ベトナム料理の定番「フォー(米麺)」を日本人向けにアレンジしたオリジナルフォーの専門店「コム・フォー」を運営するシマダハウス(東京都渋谷区、代表取締役社長:島田成年氏)は10月15日(金)、伊勢丹跡地にオープンした話題の複合商業施設、コピス吉祥寺(旧伊勢丹)B1フロアに新店舗を開いた。
同ブランドは日本におけるフォー専門店の先駆け的存在。“フォーを日本の国民食に”というコンセプトのもと、日本人好みのフォーを開発。ゴマや豆乳など日本人の嗜好に合わせたオリジナルの味を取り入れたほか化学調味料や添加物を使わない調理法で1杯 399カロリー前後という低カロリー化も実現し、今では全店合わせて1日1000食以上も出る人気ブランドに。銀座、丸の内と、メジャーエリアに次々と出店し、成功を博している。
同社の強みは地域に併せてコンセプトやスタイルを変えるという地域密着型運営だ。例えば、ビジネス街にある「丸の内オアゾ店」のテーマは“クイック&ヘルシー”。忙しいビジネスマンやOLをターゲットに3秒で麺を茹で上げる下処理法や券売機を導入することでの効率化などクイックなオペレーションで注文してからわずか1分で料理を提供することに成功。ターゲットをほぼ100%女性に絞った「プランタン銀座店」では、“体の中からきれいに”をコンセプトに女心をくすぐるセットメニューを展開。フォーのポーションを8割に減らす替わりに生春巻きとデザート、ドリンクを付けた銀座限定セット(1050円)を打ち出すことで、客の満足度を上げるとともに客単価UPに繋げた。
そういった意味で今回オープンする吉祥寺店は既存店のようなビジネスマンターゲットでなく吉祥寺周辺のファミリー層を想定。親子や地域住民に好まれるような店舗運営を目指す。コンセプトも「和」を取り入れた“ヘルシー&ナチュラル”。木目調の優しい空間を演出し、親子連れも来やすいようにと店内装飾に子供の写真を使用したり、初のお子さまフォーをメニュー化するなど工夫を凝らしている。
メニューは国産野菜にこだわり安心安全を重視。フォーを初めて食べる人も受け入れやすいようアジア色を極力なくし、和テイストを盛り込んだ作りに。調味料も、白しょうゆ、黒七味、ゆず酢、おかきといった日本の調味料を使用し、メインメニューは既存店の「鶏のフォー」の変わりに和を取り入れた吉祥寺店限定「とりゆずのフォー」を加えた。苦手な人が多いパクチーは入れずに、好きな方には無料トッピングとして提供する。また吉祥寺店限定のサービスとして、国産野菜5種のミックス、もやゆず(もやし&ゆず)は、常時盛り放題という「フリーベジタブル」サービスも導入。今後は「きのこと明太子の和風あんかけフォー」という吉祥寺店限定メニューを加えるほか、その後も季節限定フォーも時期々に合わせて発売する。 またサイドメニューもゆずや生姜、十穀米などを使い、今までにないものを提供するほか、主婦層を意識した美容健康に良い紅茶は常時10種ほど備える。サービス面でも、フォーをより身近な日常食として広めたい思いと、効率化から初のセルフサービススタイルを導入。以上のような地域密着の戦略をもとに、今回は月商450万円、客数一日平均約180名、平均客単価850円を見込む。
今後の展開としては、「11月に同ブランドの更なる出店を控えるほか、高齢化社会、食料自給率UPなどの問題を抱えるフードサービス業の中で、その糸口となる『国産米麺』ブランドの立ち上げも計画している」と、コムフォーブランド成功の立役者であるプロデューサーの菊池薫氏は語る。国家政策にも後押しされて米ブームが続いている今、同社にとっては大きなチャンスになるだろう。
店舗データ
店名 | コム・フォー吉祥寺店 |
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住所 | 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-11-5 コピス吉祥寺B1F |
アクセス | JRほか吉祥寺駅より徒歩2分 |
電話 | 0422-27-5642 |
営業時間 | 10:00~21:00(L.O.20:30) |
定休日 | 無休(コピス吉祥寺に準じる) |
坪数客数 | 15坪・30席 |
運営会社 | シマダハウス株式会社 |
関連リンク | コム・フォー |