ドンキホーテやヤマダ電機が建ち並ぶ道玄坂に、3月20日オープンした「鉄8カフェ (テッパチカフェ) 」は、あらゆる面で型破りな店と言えそうだ。まず、運営母体となっているHSJ(東京都渋谷区、代表取締役・鳥羽真一氏) は、主にヒップホップ系のクラブイベントなどを取り仕切る音楽系の会社であり、「鉄8カフェ」のオープンをもって初めて飲食業界に参画する。そのきっかけとなったのは、HSJの社員であり、レゲエ&ヒップホップ界で支持を得ている『生粋プロダクション』所属の伊東鉄矢氏の存在があったからだという。伊東氏は業界でも有名な食通で、野菜や肉などの食の生産者とのコネクションも強いことから、店のプロデュースを担当し、オープンの実現までに至った。 「どうぜやるなら、他にはない一風変わった鉄板焼き店をオープンさせよう!とスタッフ全員で知恵を絞りました。安くて美味しいのはもちろん、音楽好きが飲みに来るだけでもOKという、気軽な雰囲気の店を目指しました」と語るのは、クラブでDJをしていた店のマネージャー 吉田正義氏(写真中央)。店名の『鉄8』とは、鉄板の『鉄』、そして、店のメニューがすべて300円と500円ということから、3+5=8ということで『8』を付けたそうだ。店の人気メニュー「出血大サービス☆サーロインステーキ(100g)」、「上タン塩」、「ハツ」、「モツ」などの鉄板焼きは、すべて500円で提供。肉はすべて国産で、特別に契約を結んだ卸業者から仕入れた高品質なもの。その他「新鮮トマトのカプレーゼ」、「自家製無添加塩辛(小)」各300円など、多彩な一品料理も楽しめる。お酒の後の〆として人気なのは、「ニラとゲソのたっぷりチヂミ」500円、「富士宮やきそば」(300円)など。これらのメニューは、前述の伊東鉄矢氏の母親が考案したそうで、こうした部分にもコスト削減の努力が伺える。また、最近の若い世代の健康志向も考慮し、栄養士のアドバイスを得て、新鮮な野菜メニューをたっぷり加えている。お酒の方は、焼酎、マッコリ、ワイン、カクテルなど全50種を取り揃え、価格はなんと!すべて300円で統一。 お好み焼き屋だった前店舗を居抜きで改装した店内は、手作り感覚が感じられるアットホームな雰囲気に。前店舗の鉄板付きテーブルをそのまま利用し、壁にはスタッフが持ち寄った酒枡を規則正しくズラリと配するなど、お金をかけないながらも随所にアイデアを凝らした清潔感あふれる内装になっている。 オープンしてから約3カ月を迎えた現在、20代から30代後半の客層を中心にかなりの集客率を誇っている。営業時間は、平日から土曜が朝5時まで。渋谷のクラブで遊んだ後の客や、音楽仲間の口コミで広がった客などを、深夜の時間帯で数多く獲得できるのもこの店の強みだ。「『鉄8カフェ』を皮切りに、今後は年内2店舗の新規オープンを目指します!」とスタッフ全員、今後の強い意気込みを見せる。
店舗データ
店名 | 鉄8カフェ |
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住所 | 東京都渋谷区道玄坂2-25-10 ベニー渋谷ビル3F |
アクセス | JR・私鉄・地下鉄渋谷駅より徒歩5分 |
電話 | 03-5456-8053 |
営業時間 | 17:00~翌5時(月~土)、17:00~23:00(日・祝日) |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 25坪・34席 |
客単価 | 3000円 |
運営会社 | 株式会社HSJ |