新宿駅から徒歩10分ほど、都心の庭園として知られる新宿御苑。そこからすぐ近くの丸ノ内線新宿御苑駅の周辺は、新宿の中心地の喧騒からは離れた閑静なエリアとなっている。その新宿御苑駅から徒歩3分に立地する雑居ビルの1階に、11月3日、「ヤサイ串巻 ベジィタ」が開業した。旬の野菜を肉で巻いて串焼きにした野菜串巻きと、色とりどりの果物を使ったフルーツサワーがウリの居酒屋だ。オーナーの阿部智氏は、都内に8店舗の居酒屋を展開するベイシックス(東京都港区、代表取締役:岩澤博氏)で、11年間にわたり修業した人物。店の入り口は奥まった場所にあり、視認性はよいとは言えないが、この店がまえこそが、これまで悪立地で数々の繁盛店を生み出してきたベイシックスのDNAを感じさせる。店名にもその名を冠する、某人気少年漫画のキャラクターに野菜や果物をあしらったイラストが入口ののれんに描かれ、店の存在を知らせる目印となっている。
ベイシックスでは「ジョウモン」や「ごりょんさん」など串業態の店舗に長くかかわってきたという阿部氏。「看板商品を串焼きにするのは、ずっと前から心に決めていました。ですが、単なる串焼きではありきたりの店になってしまう。そこで季節ごとに“旬”を演出できる野菜に着目。健康志向の高まる昨今、ヘルシーさも訴求ポイントにできると思い、野菜巻きにフューチャーしました」と阿部氏。たとえば、アスパラ、トマト、エリンギ、万能ねぎ、マッシュルーム、マスカット、しそバナナ、柿モッツァレラ……、数あるレパートリーの中から、そのときどきの旬の野菜や果物を豚バラ肉やベーコンで巻いた野菜巻き(各種216円~324円)を、常時20品ほど用意する。この他、「牛ザブトン」(378円)、「鴨つくね」(302円)などの肉を使った串焼きを8品や、「ささみとアボカドのカルパッチョ」(626円)、「里芋の竜田揚タルタルソース」(680円)などの「串を邪魔しないつまみ」(阿部氏)を約20品用意する。
ドリンクはフルーツサワーを中心に約40品。「手搾りサワー」「リモンチェッロカワー」「ハチミツレモンタワー」(各518円)など、レモンサワーだけで5品とバリエーション豊富に用意する。また、ラムネやジュースなどの清涼飲料を製造している東京飲料(東京都中野区、代表取締役:寺田龍氏)のドリンクを使ったサワーもウリのひとつ。東京飲料のジュース「ダイエットシトラス」に、ライムとジンを合わせた「ダイエットシトラス+ライム+ジン」(486円)や、同じく東京飲料のジュース「ぶどう」にミックスベリーと赤ワインを合わせた「ぶどう+実+赤ワイン」(486円)など、ただ酒と割るだけでなく、果物などのワンアイテムを加えてオリジナリティを出すのが身上だ。
現在、同店は“第一ステージ”の位置づけだという。まずは近隣の人々を中心に認知度の向上を目標としている。「周囲からは『新宿御苑はオフィス街だから土日は厳しい』と言われていましたが、実際に土日も営業してみると、近隣の家族連れが来店し、土日に開いている貴重な店として喜んでもらえました。確かに、土日の人通りは少ないですが、来てくれるお客さまは強いニーズを持っている」と手ごたえを感じている阿部氏。そして年明けの2018年からが“第二ステージ”。旬の野菜を取り入れた季節メニューを充実させ、より魅力的なメニュー構成にしていきたい意向だ。
今後は店舗展開も見据える阿部氏だが、こだわるのは「ナンバーワンよりオンリーワン」の店づくり。周辺の店舗とはひと味ちがうひねりを加えて「この街にこんな店がほしかった」と、街の人に喜んでもらえるような唯一無二の店づくりが目標だ。「新宿駅付近に比べれば非常に閑静なエリアですが、最近、タワーマンションが建設されるなど、これから盛り上がっていくエリアだとにらんでいます。通称『奥新宿』として、新たなスポットとして注目を浴びるよう、その旗振り役となるような店を作っていきたい」と阿部氏は目を輝かせる。
店舗データ
店名 | ヤサイ串巻 ベジィタ |
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住所 | 東京都新宿区新宿1-30-12 ニューホワイトビル1F |
アクセス | 新宿御苑前駅 2番出口 徒歩3分 |
電話 | 03-5341-4389 |
営業時間 | 【月〜木】17:00〜24:00(L.O.23:30)、【金】17:00〜25:00(L.O.24:30)、【土・日】17:00〜23:00(L.O.22:30) |
定休日 | 不定休 |
坪数客数 | 14坪35席 |
客単価 | 3500円 |
オープン日 | 2017年11月3日 |
関連リンク | ヤサイ串巻ベジィタ(FB) |