小田急線新宿駅から急行で50分弱の本厚木駅。その北口に広がる「厚木一番街商店街」を3分ほど歩いた先に、熟成肉専門のイタリアンレストラン「DA BUTCHERS(ダ・ブッチャーズ)」が7月15日オープンした。運営するGAC(神奈川県秦野市、代表取締役 大井義友氏)にとって、同店は1号目の店舗となる。大井氏は独立前、「ワインバル ゴルゴン9」や「食 BURNING」などのブランドで飲食店を展開するconoworldに10年間在籍し、店舗開発から厚木市・秦野市・大和市などの10店舗の統括を行うマネージャーまで担当していた。厚木というエリアを選んだ理由について大井氏は、「私の出身地は厚木市の隣の秦野市であるため、学生時代から本厚木駅周辺で遊んでいました。しかし最近、ファッションビルなどの閉店が続き、活気がなくなっています。そこで厚木の街を元気にしていきたいと考えて、このエリアでの出店を決意しました。当店が中心になって、厚木の食文化の向上に貢献できればとも考えています」と話す。
大井氏と熟成肉との出会いは、前職在籍時にさかのぼる。仕事の勉強も兼ねた飲食店巡りで初めて口にした瞬間、「肉がこんなにもおいしくなるのか」と感銘を受けて、すぐに熟成肉ブランドの店舗開発を実施。その後、畜産関係の学者と週に1回ミーティングを行い、どうすればベストな熟成ができるかを研究していたそうだ。どんどんと熟成肉に魅せられていった大井氏は、「やるなら徹底的にやりたい」と考えて独立を決意し、「DA BUTCHERS(ダ・ブッチャーズ)」をオープンさせた。「当店では、店内で肉の熟成を行っています。熟成と腐敗は紙一重です。熟成で肉の良さを最大限に引き出すには、徹底的にこだわっていく必要があります。当店で100%以上のクオリティを実現した熟成肉を提供していきたいですね」と大井氏は語る。
同店のメニューは、店内で40日間熟成させた「熟成ロース肉グリル」(150g:1880円/300g:3700円)や「熟成豚ロースグリル」(150g:1380円/300g:2700円)などのエイジングビーフはもちろん、サラダ・アヒージョ・パスタなどもラインアップ。中でも「パルマ産生ハムとモルタデッラ(ボローニャソーセージ)の盛り合わせ」(レギュラー1280円/ハーフ680円)や、「レバーペーストと鳥レバーのしっとり低温調理」(550円)、「自家製ソーセージの食べ比べ(伊VS仏)」(780円)などのシャルキュトリーが人気で、熟成肉でも肉の楽しみ方を提案している。
ドリンクは熟成肉と相性の良い赤・白・スパークリングのボトルワインをはじめ、「プレミアムモルツ」(520円)や「カールスバーグ」(680円)などのビールやモヒート、ハイボール、カクテルが並ぶ。このほかにも店内で手作りするシロップを使った「自家製ジンジャーサワー」(500円)、「自家製レモネードサワー」(500円)、「自家製ライムエードサワー」(500円)も用意されている。
今後のビジョンについて大井氏は、「厚木市を中心にしながら6店舗まで展開をしていきたいと考えています。店のクオリティを落とさず、しっかりとマネジメントができる範囲で展開をしていきたいです。同時に熟成肉を自社ブランド化して、広げていくことも計画しています」と話す。また、厚木エリアを大切にする大井氏だからこそ抱くビジョンもある。「いずれジビエにも挑戦したいと考えています。厚木市と秦野市は、神奈店川県下でも農家の方の害獣被害が多いエリアです。しかしイノシシなどを補殺した後、そのまま駆除しまうケースも多くあります。そこで猟友会・農家・当店でリレーション関係を築いて、すべての方にメリットがある状態を実現していきたいですね」と同氏。実は、店舗がマンションの一階に入っているため、出店前に住民説明会を合計6回行い、8割以上の住民の賛成を得てオープンが実現したそうだ。そして現在、マンションの住民の方がお客様として多く来店されているという。大井氏のビジョンが厚木で実現される頃、同エリアから新たなフードビジネスの流れが起こっているかもしれない。
店舗データ
店名 | DA BUTCHERS(ダ・ブッチャーズ) |
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住所 | 神奈川県厚木市中町2-9-17-1F |
アクセス | 小田急小田原線本厚木駅北口から徒歩3分 |
電話 | 046-259-8622 |
営業時間 | ランチ・カフェ 11:30~17:00 ディナー 17:00~23:00 |
定休日 | 無 |
坪数客数 | 37坪 73席 |
客単価 | 5000円 |
運営会社 | 株式会社GAC |
関連リンク | DA BUTCHERS(FB) |