(写真左から「RT Meetup」理事長の山澤修平氏、専務理事の網本信幸氏)
飲食系テック企業同士でつながれるコミュニティ、「RT Meetup」
山澤氏:数多く存在する飲食まわりのテック企業の人同士で集まり、「飲食店の抱える課題を解決する」をテーマにした勉強会や懇親会を開催しています。2019年6月に発足し、現在は月に1回ほど活動を行っています。今までの参加企業は100社以上、飲食店の経営管理からPOSレジ、勤怠システム、モバイルオーダーやゴーストレストラン関連など様々です。
山澤氏:私が執行役員を務める会社で、飲食店の経営管理に関するクラウドサービスを手掛けることになったのがきっかけです。飲食にまつわるサービスは初めてで、業界については右も左もわからない状態だった。たまたま知り合った飲食系テック企業の人と、最初は飲み会のノリで始めたのが最初です。情報交換をするうち、こうしたコミュニティの必要性を感じ、飲食店含む店舗の情報管理アプリの仕事に携わっていた知人の網本信幸を誘い、「RT Meetup」を設立しました。回を重ねるごとに参加してくれる人が増えてゆき、現在は、勉強会なら50~60人、懇親会は20~30人の飲食系テックの方々が集まる規模になっています。
バラバラに活動するテック企業同士でつながり、飲食業界に新しい価値を!
網本氏:飲食業界のテック事業に携わるようになって驚いたのが、他の業界のテック界隈と比べて、ヨコのつながりが圧倒的に少ないということですね。各社、飲食店にまつわるデータを多く保有しているはずなのに、それぞれがバラバラに活動している。飲食店や飲食店のお客さまからすれば不便だし、つながってデータを共有することで企業にもメリットは大きいはず。実際に「RT Meetup」をきっかけに企業同士がコラボした企画や事業が立ち上がった例も多数発生しています。
加えて、日本の飲食系テックはガラパゴス化している印象です。外資が少なく、ほとんどが国産企業。しかも、それぞれが小さく独立して展開している状況です。もしひとたび海外の大きな企業が乗り込んできたらその影響は大きい。「RT Meetup」で、小さくとも頑張っている企業をつなげてシナジーを作り、飲食業界に新しい価値を提供していきたいと思っています。
飲食店に最適なITサービスを紹介できる窓口に
山澤氏:引き続き飲食系テック企業をつなげるイベントを企画しつつ、そのつながりを生かして飲食店に価値を提供していきたいです。具体的には、飲食店に最適なテックサービスを紹介できる窓口のような役割をやりたくて。現在、飲食業界では多くのITサービスが混在し、飲食店側からすると「どのサービスを使えばいいのかわからない」という状態です。「RT Meetup」を運営する中で、各企業のサービスの特色を把握できるので、「あなたの店にぴったりなサービスはこれ」といった相談窓口を飲食店に提供することができるのではないかと思っています。
網本氏:先ほど日本の飲食系テック企業はガラパゴス化している、と言ったように、「RT Meetup」で集まったメンバーで、テック先進国であるアメリカや中国など、海外視察にも行きたいですね。
山澤氏:コロナ禍もあり、飲食業界にはますますテック化が必要となってくるのではないかなと思います。人がやらなくてもよい作業はITの力で解決し、人にしかできないサービスにリソースを割くべき。「RT Meetup」を通じてそうした環境を整え、飲食業界が次のステージへ進めるよう、サポートしていきたいです!