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100年先の和食を見据え、今あるべき姿を問う。和食業態を1棟に集積した茅場町の「不二楼」7月7日オープン

茅場町の街に突如として現れる、圧倒的な世界観を放つ館。武田双雲氏による「不二楼」の力強い文字が和の佇まいを一層色濃いものにする
店内1階の様子。職人の手さばきが間近で見られるカウンター席。ゆったりと奥行きのあるカウンターテーブルは、じっくりと美味しさに対峙するにふわわしい
同店が複数の業態を持つなかでも特に自信を見せる焼き鳥。熟練の焼き師が丁寧に1本1本焼き上げる
オーナーの髙取氏も自ら握る、熟成鮨。旨味が増した味わい深い鮨は一貫、一貫、時間をかけてゆっくりと味わってもらうのだという
オーナーの髙取氏。握る様を間近で見るのも食べる愉しみのひとつである。鮨好きならば、子どものように心踊り、高揚する瞬間だろう

(取材=小野 茜)


茅場町駅から徒歩わずか。下町の面影を色濃く残すこのエリアに、100年先を見据えた新しい和食を提案しようと、和業態を集積した「不二楼(ふじろう)」が7月7日にオープンした。運営は和僑ホールディングス(東京都中央区、代表取締役会長:髙取宗茂氏)。同グループは、国内は全国に27店舗、海外はベトナムとスリランカに2店舗の飲食店を展開しており、飲食業界の風雲児と呼ばれる会長の髙取氏は、全国に調理師学校が広がる草創期から、実家が料理学校を営み、九州料理学校協会会長や全国料理学校協会の重鎮を歴任していた祖母を持つサラブレッド。自身も料理道を極めるために生まれたといっても過言ではないかもしれない。 

行き交う人の目を奪う圧倒的な存在感を放つ「不二楼」の外観は、白木で覆われている。棟梁の松永誠氏が率いる熟練宮大工チームとデザイナーの渡邉大祐氏が構想3年、工事期間半年をかけて造り上げたという。内外装ともにヒノキを基調とし、木の温もりを感じさせるデザインは、日本人のみならず各国から訪れる外国人をも魅了するであろう。というのも、この界隈は金融街であるために、外資系の金融マンたちが多く訪れる場所でもある。東京駅、羽田空港からも比較的近く、インバウンドを取り込むにも向いたエリアなのだ。

ビルは4フロアから成り、1棟で1店舗となっている。1階は炭火焼き鳥、2階は天ぷら・鉄板焼き、3階は熟成鮨・懐石、4階はオーセンティックバーと、和食の核といえる業態が詰まっている。中でも特筆すべきものは、鹿児島県出水市にある提携養鶏場の日齢120日以上の専用飼育鶏を使った焼き鳥。専属の焼き師が熟練の技で焼き上げ、独自ブレンドした天然塩や、創業より25年以上継ぎ足している特製ダレで提供する。そしてもうひとつ、高取氏が自らも握る鮨だ。
同店では「江戸前✕博多前✕熟成」という独自の鮨スタイルを築き、日本屈指の名店「鮓ふじなが」の藤永大介氏と手を組み、熟成鮨を中心とした伝統と革新の融合スタイルを披露する。圧倒的な旨味とねっとり感は「一度食べたら忘れられない逸品」と高取氏は自信を見せる。

これらとともに特に味わいたい酒は、ワインと焼酎ではないだろうか。ヘッドバーテンダー本藤宏明氏がその日に厳選する「5大シャトー」のワインをなんとグラスで楽しめるというのだから、ワイン好きにはたまらない。一方焼酎は、「不二才」や「晴耕雨読」を世に出した、薩摩の佐多宗二商店のものを中心に取り揃える。蒸留後、樽に移してじっくりと寝かせた焼酎は、芳醇な香りと長い余韻が印象的。天才・佐多宗公氏と髙取氏の哲学が融合したラインナップはここでしか味わうことができない。加えて、佐多オリジナルのクラフトジンも国内に先駆けて登場するというから見逃せない。

人生に驚きと感動を与えようと、「食べることへの唯一不二の哲学」を追求する「不二楼」の挑戦。熟成や発酵といった日本食文化ならではの技術を深化させるため、酒肴一品にも情熱を注ぐ高取氏。
「世界に誇る地元の名店」だと、地域の方から厚い信頼が寄せられ、誇り持ってもらえるよう、100年続く店を目指すという。同氏の挑戦が、日本、そして世界が認める和食価値の底上げとなるか、和食の明るい未来に期待を寄せるところである。

店舗データ

店名 不二楼
住所 東京都中央区日本橋茅場町2-9-12

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アクセス 日比谷線 茅場町駅から徒歩2分
電話 03-6661-2657
営業時間 ディナー【月~金】17:00〜23:00、【土日】17:00〜22:00
定休日 祝日
坪数客数 99席(1・2階)※それ以外は非公開
客単価 5500円(1・2階)
運営会社 和僑ホールディングス
オープン日 2017年7月7日
関連リンク 不二楼(HP)
関連リンク 不二楼(FB)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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