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江戸の粋とフランスのエスプリを融合させて食材の宝庫・山形を味わう「和音人 月山(ワインビト ガッサン)」が三軒茶屋に6月6日オープン

老舗感を漂わせる暖簾が印象的。懐かしさを感じる昔ながらの佇まいと、モダンな空間が融合する居心地の良い古民家
1階カウンター席。焼鳥に瞬間スモークをかける葡萄の枝木が店内のところどころのインテリアにも使われている
奥:伝統工芸の月山和紙と山形県産材の西山杉をつかった手作りのメニューブック。手前:前菜には、短期間しか味わえない「大井沢直送 山菜のお浸しの盛り合わせ」(雪うるいの麹味噌添え、行者にんにくと赤こごみのナムル、玉こんにゃく、月山たけのこのたまり醤油漬け)。右:山形名物「芋煮」
テーブル席には、高い耐熱性と蓄熱性を持つフィンランド産の「ソープスト—ン」の上に焼鳥が並べられる。手前から「さび焼き(山葵)、極レバ(タレ×FBBQ)、皮(塩)、砂ずり(ゆず塩)、やげん(すたち塩)、こころ(タレ×FBBQ)」。それぞれおまかせで味付けされる
左から、店長の齋藤太一氏、代表の狩野高光氏、料理長の拝谷豪氏。手ぬぐいをネクタイにしたおしゃれなユニフォームにも和と洋のエッセンスがミックスされている

(取材=下前 ユミ)


三軒茶屋の玉川通りと世田谷通りに挟まれた通称「デルタ地帯」に、江戸の“粋”とフランスの“エスプリ”をテーマに、山形食材を使ったフレンチBBQスタイルの焼鳥を看板とした「和音人 月山(ワインビト ガッサン)」が6月6日オープンする。経営は、和音人(東京都世田谷区、代表取締役 狩野高光氏)。山形県の中央部にある標高1984mの出羽三山のひとつである「月山」を店名に冠した同店。店長の齋藤太一氏の生まれ故郷、山形県西村山郡西川町大井沢という小さな村が月山の麓にあるという。高齢過疎化が進み、産業の担い手不足などにより地域の生産機能が低下しつつある状況を打破したい。恵まれた自然環境で育った農作物や地域資源を生かした伝統文化を守り残し、未来に伝えたい。そのために、自分たちができる「村おこし」のかたちを具現化したのが「和音人 月山」だ。

代表の狩野氏は、下町生まれ下町育ちの江戸っ子。実家が飲食業を営んでいたこともあり、小さな頃から飲食業を肌に感じて育った。焼鳥屋をはじめ、パン屋、グローバルダイニングの代官山タブローズラウンジとラボエムを経て、L&Sにアルバイトから入り、恵比寿バール本店の店長に就任。出店の立ち上げなどを行い、統括として経験を積み重ねてきた。いわゆる田舎を知らないで育った同氏にとって、大自然に溶け込んだ齋藤氏の生まれ故郷を訪ねたことは、衝撃の連続だったと話す。日本有数の豪雪地帯のため、冬になると5mもの積雪に覆われること。春の訪れを告げる山菜が豊富なこと。自然豊かな環境と清らかな水が育む旬の食材。そして、なによりもそこで暮らす人々の温かさに心を打たれたという。

山形の食材を魅力的にプレゼンテーションするために開発された看板メニューの「フレンチBBQスタイルの焼鳥」は、山形ハーブ鶏を使い、葡萄の枝木で素材に瞬間スモークをかけ、香り高く仕上げたことで、ワインはもちろんのこと、日本酒にも合わせて楽しめるオリジナル商品。7本1600円、10本2000円、12本2300円の「本日の薫鳥コース」で用意される。葡萄の枝木は、ワイン用の葡萄を育てる過程で間引かれるもので、資源の有効利用にもなっている。そのほかに、生後1000日という長い期間を一頭一頭大切に育てあげた幻の「千日和牛」(ASK円)や、柔らかくてさっぱりした脂身で臭みのない「山形和豚もちぶた」(バラ・ロース各300円)の串もぜひ味わって欲しい。「芋煮」(680円)、「山形だしの白湯茶漬け」(550円)、「板そば」(680円)などの山形の郷土料理は、ふるさとの逸品として紹介。ワインは、国産ワインと海外の畑で日本人の手によってつくられるワインを30アイテム。日本酒は、山形の全50酒蔵を豊富に揃える。チーズは、ワインにも日本酒にも合うようにと「いぶり香味チーズ」(650円)、「すだち香るカプレーゼ」(650円)と工夫されているところにも注目だ。

代表の狩野氏と店長の齋藤氏、料理長の拝谷豪氏の3人は、それぞれが恵比寿で働き、店長を勤めていた共通点を持つ。ひとりひとりが独立するにも十分な実力を持っていたが、「ひとりでやれることではなくて、3人でなければできないことを一緒にやろう」という狩野氏のビジョンに賛同し、起業に至ったが、物件取得まで1年半かかったという。「なかなか物件が取得できないなか、じっと耐えてついて来てくれた二人には感謝しています。ここまで来るのに、十分な時間がありましたが、今となってみると必要な時間だったのかもしれません。看板に『老舗になる準備整いました。』と書いたように、お客様に喜んでもらえ続けるようにしっかり地に足をつけて土台を作って行きます。将来的には、外食産業と農家さんが近くなるきっかけとなるように、より生産者に近いところで飲食事業を軸に広げて行きたいです。スタッフの夢を最優先に、仲間とともに、真剣に楽しく夢を追いかけていける会社でありたいです」と狩野氏。

また、夏は暑く冬は厳しい寒暖差のある山形県西川町にて、日本初の「ピノタージュ」というワイン用葡萄の試験栽培を開始した同社。成功すれば、自分たちの育てた葡萄のワインが飲めるようになる。さらには、農業事業の展開も予定しているという。外食産業を通じて、村おこしをする。ハードとしての「モノ」だけでなく、 ソフトとしての「コト」、それを担う「ヒト」を、未来へ紡いで繋いでいくことを企業ミッションとし、エッジを利かせたことを仕掛けていく狩野氏に期待を寄せる。

店舗データ

店名 和音人 月山(ワインビト ガッサン)
住所 東京都世田谷区三軒茶屋2-10-16

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アクセス 東急田園都市線 三軒茶屋駅より徒歩2分
東急世田谷線 三軒茶屋駅より徒歩5分
電話 03-6450-9971
営業時間 月~金 ランチ  11:30~15:00
月~日 ディナー 17:00~翌2:00
定休日 不定休
坪数客数 30坪・50席
客単価 4500円
運営会社 株式会社 和音人
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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