これまで「味噌汁バー」、「アウトレットワイン」など様々な仕掛けで話題を提供してきたスタジオナガレ(東京都千代田区、代表取締役 横井貴広氏)の、今回のテーマは“店舗広告型事業”と“アウトレット業態の拡大”。日本橋の1棟ビルに3毛作業態となる情熱食堂「ROSSO」、ワヰン酒場(1階)と名代焼魚料理「ほんまもん」(2階)を6月1日オープンした。 日本橋コレド裏地すぐの立地は、喫煙所の傍であり、昼どきともなればテイクアウト用の弁当をぶら下げたビジネスマン達の憩いの場になっている。1Fはランチにテイクアウトとイートインの両方を兼ね備えた情熱食堂「ROSSO」で、夜のディナータイムにはワヰン酒場となる。ランチは490円均一で5種類のお弁当を常備し、さらにDELIのようなパーツ売りもおこなう(50円~)。“MY弁当箱”を持ってくると割引があるなど、日本橋というビジネス立地や時流をくみ、美味しさと安さ、そしてエコを売りとしている。安さの秘密はメーカーなどからの協賛によるもので、メニューもその都度変わり客への商品の認知を促し、かつ飽きさせない工夫が盛り込まれている。ワヰン酒場では昼のメニューも食べられるが、「タパス&ピンチョス」などお酒に合ったものを主に提供する。軽く食べて2杯飲んでも1,000円以内で帰れる価格設定が魅力だ。専門カウンターでは、営業時間中にテイクアウトもできるので夕食や夜食の総菜を購入できたりと、利用頻度の高い日常使いができることも特徴のひとつだ。 一方、2階の名代焼魚料理「ほんまもん」は、メイン料理が名物の「一汐(ヒトシオ)」の焼魚で純和食となる。「一汐」とは、薄塩で一晩じっくり仕上げた干物の逸品。まろやかな魚の風味がきいていて思わず「旨い」とうなってしまう。代表的なのが赤アマダイの一夜干し。刺身では美味しいとはいえない赤アマダイが、「一汐」となると、極上の味に変わるのだ(1,000円)。ほかにも味噌漬け、浜塩、照り焼きなどの方法で、素材の味わいを最大限に引き出すために調理した様々な魚を金串で刺し、炭火でかば焼きのように焼く焼き魚が名物(魚はほとんどが北海道産直送)。焼場はガラス越しに串を付けて焼いている光景を見ることができる。 今回は1棟プロデュースということで、しかも店舗がメディアとなり各メーカーや扱う食材や食品、ドリンクなどを訪れる客に認知してもらうことで、各メーカーや業者などとタイアップが実現し、リアルなプロモーションとマーケティングが行なえるのだ。つまり店舗が広告の機能を果たす“店舗広告型事業”といえる。 2009年7月に「渋谷ワヰン酒場」から始まったアウトレット業態。1年を迎え「ビヰル酒場」を入れると15店舗にまで拡大している(出店予定を含む)。直近では7月20日新宿南口に出店を予定するなど、まだまだ勢いの止まらないスタジオナガレの発想は、空間デザイナー・飲食経営者の枠を大きく超えて、メディアとしての店舗の可能性を広げつつある。
店舗データ
店名 | 1F 夜「日本橋ワヰン酒場」、昼 情熱食堂「ROSSO」 2F「名代焼魚料理 ほんまもん」 |
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住所 | 東京都中央区日本橋1-5-6 藤ビル2F |
電話 | 日本橋ワヰン酒場:03-5299-9910 名代焼魚料理 ほんまもん:03-5299-9911 |
営業時間 | ROSSO 10:00~23:00、ワヰン酒場16:00~23:00 ほんまもん11:30~14:00(ランチ)、16:00~23:00(ディナー) |
定休日 | 日曜 |
坪数客数 | 20坪 59席 |
客単価 | ROSSO 1,200円、ワヰン酒場2,300円、ほんまもん3,000円 |
運営会社 | 株式会社スタジオナガレ |
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