仙台で飲食のトレンドをリードし、カフェ、バル、バー、居酒屋など様々な業態を8店舗展開。2007年には東京へ進出し、恵比寿にイタリアン「ALMA(アルマ)」を出店。翌年、銀座にフレンチバル「VAPEUR(ヴァプール)」をオープン。いずれも大ヒット。その後、商業施設や駅中に出店するコンセプション(代表取締役社長:萱場俊克氏)。昨年12月1日、西武鉄道池袋駅「エミオ」構内に、東京出店9店舗目となる「カフェ&バーTAMEALS(タミルズ)」を出店した。「TAMEALS(タミルズ)」は、2010年、品川エキュートに出店、横浜ポルテ、大手町タワーで展開するカフェ&バー業態だ。代表の萱場氏はコンセプションに入社後、数々の店舗の開発と立ち上げ店舗の店長を勤め、09年、代表取締役社長に就任した。「TAMEALS(タミルズ)」は同社初のターミナル立地。開発にあたり萱場氏は駅中出店とはいえ効率だけを追求するのではなく、メニューや居心地を追求し、街中のカフェの要素を十分に取り入れた。
開発担当であり、池袋店の責任者姫野氏は「品川出店当初は客数があまりにも多く、オペレーションの調整にだいぶ苦労したが、今では駅中にありながらリピーターが多く、朝にコーヒーを飲み、夜にまたワインを一杯飲みに来る、イタリアのバルのような使い方をする利用者も多い」と話す。池袋店の営業時間は6:30~24:00。モーニングはこだわりのコーヒーにホットドッグ。ランチはパスタや野菜をたっぷり使用したプレートメニュー。カフェタイムはドーナッツやドッグパンの上にクリームやフルーツをトッピングした「スウィーツドッグ」など。夜はタパス350円~600円を中心としたバルメニューを展開する。コンパクトなキッチンでありながら工夫を凝らし、駅利用者の多様なニーズに応える。
コーヒー豆は仙台から直送する薪火焙煎を使用した「MAKIBI珈琲」(Mサイズ 340円)。イタリア製のコーヒーマシーン他、ハンドドリップ(380円)でも提供する。ホットドッグ(360円)は、山形「スモークハウスファイン」にオリジナルのソーセージを依頼。ドッグのパンもソーセージに合わせてオリジナルを開発した。ランチはサラダ、野菜中心のデリやソーセージのワンプレート「NYリッチプレート」(680円)、「グリルトマトのナポリタン」(850円)など5種のスパゲッティ。カフェタイムは「MAKIBI珈琲」のプレミアムソフトクリームをドッグパンにたっぷりトッピングした「スウィーツドッグ MAKIBI珈琲」(ハーフ 420円、フル 680円)。ディナータイムは350円からの気軽なタパス「自家製ポテトサラダ」(350円)、自家製のミートボール「BBQガーリック」(600円)、NYのクラフトビール「ブルックリンラガー樽生」(850円)の他、自家製の粗塩と三温糖でつけたレモンを使用した、女性客に一番人気のアルコール「たっぷり生レモンサワー」(480円)など、自家製のジンジャーや塩レモンがカウンター上に瓶で並んでいる様子は駅中の店とは思えない。オープンして2カ月だが、特に夜はワーカーの男性や女性のひとり飲み客も多くみられ、帰宅前のサードプレイスとして認知されてきており、ディナータイムは想定より高い売上推移という。
萱場氏の手がける店舗は地域密着型で、リピーターづくりに定評がある。仙台発でありながら、東京マーケットの先端を行くコンセプション「街に愛される飲食をコンセプトとし、人が集まる場所づくり」を理念とする同社は今までの駅中店舗のあり方を見直すきっかけになるだろう。