長引く不況の影響で外食産業は依然厳しい状況下にあり、業態のライフサイクルは一層短くなる傾向の今、より本物志向の業態がマーケットから強く求められるようになっている。その一方、居抜き物件紹介サイト「居抜き店舗.com」(http://www.i-tenpo.com)へ新たな出店を希望する会員登録は今年5月に5000社を超え、現在も毎月平均して約600社と登録会員数が増えている。しかも、新規登録会員の6割以上が独立開業予定者であることから、そのニーズに応えるべく「居抜き店舗.com」を運営している株式会社テンポリノベーション(代表取締役 北本聖、本社・東京都渋谷区 以下、テンポリノベーション)は、5月19日(水)、会員に向けた新サービスとして「業態パッケージ」の販売を開始した。 「業態パッケージ」とは従来のフランチャイズ加盟契約とは異なり、出店者が自由に店舗名を変える事ができる等、本部の店舗運営への関与を大幅に少なくしたものとなっている。主な特長として、マーケットに出回る前の稀少価値が高い繁盛店・業態のみを選別、繁盛店のノウハウを短期間で習得できる研修プラン、フランチャイズ加盟契約よりも低価格かつ自由度の高い店舗運営が可能だということがあげられ、このフレキシブルさが個人店向きといえるだろう。また、このサービスは、「居抜き店舗.com」の既存会員に限定される。 第一弾としては、塩ホルモンともつ鍋の「よし臓」を展開予定。「よし臓」は都内に6店舗を展開し、新鮮で種類豊富なホルモンがリーズナブルな値段で食べられるという点で人気を博している。肉卸業として30年間営んできた経験を活かし、独自の仕入れルートから常時30種類以上のホルモンを仕入れて提供している。また下処理技術も高く、ホルモン独自の味が堪能できるメニューも揃っている。 テンポリノベーションでは多店舗展開をすることなく、今後は「よし臓」の他に、高収益を維持している本物志向の繁盛店を継続して掘り起こし、今夏までには「業態パッケージ」で5業態程度のラインナップを予定しているという。今オススメの大手外食チェーン店やアーリーチェーン店では選ばない、需給バランスが崩れた「ブラックホール立地」と抱き合わせ、飲食店経営希望者にハードルを下げた新たな出店のチャンスを投じるとのことで、今後のテンポリノベーションの動向に注目したい。
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[フードビジネス]
2010.06.14
市場のニーズに合わせたオプションを提案。テンポリノベーション、「よし臓」の“業態パッケージ”5月19日に開始!
(取材=近藤 倫代)