東京メトロ丸ノ内線新中野駅、鍋屋横丁交差点からほど近くの青梅街道沿いに、惣菜×角打「新中野 トンズラ」が4月2日オープンした。同店は、中野新橋の1号店 もつ焼き屋「炭火焼きホルモン とんずら」、中目黒の2号店 路地裏酒場「ROJIURASAKABA 青 CORNER」、代々木の3号店 白ワインとカレーの店「TORI SAINT GERMAIN」に続く、地元密着型オーナー吉利雄太氏(通称date氏)の4店舗目。満席状態が続く1号店の受け皿にもなるようにと、両店の距離は徒歩10分圏内。コンセプトは、何かのついでに立ち寄り飲めるコミュニティスペース。惣菜と角打を軸として、気楽に気取らず飲めるスポットとして地域に根ざした店づくりを目指す。
元傘屋の居抜き物件から自分たちで施工した3坪の店内。赤と白を基調とし、ビニール製のカーテンが印象的なファサードの1階は、カウンター中心にスタッフと気軽に話しながら飲める適度な距離感。2階の座敷は、気取らず寛いで仲間とわいわい楽しめる空間に仕上がっている。date氏は「昼から夜まで通し営業するなかで、主婦層に買い物のついでだったり、出かけたついでだったりと何かのついでに気軽に立ち寄って惣菜で一杯飲むということが日常のひとコマになるようにじっくり浸透させて行きたい」と話す。
メニューは、誰もが食べたことのあるスタンダードなもの、美味しくて懐かしい和洋折衷の惣菜が380円。「エビとブロッコリーのタルタル」、「肉屋のポテサラ」、「トマトとバジルのカプレーゼ」、「パクチーメンマ」、「セロリドリ」、「レバーの甘露煮」、「豚の生姜焼き」、「トリハム」など、バルでいうタパスのような感覚で小皿に盛り提供する。そのほか、既存店で提供している名物メニュー「牛肉のカルパッチョ」(580円)と「チキンカレー煮込み」(580円)もあり、同店のファンには嬉しい限り。ランチタイムには、カレーと好きな惣菜を2品選べる「カレープレート」(780円)を提供する。これら全てのフードがテイクアウトも可能という、新しいスタイルだ。
ドリンクは、「カールスバーグ(生)」(500円)をはじめ「トロ角ハイボール」(480円)などの割モノ系、焼酎は「金宮」(500円)などと古典的なものを揃える。一方で、日本酒は「本日のSAKE」(一合強 ALL500円、大980円)として5種ほど。季節感を感じるものやちょっと変わったあまり出回らないものをラインナップさせる。「今日のグラスワイン」(500円)や「サングリア 赤・白」(500円)のほか、赤・白ボトルが3000円から。食べたい惣菜と好きな酒でひとりサク飲みでも、あれこれ注文して仲間とわいわいガッツリ飲みでも使い勝手がよい。
ここまで順調な店舗展開のようにみえるが、その背景には経験からの学びがある。「1号店で経験した震災やレバ刺し、ユッケなどの生食用食肉の規制という外的要因による単一業態の恐さを味わったからこそ、スタッフの生活を守るためにも店舗展開が必要だった」と振り返るdate氏。また、全てにおいてスタッフとともに、手作りで店づくりを行なうことも「荒削りから店をつくって行くことは、結果的にお客さんと一緒に店をつくっていくこととなり、お客さんにまた来てもらうための学びがある」という。今後は、5年ぐらいかけて大箱の経営を学びたいとFCへの挑戦も視野に入れている同氏。自分が50歳になる頃には、自分達が影響を受けてきた数々の飲食店に肩を並べる店づくりができる会社でありたいと夢を語ってくれた。“良いことばかりは続かない”ということを念頭に、自分たちなら何ができるかということを常に自問自答し、熱を入れられる産業を探しているdate氏に注目したい。
店舗データ
店名 | 新中野 トンズラ |
---|---|
住所 | 東京都中野区中央3-33-4 |
アクセス | 東京メトロ 丸の内線 新中野駅から徒歩2分 |
電話 | 03-5342-4744 |
営業時間 | 11:30-24:00(ランチタイム11:30-17:00) |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 3坪 18席 |
客単価 | 1500円 |
関連リンク | |
関連ページ | ROJIURASAKABA 青 CORNER(記事) |
関連ページ | TORI SAINT GERMAIN(記事) |