2016年10月15日、銀座一丁目にオープンした一軒のトラットリアが話題を呼んでいる。それが「La Baia(ラ・バイア)」(オーナー 阿部光峰氏)だ。昭和通り沿いに佇む同店は、都営浅草線・宝町駅から徒歩4分、東京メトロ銀座線・京橋駅から徒歩5分、そして東京メトロ有楽町線・銀座一丁目駅から徒歩6分と、抜群のアクセスの良さを誇る。ただビジネス街の中心に位置するため、目的来店で訪れる客が少なくない。その一番の目当てが、同店が提供する“サルデーニャ料理”である。
実を言うと、同店はもともと「EL CERDO(エル・セルド)」というスペインバルだった。2005年のオープン以来、「EL CERDO」は高い人気を集め続け、某グルメサイトでも圧倒的な点数を獲得していく。しかし、スパニッシュの飲食店を3店舗展開するなかで人材の確保が困難になり、今回、新しいジャンルに挑戦することになった。オーナーの阿部氏は「当初は、イタリアンの肉料理を中心とした業態を考えていました」と言うと、オープンの経緯について次のように話す。「ただ実際にイタリアに行って、様々な料理に触れるうちに、魚介類をふんだんに使ったサルデーニャ料理に惹かれていきました。そこで現地在住の料理研究家・フジタトモコ氏を介して、地元のマンマが作る料理を紹介してもらうことにしたのです。その家庭的な味を味わったとき、日本でも紹介したいと考えて、今回の出店を決めました」。
そもそもサルデーニャとは地中海に浮かぶ島の一つで、リゾート地としても知られ、ヨーロッパを中心に多くのエグゼクティブが集う。突き抜けるような青い海に囲まれており、独自の文化を築き上げるなど、島の歴史は古い。こうした特徴を持つサルデーニャの料理は、イタリア本土はもちろん、北アフリカや西アジアなど、幅広い国々の料理から影響を受けていて、島ならではの特徴を持つ。2010年に「地中海の食文化」がユネスコの無形文化遺産に登録されており、サルデーニャ料理もその一角をなす。同店では、サルデーニャの特徴である魚介類を豊富に使った料理をベースにしながら、現地のマンマ直伝の家庭的な味を再現していく。
メニューは「お任せコース」(一人:5,000円~)をはじめ、「ラ・バイアのお任せ前菜(4品)」(1人前1500円/2人前より)や「カラスミのスパゲッティ(+あさりorいかor牡蠣or海老/各種一種)」(2200円~)、「活オマール海老のカタナーラ(2人前)」(5000円)など、アラカルトの料理も豊富に揃う。特に魚介を使ったメニューには力を入れており、ショーケースの中からお気に入りの食材を選んで、シェフに料理してもらうこともできる。また、ドリンクの中心として、サルデーニャのワインが並ぶ。サルデーニャのワインは、地中海の気候を生かした豊かな味わいに特徴があり、ソムリエなどからの評価も高い。同店では、赤・白・泡とラインアップしており、50種類以上のワインが楽しめる。ビールもサルデーニャ産の「イクスーザ―・ラガー(瓶330ml)」(750円)とシチリア産の「メッシーナ(瓶330ml)」(750円)を揃えるこだわりようだ。
今後の展開について、阿部氏は「サルデーニャはヨーロッパでは高い知名度がありますが、日本ではまだまだ知られていません。ただ魚介を中心とした食文化など、日本との相性はとても高いエリアでもあります。料理のバリエーションも多彩で奥深いので、日本人に受け入れやすいのではないでしょうか。今後、ますますサルデーニャの注目度が高まっていくことも予想されています。当店が、その情報発信地のような役割を担っていきたいですね」と話す。実は、氏はもともと大手広告代理店でコピーライターをしていた。そのセンスは料理の世界に身を置くことで、ますます磨きがかかっている。阿部氏が仕掛ける次の一手から目が離せない。
店舗データ
店名 | La Baia(ラ・バイア) |
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住所 | 東京都中央区銀座1-19-14 広徳ビル1F |
アクセス | 都営浅草線宝町駅から徒歩4分 東京メトロ銀座線・京橋駅から徒歩5分 東京メトロ有楽町線・銀座一丁目駅から徒歩6分 |
電話 | 03-3567-3010 |
営業時間 | ランチ(火~土):11:30~13:30(L.O) ディナー:18:00〜22:30(L.O) |
定休日 | 日祝 |
坪数客数 | 18坪・29席 |
客単価 | 8000円 |
オープン日 | 2016年10月15日 |
関連リンク | La Baia(FB) |
関連リンク | ASADOR EL BUEY(記事) |