新店の登場でにぎわいを見せる神田に、また新たなワイン業態が誕生。新鮮な魚介を売りにした「魚とワイン カンダ マルセイユ」だ。運営会社は、茨城県つくば市でFC店などを含め12店舗を経営するワイ・グロウス。つくばにある、オリジナル業態「Brasserie 2plats(ブラッスリー ドゥ・プラ)」をオープンした2009年頃から、東京進出を図ろうと物件を探していたという同社。代表の上原良氏の「神田の飲食店激戦区で勝負したい!」という想いから、神田で物件を探したが、この2年は縁に恵まれなかった。ようやく見つかった現物件は、1フロア7坪ほどの、1~3階建て一棟ビル。元寿司店であったため、内外装すべてに手を加え一新。7月10日、東京1号店としてオープンする。 内装コンセプトは、“南フランスのマルセイユに佇む小さなレストラン”。1階はオープンキッチンの立ち飲みカウンター、2~3階はテーブル席で構成し、空間を変更。サク飲みや腰を据えての飲み会、最大20人までの宴会などで使えるように、利用シーンの幅を広げた。2~3階の壁面に設けた大型モニターは、黒板代わりだという。「1階に設けた黒板に、その日の品数限定メニューと残数を表記します。2~3階にも黒板を設けると、スタッフがその都度残数の書き直しに行かなければならず、誤差も生じます。なので、そのタイムラグをなくすため、黒板前にカメラを設置し2~3階のモニターで黒板の様子を見られるようにしました」と料理長兼店長の菅原宏和氏は、新たな取り組みを話す。 料理は、全国の契約港から毎日直送される新鮮な魚を使用。その日に入った魚を、カルパッチョやフリット、マリネ、グリルなどで提供する。「その魚の味を活かせる最善の調理法を用いて、フレンチの技法を主体とした調理を施します。例えば、カルパッチョと一口に言っても、魚によってソースで味を変えるなどしますね」と菅原氏は言う。1階のカウンターには、おばんざいスタイルで“本日の大皿料理”を数種類陳列。見た目にも食欲をそそる演出で、追加注文を促す。本日の大皿料理は、1品380~580円ほどの小ポーションで用意し、軽くつまみたい人に訴求する。その他、フレンチの定番料理や肉料理などのアラカルトも多く取り揃え、食事利用としても楽しめるメニュー構成にした。 「ワイン好きなら“ニヤリ”とするワインを揃えた」と言う菅原氏。カジュアルなニューワールドから、ヨーロッパ各地の銘醸ワインの他、特にブルゴーニュ産に注力し、全100種類ほどをラインナップ。マニアックなワインを扱う業者などからも仕入れているため、有名な銘柄でなくても価値が高いものを多く扱っている。グラスワインは、赤・白・泡を20種類用意し、1杯400円~。1階では、ロックグラスで提供する「コップワイン」を赤・白ともに300円で用意。200ccのグラスにこぼして「もっきり」状態で注ぐコップワインは450円。「1階の立ち飲みでは、380円のおばんざい1品と、ワイン2杯で1000円ほど。少しだけ飲んで帰りたいという、OLさんをターゲットにしています」(菅原氏)。また、同社では茨城に専用セラーを持ち、常時3000本のワインをストック。特別な日に開けたい一本など、事前に「このワインが飲みたい」「こういうワインを開けたい」などと伝えておけば取り寄せてくれるなど、柔軟性のあるサービスで顧客満足度を上げる。 同店を皮切りに、都内各地にワイン業態を展開する予定のワイ・グロウス。今回は魚メインの業態だが、今後は肉をメインにするなど、ワインと合わせる食材を変えての出店を考えているという。
店舗データ
店名 | 魚とワイン カンダ マルセイユ |
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住所 | 東京都千代田区内神田3-22-5 |
アクセス | JR・東京メトロ神田駅より徒歩1分 |
電話 | 03-3257-7878 |
営業時間 | 17:00〜24:00(L.O.23:30) |
定休日 | 日曜・祝日 |
坪数客数 | 21坪・32席 |
客単価 | 1階1000〜1500円、2〜3階2500〜3000円 |
運営会社 | 株式会社ワイ・グロウス |
関連リンク | ワイ・グロウス |