JR高田馬場駅前、早稲田通りの路地裏に「餃子cafe&bar-蒼-」が、9月4日オープンした。店主は、中華料理で19年腕を磨いてきた小山健二氏。同店のトータルプロデュースは、20年間中華料理でさまざまな実績を重ね、今年6月、“食のセオリーにとらわれず誰にでも気軽に楽しめる食文化を創る”をコンセプトに、トータルフードプロデューサーとして起業した星野純氏が初の全面プロデュースを行なう。実は、前職の中華料理でともに切磋琢磨した元同僚という二人。小山氏が独立するにあたり、上司だった星野氏に相談したことがきっかけとなったという。同店は、「美容と健康を意識した“美味しい”と“楽しい”の融合」をコンセプトとして、“オーガニックスタイルの餃子”を独自に開発した“フレーバーオイル”でカスタマイズして楽しませる、新スタイルの餃子専門店だ。1階に厨房と食券機があり、2階にイートインスペースが設けられている。基本はテイクアウトが中心となっている。
餃子は、皮から餡、つけタレ、醤油、酢まで、全てにおいて身体に良いとされる国産の食材を使用する徹底ぶり。浅草の製麺会社「開化楼」と試行錯誤を重ねて共同開発したという皮は、無添加の米粉を使ったオリジナル皮で弾力のあるモチモチ食感に。餡は、脂に臭みがなく柔らかい群馬の高級豚「上州せせらぎポーク」を使用し、キャベツ、タマネギ、里芋、ショウガ、高菜などの国産野菜とコラーゲンたっぷりの濃縮鶏白湯、昆布かつおダシを合わせた塩ベースのシンプルな味付け。ニンニクやニラなどの香りの強い食材を使わないことで、餃子特有の口臭を気にすることなく、一日中いつでも気軽に食べられるようにしている。
提供方法は、蒸し器で蒸し上げてから、熱した鉄板で焼き上げる。鉄板で焼く前に蒸気で蒸すことで、通常の2倍のモチモチ度になり、艶々の皮にジューシーな肉汁が閉じ込められる。さらに、鉄板で焼き上げ、仕上げに白ワインで香りつけをするという。テイクアウトすることを考え、冷めても美味しいことを絶対条件に、工夫を凝らして開発されている。食べ方は、特製のタレ(味噌、マスタード、和ダシ)や、さまざまな銘柄の醤油と酢に、週替わりでラインアップされる星野氏監修の米油をベースとした手作りの“フレーバーオイル”(抹茶、コーヒー、シナモン、山椒、オリジナルスパイス、玄米、ジャスミン、にんにく)を組み合わせて、客が無限にカスタマイズして楽しむ。安心と安全にこだわった餃子で、客を食べ飽きさせないスタイルが同店の特徴だ。
少し厚めの皮にたっぷりの肉汁が詰まった「蒼餃子」(500円)は、「まずは、しっかりと味付けをしているのでそのままで食べて、ジューシーな具材を味わって欲しいです。そのあとに、定番の醤油と酢を組み合わせて。さらに、味にパンチを効かせたいなら、タレやフレーバーオイルで、自分好みの味を楽しんでください」と店主の小山氏。「特製タレや醤油、酢」は日替わりでランダムに提供され、「フレーバーオイル」は現在13種類ある中から常時6種類、日替わりで3~4種を2階席で楽しむことができる。テイクアウトでは、日替わりのつけタレと醤油、酢、フレーバーオイルが各1種つく。また、2階席では時間を忘れてゆったりと過ごせるように、「世界中の地ビール」や「お酢を使ったドリンク」なども揃えている。さらに、セルフサービスだからこそ、客としっかりコミュニケーションを図れるように“コミュニティノート”を用意する。「“コミュニティノート”を通じて、お客様の要望をできる範囲で可能な限りすぐに取り入れ、ブラッシュアップするようにしています。そうすることで、美味しさや楽しさの商品力だけでなく、お客様が一緒にお店をつくって行く楽しさが生まれ、リピートにつながると考えています」と星野氏。誰にでも馴染みのある餃子を、“客がカスタマイズすることで無限に楽しませる”という着眼点で発想された同店。永く愛される店づくり、商品づくりとなるように、これからも二人の試行錯誤は続く。