中目黒駅から徒歩4分のビル3階に、林デザインオフィス(代表:林泰弘氏)が運営する「屋根裏のパリ食堂」がオープンした。同社は仙台で和食居酒屋や焼肉、イタリアン、カフェなど業態を変えた7店舗を経営する企業。東京初出店となる同店は、フレンチをベースとした日常使いができるバルに。3階という空中階ながら、屋外に突き出した階段と開放的なテラスが特徴的で、通りからの視認性も良好だ。ビルの最上階でもあるため、店前を通る人に気づいてもらいやすく、3階をネックとしない物件の利点もある。 林氏は、7年前、27歳でダイニングバーを開業。その前はとんかつ屋、バーテンダー、コック、カフェ店長など幅広い業態に携わった。「独立が早かったこともあり、今さらながら東京で勉強をし直したい、ゼロから料理を勉強したい、という思いが沸きました」と林氏。上京のきっかけは、飲食店への再挑戦だったという。今年の2月、従業員には「長期休暇を利用して勉強し直す」と言って上京。中目黒にアパートを借りた。バイト先を探している中で、偶然現物件と出会い「ここでなら商売がしたい」と思い、出店に至った。「チャンスがあれば出店しようとは考えていましたが、本当にタイミングが良かった。出店まで、とんとん拍子で話が進みましたね」と、林氏は笑う。上京から2ヵ月のスピード開業は、チャンスをモノにする力がある林氏だからこそ成し得たのだろう。 料理は西麻布にあった「Furutoshi」出身の千葉鉄也氏が、フランス惣菜と自家製パンなど、気軽に食べられるメニューを揃える。毎日店で焼く2種類のパンをお通し代わりにし、それに合うフランス惣菜を日替わりで用意。フランスから取り寄せたという、見た目にもかわいらしい鍋「キャセロール焼き」(1100円~)は名物の一つ。じっくりとオーブンで加熱された肉や野菜などの食材は、旨味が凝縮された一品に仕上がる。また「パテ・ド・カンパーニュ」(750円/ハーフ480円)や「豚肉のリエット」(480円)など、4種類を盛り合わせた「シャルキュトリー盛り合わせ」は3~4人前で2800円、ハーフ1900円とグループ客に向けたメニューも提案する。ワインはフランス産を中心に3000~4000円台のデイリーワインを用意。「30代前後のお客様に来て頂きたいと思っています。オープンして少しですが、来て欲しいお客様の層を狙い通り集客できています」と、業態の“当たり”を明かす。 同店は、スタッフの研修所としての役割も担う予定だと林氏。「東京の飲食店を食べ歩くだけでは、やはり勉強になりません。現場に立って、東京のお客様や空気感、商売に触れないと。なので、仙台の社員は3ヵ月交代で上京させ、現場に立たせるシステムを考えています」(林氏)。社員のための寮も借りており、スタッフを育成する準備は整っているという。今年の末には仙台での新店舗出店が決定している同社。「東京での出店はチャンスがあれば。別の店をやりたくなったらやる、そうやってこれまでも店舗をつくってきましたから」と林氏。仙台で培った経営理論を、東京でも披露する同店に今後も注目したい。
店舗データ
店名 | 屋根裏のパリ食堂 |
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住所 | 東京都目黒区青葉台1-17-2 青葉台117ビル3階 |
アクセス | 日比谷線・東急東横線中目黒駅より徒歩4分 |
電話 | 03-3770-7052 |
営業時間 | 平日18:00〜翌2:00(24:00〜バータイム) 日曜・祝日18:00〜22:00 休日ランチ12:00〜15:00 |
定休日 | 不定休 |
坪数客数 | 9.7坪・テーブル12席、個室2席、カウンター4席、テラス9席 |
客単価 | 3500円 |
運営会社 | 株式会社林デザインオフィス |
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