グローバルダイニング出身の青山剛平氏が、独立一号店として「GOCCHI’S(ゴッチス)」をオープンしたのが、2011年1月。同店は、池袋駅東口から徒歩7分の二等立地で営業を始めた、10坪のワイン食堂だ。オープンから徐々に評判が広がり、今では遠方からわざわざ訪れる客も多い。業界からも注目を浴びている青山氏が、いよいよ2店舗目「Bistro VOIRDEAUX(ビストロ ボアドック)」を出店。場所は「ゴッチス」と同じビル内の隣。「自分はゴッチスから離れられないので、近隣で物件が空けば良いなと思っていました。そこに運良く隣の物件を取得することができたんです」と、青山氏は振り返る。 以前は居酒屋であった現物件。一度スケルトンにし、一から施工した。外観は青で塗り、隣接した「ゴッチス」とは全く異なる趣に。全面開放で店内が見える造りにし、道行く人にアピールする。同店は、ゆっくりと食事とワインが楽しめる店にしようと、テーブル席を主体にした。隣接する壁の一部には、両店を行き来できるよう扉を設けた。店内からそれぞれの店がチラリと見えることで、「あっちにも行ってみたい」と思わせる演出を施す。また隣接させることで、ウエイティングや2軒目使いに「ゴッチス」を利用するなど、2店舗間での相乗効果が期待できる。メニューもワインも異なるため、それぞれの店にそれぞれの価値を付けて明確な使い分けを図っている。 料理は、市ヶ谷にあるフレンチビストロ「シェ オリビエ」出身のシェフ・中島忠昭氏を迎え、本格フレンチを提供。すべてアラカルトで用意するが、今後はコース対応も検討するという。前菜単品価格は、380円から。全メニュー1500円を超えるものがなく、注文しやすい価格にした。なかでも「本日の鮮魚のポワレ スペルト小麦リゾット」(980円)は、同店の看板メニュー。現在メインの魚料理は2種類、肉料理4種類とメニュー数を抑え、一品一品のクオリティを上げている。2人で来て、前菜2品、売りのリゾット、メイン、デザート、コーヒーに、ドリンクはファーストドリンクとワインボトル1本を注文して、1万円内に収まるオーダーを想定しているという。「オープン後、オペレーションが整ってきたら、日替わりメニューも考えて行きたいです」と中島氏は話す。ワインはヨーロッパ産を中心に、ボトル2000円台から用意する。 「ビストロ ボアドック」のスタッフは、中島氏を入れて計3名。マネージャーには、元々客で来店していたという平賀義規氏が担当する。平賀氏は、京橋のフレンチレストラン「シェ・イノ」出身。「ゴッチス」のカウンターで飲みながら「いつか一緒に仕事がしたいね」という話を青山氏としており、今回の出店でそれが実現した。もう一人の川崎隆志氏は、ワインセレクトを担当。キッチンとサービス両方の経験を持っているため、どちらの役割も担うことができる。青山氏は従来通り「ゴッチス」に立つため、新店ではこの3人が主役となる。 「生涯現役」を目標に掲げる青山氏。「記念日つかいする店ではありません。ここに“帰ってくる”感覚で、一生使える店にしたいと思っています。なので、僕がおじいちゃんになっても店に立っていたいですね。常連のお客様は、僕やスタッフに会いにきてくれているので、親子2代で通ってくれる店にしていきたいと思っています」(青山氏)。「ビストロ ボアドック」の成長と、青山氏の展開に今後も期待が集まる。
店舗データ
店名 | Bistro VOIRDEAUX(ビストロ ボアドック) |
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住所 | 東京都豊島区南池袋2-10-3 1階 |
アクセス | JR池袋駅より徒歩7分、都電荒川線雑司ヶ谷駅より徒歩5分 |
電話 | 03-3971-8155 |
営業時間 | 17:00〜23:00(L.O.23:30) |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 15坪・31席 |
客単価 | 5000円 |
関連リンク | GOCCHI’S |