ジャックポットプランニングが展開する“店産店消”をテーマにしたイタリアン「ラ・ベファーナ汐留店」が、今脚光を浴びている。なんと、提供する野菜の半分を店内で収穫！

ジャックポットプランニング（東京都世田谷区、代表取締役：中川洋氏）は、店内で水耕による野菜栽培が行なえる植物工場「シェフの農園」を起用した第1号店となる「ラ・ベファーナ」汐留店を、4月24日にオープンした。目の前で収穫された新鮮な野菜を、都会的なロケーションで食べられるミスマッチさがウケて、店は連日連夜大盛況。メディアにも引っ張りだこだ。 植物工場「シェフの農園」は、電通の関連会社である電通ワークス（東京都中央区、代表取締役社長：片桐正之氏）の環境事業の一環として販売され、関東経済産業局の補助事業として奨励されている製品だ。この水耕栽培装置で、LEDや蛍光灯の人工光により栽培を行なう。装置には、段が5つ設けられており、各段で溶液の濃度を変えることによって、5種類の異なる野菜を栽培することが可能になる。現状栽培できるのは、葉物の野菜が中心となっていて、完全無農薬。日に60株、年間にして約2万株もの生産が可能となる。そして種植えから、わずか32日間で収穫できるという利点も。 当初、電通ワークスが、カレッタ汐留のキャニオンテラス2階において、実験的に「シェフの農園」の設置を行い、セミナーや収穫祭といった普及活動を行なっていた。そこに、かねてから野菜食材へのこだわりを強く持つジャックポットプランニングが、「無農薬野菜を自分達で作って出せたら楽しい」という発想から、そのまま植物工場の「シェフの農園」を活用する形で、出店を実現させたという。 ジャックポットプランニングは、従来から同社代表取締役中川氏が生まれ育った狛江の土地から、契約農家の無農薬野菜を仕入れている。そして、“収穫祭”と題して、年に1回一般公募を募って、契約農家での収穫ツアーを催している。今年6回目となるこの催しは、定員60名に対してすぐに満席となる人気ぶりだ。今回の店舗でも、店内で収穫される葉物野菜以外は、狛江の契約農家の無農薬野菜が使われている。その中で、植物工場の「シェフの農園」を使用するメリットとして、同店の店長の大島氏は、「天候に左右されず、計画的に収穫できることや、価格変動リスクがないこと、採れたての新鮮野菜を楽しめることが挙げられるんです。収穫と種付けで、毎日だいたい1時間ぐらいあればできるんですよ」と話す。また、「店内に植物工場があることで、アミューズメント性も増すので、若い人に野菜を栽培している様子を見てもらって、食に興味を持つ“食育”の場にもなれば」と話す（店長：大島氏）。 お勧めの料理は、新鮮な汐留野菜と狛江産無農薬野菜そのものの味が楽しめる「店産店消汐留野菜と狛江産無農薬野菜のシンプルサラダ」(600円)。今の季節、トマトやズッキーニ、ナス、にんじん等は狛江の契約農家から、リーフレタスや玉レタス、レッドファイヤーといった葉物の野菜は店内の「シェフの農園」から提供されている。業態がピッツェリアということもあり、店内には石窯が設置され、各種野菜をそのままワンプレートに乗せて窯で焼き上げた「石窯焼き“焼き野菜サラダ”」(900円)や、シンプルサラダの具材を全てトッピングとしてのせたピッツァ「狛江・汐留野菜いっぱい!!八百屋さんのサラダピッツァ」(1,800円)が人気メニューに。ドリンクのワインは、白20種、赤15種程、ボトル(2,400円～)で取り揃えている。また、店の入り口近くには、カウンター式のスタンディングバーコーナーもあり、簡易のバーメニューや300円からのドリンクが揃っていて、気軽に一杯を楽しむこともできる。 客層は、立地上オフィスワーカーがメイン。20代前半から、上は幅広い年代にうけている。意外にも、中高年の男性が目立ち、野菜を摂取したいという趣向や、自家農園に興味のあるお客さんも多いようだ。「ここで、新鮮な野菜をたっぷり食べて、元気になって帰って行ってほしい」と話す(店長：大島氏)。この店舗での目標月商は1,600万円を目指している。また、「現状は決められた野菜のみだが、今後は季節感のある旬の野菜にもチャレンジして行きたい」と意欲を覗かせる。野菜の店内栽培は、来店するお客さんのみならず、働くスタッフにも元気を与えてくれているようだ。 ジャックポットプランニングによる、この野菜の美味しさを追求する新たな取り組みに、今後より脚光が集まっていくことだろう。

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