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渋谷・道玄坂裏の百軒店に炭焼きビストロ「lilgo(リルゴ)」が誕生。渋谷の30〜40代に向けた地域密着店を目指す

歓楽街に突如現れるのは、ブロック壁のシンプルなデザインに、店名のロゴが映える浅岡氏が手がけた「lilgo」だ
コンクリートや木などを使ったシンプルで男性的でシンプルなデザイン。オープンキッチンは客席フロアと同じ高さにしてお客との距離を近づけた
旬の野菜を、同店が売りにする炭焼きで調理した「グリル野菜サラダ」(972円)は見た目も鮮やかで体にも優しい一品
チャージやお通しがない代わりに、お通し感覚で食べてほしいと用意した「黒毛和牛サーロインのローストビーフ」。50g540円から、50g単位で提供している(写真は100g1080円)
写真左からシェフの鈴江悟史氏、フロアーリーダーの玉城ヒデ氏、オーナーの浅岡憲氏、店長の井上太氏

(取材=大関 愛美)


渋谷・道玄坂からそれた横道へと進むと現れる道玄坂裏の百軒店エリア。ディープな歓楽街だが、一方で、「Mikkeller Tokyo(ミッケラー トウキョウ)」「小料理屋 百けん」など個性の光る飲食店が点在する地域でもある。その一角に、6月28日、炭焼きビストロの「lilgo(リルゴ)」がオープン。オーナーはグローバルダイニング出身、西早稲田の「KITCHEN V(キッチンブイ)」、神田錦町の「V table(ブイテーブル)」などを手掛けてきた浅岡憲氏だ。

圧倒的なコストパフォーマンスで近隣住民を中心に集客し、「キッチンブイ」を繁盛店に育てあげ、次いで2013年7月には皇居近くのオフィス街に「ブイテーブル」を開業した浅岡氏。しかし、「ブイテーブル」の売り上げは順調に推移していたものの、物足りなさを感じていたという。「ビジネスマンのお客様との付き合い方が難しかった。せっかく常連になっていただいても転勤というようなことも多々あり、“地域に根差した店づくり“という私のモットーからは乖離しているように感じていました」と浅岡氏。断腸の思いで「ブイテーブル」を閉じ、渋谷エリアで新店舗を開業し、そちらに人材などのリソースを割くことを決断した。渋谷での出店は以前から構想を練っており、3年ほど前から物件を探していたという。「もう10年以上前から、渋谷=若者の街と言われていました。ということは、当時の渋谷の若者はもう30代40代になっている。そんな渋谷の大人たちが、普段使いできる地域に根差した店を作りたかった」と話す浅岡氏。そんななかで出合ったのが現物件。渋谷エリアのなかでも比較的家賃が安価で、力のある飲食店が存在するこのエリアに可能性を見出した。

元はデリバリーの弁当屋だったという15坪の物件を、個人の内装業者とともに2か月の工期をかけて納得のいくまでじっくりと作り上げた。客席はお客の利用動機によって使い分けられるよう、多様なタイプを用意。大人数向けのテーブル席や、ゆっくり食事をしたいカップル向けの店内奥のカウンター、オープンキッチン前のカウンターはスタッフと会話を楽しみたい常連客向けになっている。とくに浅岡氏が「カオステーブル」呼ぶ、店内中央に配置されたテーブルは、椅子を設けず、店の混雑時に席が空くまで待つ場所として使える他、スタンディングで飲食をするスペースとしても活用できる。

同店は“炭焼きビストロ“を標榜し、オープンキッチンの真ん中に配した炭焼き台で調理する炭焼きメニューが一番のウリだ。炭焼きを選んだ理由について浅岡氏はこう話す。「お客様を楽しませるにはまずはスタッフが調理していて楽しいものを、と考え、当初はピザ窯で焼くピザを考えていました。しかし物件の広さを考えるとピザ窯の設置は難しい。そこで浮上したのが炭焼き。炭焼き台から流れる調理中の音や香りがライブ感を演出します」。炭焼き料理は「Tボーンステーキ(US)300g」(3456円)、「牛タンステーキ(US)200g」(1944円)をはじめとする肉、「真鯛グリル&青のりリゾット」(972円)、「活オマールエビグリル」(4104円)などの魚介、「グリル野菜サラダ」(972円)など野菜ものも加え、バリエーション豊かにそろえる。この他、「豚角煮カルボナーラ」(1512円)、「坦々パスタ」(1188円)などパスタや「気まぐれ前菜盛り合わせ」(972円)、「ビストロもつ煮」(410円)、「魚カルパッチョ」(1404円)など、イタリアンベースのメニューをラインアップ。同店はお通し、チャージ料はなし。そこで「お通し代わりに注文してほしい」と用意したのが「黒毛和牛サーロインのローストビーフ」、通称「飲めるローストビーフ」だ。50g540円から気軽に注文可能で、上質な国産和牛を使用し、最初にお客の心をキャッチする一品だ。

ドリンクは幅広いジャンルを網羅。店の一押しは3種類をそろえるロゼワインだが、そのほかスパークリング4種、白・赤各6種(グラス540円、ボトル2484円~)を用意。とはいえワインばかりに偏りたくないと、「レモンサワー」(702円)、「デュワーズ強炭酸ハイボール」(410円)などのサワー類、瓶でクラフトビールを4種(864円~)、サングリア風スパークリングワインの「泡グリア」(734円)、「塩トマトベリー」(734円)などのオリジナルドリンク、カクテルなどもそろえる。「男性はなんでも飲むけど、女性は人によって好みの差が激しい。多くの女性客に満足してもらえるよう、女性が好みそうなものを多く取り入れました」と浅岡氏。どんな嗜好の女性にも対応できるカバー力の高さが同店のドリンクの商品構成の特徴だ。

同店のメニュー構成は2名のカップル客が満足できる内容・ポーションを強く意識している。「ブイテーブルの経験から、会社の飲み会の団体客はリピート率が低い。ですがカップルなら気に入ってもらえれば来店頻度は高くなる。何度も使ってもらえる普段使いの店にしたかった」と浅岡氏。「男性が女性を連れてきて喜んでもらえる店」がメニュー構成のテーマで、パスタなどの女性好みのメニューを多く取り入れることと、どんな好みを持つ女性にも対応できるドリンクの幅広さが肝となっている。

神田錦町の「ブイテーブル」からこの渋谷の地に土俵を移し、「リルゴ」ではかつて“渋谷の若者“だった30代、40代の世代をターゲットとして、「ブイテーブル」では成し得なかった地域密着型営業を目指す。浅岡氏自身、グローバルダイニング時代にはよく飲み歩き、愛着のあるエリアであるという渋谷。同じく渋谷での店舗展開も視野に入れており、百軒店エリアで会員制の高級焼き肉店の出店も構想中。今後は「リルゴ」をフックに地域に溶け込み、渋谷を盛り上げる存在になるべく邁進中だ。

店舗データ

店名 lilgo(リルゴ)
住所 東京渋谷区道玄坂2-14-20 ハナブサBLD1F

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アクセス JR 渋谷駅から徒歩8分
京王井の頭線 神泉駅から徒歩7分
電話 03-6809-0878
営業時間 17:00(土日祝16:00)~0:00(日祝23:00)
定休日 不定休
坪数客数 15坪・35席
客単価 4500円
オープン日 2017年6月28日
関連リンク lilgo(FB)
関連ページ 「KITCHEN V(キッチンブイ)」(記事)
関連ページ 「V table(ブイテーブル)」
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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