し切り個室を作ることも可能だ
本場のアイリッシュパブを再現すべく、写真のブロンズ像をはじめ、調度品のひとつひとつにもこだわった。デザインは、アイリッシュパブ専門で設計を行うVC(長野県松本市)
同店のなによりの目玉商品、「ギネス」(1Pint’s 1000円、Half Pint’s 600円)は、他店ではあまり見かけない、開栓した樽の冷却装置を付けて保管。冷やすことで鮮度を保ち、常においしい状態で提供するのがこだわりだ
米粉を使った「ピンサ」は4品用意。写真はアンチョビ、トマト、ケッパー、ガーリックの「ナポリ」(1150円)
オーナーの河合 豪氏(写真右)と、共栄社代表の小河原 淳氏。今後も二人でタッグを組んで「Peter Cole」を展開予定だ

(取材=大関 愛美)


西新宿の高層ビル群を抜けた先、大江戸線で新宿駅からは2駅目に位置する、西新宿五丁目駅エリア。オフィスビルやマンションなどが立ち並び、ワーカーや住民が入り交じる地域だ。そんな場所に、3月20日、アパホテル&リゾート〈西新宿五丁目駅タワー〉の開業に合わせ、同ホテル1階部分にアイリッシュパブ「Peter Cole(ピーターコール)」がオープンした。元キリンビールの営業マンだった河合 豪氏と、共栄社(東京都新宿区、代表取締役:小河原 淳氏)の共同経営だ。

河合氏は1985年、当時キリンビールの洋酒部門の会社キリン・シーグラムに新卒で入社。それから30年以上にわたり、主に業務用酒類の営業の仕事に携わってきた。4年ほど前、キリンビールからキリン・ディアジオに出向となった河合氏。そこで開業への想いが芽生えたという。「キリン・ディアジオのメイン商材はギネスビール。ギネスビールがよく売れる業態いえば、アイリッシュパブです。ギネスビールの販路拡大のため、アイリッシュパブの開業を提案する仕事をしていましたが、そんな仕事をしているうちに、いつしか自身でもアイリッシュパブを開きたい、と思うようになったんです」と河合氏は笑う。そんな折、ホテルの朝食事業の企画をする共栄社の代表、小河原氏と意気投合し、ともにアイリッシュパブを開くことを決意。新規開業するアパホテル1階の物件と巡り合い、開業に至った。

店舗面積は70坪とアイリッシュパブにはあまり類を見ない広さだ。同店では、朝、昼、晩とそれぞれ異なる表情を見せる。朝は、全730部屋を擁する同ホテルの朝食会場の役割を担い、イングリッシュブレックファストのブッフェ(1名1500円/税込、以下同)を提供。毎朝、数百名の宿泊者の朝食需要が見込めるという。そのため一般的なアイリッシュパブに比べ、厨房は約15坪と広めにとっているのが特徴だ。昼は、ランチセットを日替わりで2~3種類(各1000円)を用意し、近隣のオフィスワーカーのニーズを取り込む。そして、夜はキャッシュオンのアイリッシュパブとして営業する。フードは、パブの定番フードである「特製フィッシュアンドチップス」(700円、Large1200円)をはじめ、「牛もも肉ギネスビール8時間煮込み」(1250円)、米粉を使ったピッツアの原型と言われる「ピンサ」の「ナポリ」(1150円)、「メランザーネ」(1250円)など、約40品のつまみがそろう充実ぶりだ。一般的なアイリッシュパブに比べ、フードの品数の多さが自慢だが、それも厨房を広く設えていることでなせる業だ。

とはいえ、パブの主役はあくまでドリンク。「アイリッシュパブのドリンクとフードの売り上げ比は7:3で、ドリンクが多い。さらにドリンクの売り上げの中でも、7割を占めるのがビールです」と河合氏。5品をそろえる生ビールのなかでも、目玉は「ギネス」(1Pint’s 1000円、Half Pint’s 600円)。河合氏が長年営業マンとして扱ってきた商品だけあり、「ギネス」には同店なりのこだわりが隠れている。「通常、ビールの樽は常温で保管しますが、ギネスビールはとくに劣化が進みやすいビール。そこで、当店では樽を冷やす冷却装置を付けることで劣化を防ぎ、新鮮さをキープ。これを実践している店は他ではほとんどないのでは。当店はどこよりもおいしいギネスビールを提供します」と河合氏は自信を見せる。このほか、香り高いウイスキーの「ジョニーウォーカー」に、オレンジピールを添えた「ジョニーウォーカーブラックハイボール」(600円)、プレミアムなウォッカ「ケテルワン」と、香川県観音寺市の藤川果樹園のレモンを使用した「ケテルワンレモンサワー」(700円)など、キリンビールの営業マン時代に得た酒類の知見をいかんなく発揮した、オリジナルカクテルを中心に種類豊富にそろえる。

ターゲットは、インバウンド含むホテルの宿泊者から、近隣住民、周辺のオフィスワーカーだ。朝昼晩と営業形態を変えることで多様なニーズを取り込み、月商2000万円をめざしている。「今後も、チャンスがあれば共栄社とともにこの業態の展開をしたい。ですが、まずは当店をしっかりと確立していくことが目標です」と河合氏。「アイリッシュパブは、お客さまとスタッフ、またお客さま同士のコミュニケーションが生まれる場所。今後、ますますインバウンドの増加も予想されることもあり、日本にもっとパブを増やしていきたいですね」とも。河合氏の30年以上にわたる酒類会社での営業マン経験と、アイリッシュパブへの敬意が詰まった「Peter Cole」。今後、どのような成長を見せるのか、目が離せない。

店舗データ

店名 Peter Cole(ピーターコール)
住所 東京都渋谷区本町3-14-1

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アクセス 西新宿五丁目駅から徒歩1分
電話 03-6276-0035
営業時間 朝7:00~10:00、昼11:30~15:00、夜15:00~24:00
定休日 無休
坪数客数 70坪130席
客単価 朝1500円、昼1000円、夜3000円
運営会社 オーナー河合豪氏、共栄社
オープン日 2018年3月20日
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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