沖縄クラフトビールと沖縄の郷土料理を提供する琉球バル「ガチマヤ」が神保町に12月1日オープンした。経営は、沖縄料理居酒屋「うーみや」を2店舗(八重洲本店、日本橋別邸)、沖縄のビールや食材を飲食店に卸す「南都酒造所 東京事務所」を手掛けるアムズシーヴィエス(東京都中央区八重洲、代表取締役 大庭正広氏)。場所は、神保町駅から徒歩1分、平日、休日問わず多くの人が行き交う、靖国通りに面するビルの地下1階。これまで古書店や出版社が集まるエリアとして知られていた神保町界隈だが、近年はオフィスビルが建設され、飲食店が続々とオープンするなど、再開発がすすむ注目エリアだ。代表の大庭氏は、クラフトビールブームが再燃する中、沖縄のクラフトビールに特化した理由を「少しでも活性化につながるよう、沖縄の広告塔になる店にしたい」と語る。
「人生最後の商売は好きなことをやるべきですよ」。東京出身の大庭氏が沖縄料理の飲食店をはじめたきっかけは、ある人との酒の席での何気ない言葉だった。学生時代から釣りやサーフィンを楽しみに、毎年沖縄を訪れるうち、いつしか地元の人や文化に惚れ込んでいた。大学卒業後は、スーパーマーケットの会社に就職。そこで仕入れから経営までを学び、26歳で八百屋として独立。その後も、ミニスーパーや酒販店、介護事業、大手飲食企業のフランチャイズ店経営など事業を広げていったが、この言葉に強く背中を押され、沖縄料理居酒屋「うーみや」1号店を八重洲に2006年3月オープンさせた。同店が軌道に乗り始めたのを機に、事業を「沖縄」に絞った。今回の「ガチマヤ」出店を決めたのは「沖縄のビールをいつでも飲めるところが都内にないから」だ。
同店のコンセプトは「個性的なビールとオリジナルの沖縄料理を、ワイワイガヤガヤと気軽に楽しめる店」。店名の「ガチマヤ」は、沖縄の方言で「食いしん坊」を意味する。フードメニューのプロデュースは、数々のヒット店を世に送り出してきた青島邦彰氏(クーニーズ・アソシエ、東京都目黒区)。ビールとのペアリングを考慮し、沖縄独特の郷土料理をバルスタイルに落とし込んでいる。毎日店で仕込み、手作り・無添加にこだわった「でいごアグー豚の自家製粗挽きソーセージ」(980円)は、しっかりした肉の旨味とやさしい甘味、ふわっとした食感が他では味わえない逸品だ。沖縄食材をつかった「島ダコのアヒージョ」や「沖縄県産車海老のアヒージョ」(各790円)は、ビールとの相性が抜群。ほかにも「沖縄直送 じっくり煮込んだラフテー」(690円)、「紅芋コロッケ」(690円)など、魅力的なタパスメニューも数多く揃う。
ドリンクは、10タップの沖縄クラフトビールが目玉だ。名水百選にも選出される同県南部の水でつくるビールは、クリアでスキッとした軽いのどごしが特徴。セレクトは南都醸造所の「二へデビールソフト/ハード」などの代表的な銘柄に加え、「石垣島ヴァイツェン」や沖縄初のIPAビール「OKINAWA IPA」(各レギュラー490円、ラージ790円)など、レアな銘柄も取り揃える。
沖縄ビールは、国内外の審査会で受賞するなど、完成度の高いビールが多く存在するが、認知度がまだまだ低いのが現状。「これまで『沖縄』で仕事をさせてもらってきた。少しでも恩返しできるようにアンテナショップ的な店にしたい」と同氏。スタッフは全員沖縄出身、食器やライトに琉球ガラスを取り入れ、食材も沖縄から取り寄せたものを使うという徹底ぶり。「食」を通じて、愛する遠くの土地や人を応援したいという強い思いと、「沖縄」が凝縮された店だ。同氏は「沖縄を知らない人にも、その魅力を感じてもらえる場所になればうれしい」と話す。
店舗データ
店名 | ガチマヤ |
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住所 | 東京都千代田区神田神保町1-6 サンビルディングB1F |
アクセス | 東京メトロ半蔵門線・都営地下鉄新宿線・三田線 神保町駅から徒歩1分 |
電話 | 03-6273-7807 |
営業時間 | ランチ 15:00〜24:00 ディナー 17:00〜24:00 |
定休日 | 不定休 |
坪数客数 | 23坪 41席 |
客単価 | ランチ 850円、ディナー 3500円 |
運営会社 | 株式会社アムズシーヴィエス |