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コラム

“サードG世代”たちが、本気で動き出した…

「外食アワード2008」を受賞した米山久氏と井戸実氏に刺激を受けたのかどうか、この不況下にも関わらず、サードG世代"すなわち次世代の飲食経営者たちが、にわかに出店攻勢を強め始めた。中には、新しいビジネスモデルを打ち出すサムライも。 "

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


フードスコープを買収、新たに「シークレットテーブル」として2月1日からグループに組み入れたダイヤモンドダイニングの松村厚久氏。株価も全体相 場に逆行して堅調。その松村氏を代表幹事とする次世代経営者クラブ“サードG”だが、幹事長のエムグラントフードサービスの井戸氏が外食アワード表彰式 (2月13日)に臨む翌日の2月14日、サードG副代表幹事をつとめる東京レストランツファクトリーの渡邉仁社長は、“脱ファミレス”を掲げた新型カジュ アルレストラン「SUNS CASTLE(サンズキャッスル)」を祖師谷大蔵駅前にオープンする。 なんと2年間の構想を経て、満を持したオープンである。業態は、正統派の手ごねハンバーグと健康食として注目されているユーグレナを使用したパス タ、目の前で焼き上げる窯焼きのナポリピッツァをカジュアルに楽しめる洋食レストラン。六本木「御曹司きよやす邸」や銀座「銀熊茶寮」など、客単価 10,000円を超える“アッパー(高客単価の)業態”しかやってこなかった渡邉氏渾身の挑戦である。「上場を視野に入れ、全国にFCを含め100店舗展 開を計画している」というから、井戸氏だけでなく、松村氏もびっくりだろう。 そして、やはり“サードG”の幹事の一人、ユナイテッド&コレクティブの坂井英也社長が“とんかつ業態”で商業施設デビュー、その名も「とんかつ坂 井精肉店」1号店を3月末、イオンの八千代緑ヶ丘ショッピングセンター(千葉)に出店する。「てしごとや」グループ出身の坂井氏は自ら“第三世代のゲリ ラ”と名乗って業界に登場、ビジネス立地中心に「てけてけ」「kokoro」などの居酒屋業態を展開してきた。もともとチェーンストア理論の信奉者で、い よいよ新しい世代によるチェーン理論復活の実践に乗り出すということかも知れない。井戸氏、渡邉氏、坂井氏が轡を並べて、新しいチェーン展開のモデル構築 に走り出したわけで、この三人はまさに、外食新時代への“突破者”となるかどうか見守りたい。 もう一人の“サードG”ダークホース、幹事のラ・ブレアダイニング高橋知憲社長も元気だ。「砂漠楼」(西麻布、恵比寿)「炉ばた陣や」(恵比寿) 「瀬戸内水軍」「二代目 魚屋町」(田町)「鶴姫」(中目黒)などのスタイリッシュな店からこだわり食材を売りとする郷土料理まで都内7店舗を展開しているが、1月に「二代目 魚屋町」を開けたかと思うと、3月には恵比寿東口五差路近くに「恵比寿一丁目ホルモン」をオープン。トレンドゾーンを追いかけているようだが、高橋氏の MDへのこだわりは徹底している。トレンドを取り入れながら、しっかりとコンテンツを深め、オリジナルなものにできる実力の持ち主だ。 “サードG”イベントの盛り上げ役には欠かせない存在となったエイチワイシステム安田久社長も、この春、六本木で勝負に出る。東京ミッドタウン前に 「博多 筑前屋敷」と「葉隠」の2店を3月25日同時オープン。「葉隠」は、“佐賀”をテーマとした新郷土料理店。メイン食材は、産地直送する最高肉質“A5等級 以上”の上質な佐賀牛。それを“鉄板焼き”や赤と白のスープで味わう“美肌しゃぶしゃぶ”にして提供する。「博多 筑前屋敷」は、博多の「中洲屋台横丁」をヒットさせた「寺子屋」の山本浩喜氏と組むという話題をまき、「葉隠」は、やはり3月ミッドタウン近くに鉄板焼き をオープンさせるワイズテーブルとの間で早くも“Y(安田)Y(ワイズテーブル)戦争”と騒がれている。 そして、“サードG”に個人として参加していたラムラの韓国業態の開発・立ち上げを行ってきた岩田浩氏が、その第1号店目となる七輪炭火焼き鳥料理 店「鳥番長」を2月11日、小伝馬町にオープンする。昨年12月に仲間とともに株式会社バイタリティを設立、準備を進めていたものだ。サントリーの“ハイ ボールサーバー”設置の都内6店舗目だ。サントリーがそれだけ岩田氏の将来性を買っているということだろうが、確実に伸びる経営者と私も断言しておきた い。本人は「独立のきっかけのひとつには、サードGの若手飲食経営者達との刺激的な出会いもあった」と言っている。そう言ってもらえるのが“サードG”主 宰者としての大きな喜びだ。今年もいろいろな出会いの場を“サードG”で創っていきたい。

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