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女性目線で女性のための店を。グリップセカンドの新ブランド「She」、日比谷シャンテのレストランフロアリニューアルに合わせ12月7日にオープン

レストランフロアは施設の地下2階。間口が広く天井も高いので、地階ながら開放感がある。シンプルだけど温かみの感じられる内装
50坪店内にゆとりをもって配置されたテーブル席は、おしゃべり好きな女性たちへの配慮なのだろうか。チェック柄のソファーシートがインテリアのアクセントになっていてとても目を引く。
季節の果実を贅沢に使った、甘くないサワー。果実本来の味わいが楽しめる大人向きなサワーとなっているのがこの店ならでは
砂肝と徳島ケール・からし菜のサラダ。串で食べるのが一般的な砂肝を、葉物と合わせてサラダ仕立てにしているところに女性の視点を感じる
左はマネージャーの辻氏、中央はキッチンで働く佐藤氏、右側はホールスタッフの河村氏。店名にふさわしく、チャーミングな女性たちが出迎えてくれる

(取材=小野 茜)


12月7日。日比谷シャンテのレストランフロアリニューアルに伴って、グリップセカンド(東京都豊島区、代表取締役:金子 信也氏)が新業態「She(シー)」をオープンした。同社は池袋エリアを中心にドミナントで一店舗一業態を基本に出店を進めている。先日も南池袋の東通りに3毛作の新業態「GRIP PROVISION(グリッププロヴィジョン)」をオープンしたばかりだ。そんな同社が日比谷という地で新たなブランドに挑む理由について、代表の金子氏に話を聞いた。

「女性スタッフをさらに輝かせるような場を作りたかったんです。」と金子氏。シェフやマネージャーなど、意思決定が必要で、責任あるポジションも積極的に女性を抜擢し、女性らしく能力を発揮してほしいという。しかし同社の既存店11店舗のうち、7店舗は女性がマネージャーを務めている。客観的に見れば、マネージメント層の女性比率は高い。とはいえ結婚や出産など、生活に変化の多い女性には現実問題、一時的とはいえ一線から離脱せざるを得ない状況も多々あり、長くそのポジションに留まることは容易とはいえないのだろう。またシェフなどの専門職にはまだまだ女性層が薄いのも事実という。だからこそ、女性同士がうまく助け合える仕組み=女性組織で運営する店があれば、様々な課題も解決できると考えたようだ。

そういう意味では日比谷がフィットした。宝塚劇場や帝国劇場など、観劇目的に多くの女性が集まってくるが、この近辺には銀座ほど飲食店がない。特に夜、女性を楽しませるような業態が圧倒的に少なく、女性目線で女性向けの業態出店には向いた立地であるというわけだ。店名の「She」も、この店を訪れる多くの“彼女(She)”たちに向けてつけられたものだ。

料理は既存店同様、全国50以上の生産者から直送される無農薬食材を使って作っている。ランチは「約15種類のお野菜と牛ハラミステーキ」(1600円)、パスタの「燻製ベーコンとモッツァレラチーズのトマトソース」(1000円)、フォーの「塩鶏とクレソン・ライムのフォー」(980円)、グラタンの「トマトペンネと茄子 豚肉ラグーソース」(1100円)など。いずれも女性が好みそうな食材や料理、ヘルシーさなどのツボを押さえている。ディナーでは、「冬蓮根と蒸し鶏・パクチー・ナンプラー」(580円)、「千切り野菜と小海老・しば漬けのサラダ」(900円)などのつまみ類のほか、「徳島レタスと地鶏のそぼろ」(680円)、「天草産ムール貝と香川県フジカワレモンの白ワイン蒸し」(1200円)、「徳島椎茸・舞茸・エリンギと羊のラグー ラクレットチーズを豪快に!」(1400円)など旬を堪能できる一品料理は、食材の取り合わせなどがユニークで面白い。

ドリンクは既存店「SOUR HOUSE」でも出している季節の果物「観音寺レモン・完熟桃・完熟苺・早生みかん『ゆら』」を使ったサワー類のほか、「沼津ラガー」「わびさびジャパンペールエール」(各980円)といったクラフトビール(ボトル)や、完熟林檎を使った「ティーサングリア」(700円)などバラエティ豊か。またワインは、無農薬栽培の手摘みぶどうから作った自然派のものをリストで用意しており、安心安全な国産食材を可能な限り多用し“Clean Eating”という食における同社の理念を実現することが徹底されている。

オープニングは男性スタッフもオペレーションに加わっているが、軌道にのった後には女性スタッフのみで運営体制を築くという。現在、アルバイトも含めて20名ほどのスタッフがいるようだが、短時間しか働けないアルバイト志望者なども積極採用し、30名くらいまで増員したいと金子氏は話す。この女性組織が完成すれば、ほかの既存店で働く女性も、個々の事情で仕事のペースを落としたい場合には「She」に異動し、無理なく働き続けることができる。逆に、子育てがひと段落した女性には「She」から巣立って、既存店でキャリアアップを目指す道も考えられる。グリップセカンドの中にそうした柔軟な機能を持たせることにより、今より多くの人材が長期的に活躍できる環境が整うのだろう。単に飲食店としての在り方だけでなく、組織としての在り方を模索し続ける同社を今後も注目していきたい。

店舗データ

店名 She
住所 東京都千代田区有楽町1-2-2日比谷シャンテB2F

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アクセス 千代田線・日比谷線 日比谷駅から徒歩1分
山手線・京浜東北線 有楽町駅から徒歩3分
電話 03-6457-9878
営業時間 【火~土】11:00〜23:00(L.O.22:30)、【日・月】11:00〜22:00(L.O.21:30)
定休日 施設に準ずる
坪数客数 50坪・70席
客単価 3000〜3500円
運営会社 株式会社グリップセカンド
オープン日 2017年12月7日
関連リンク 株式会社グリップセカンド(HP)
関連ページ GRIP PROVISION(HP)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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