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コラム

2008年外食アワードについて

1月23日、外食産業関連の専門紙誌で構成する外食産業記者会(加盟25社)が、その年に活躍した外食関係者を表彰する「外食アワード2008」の受賞者を発表した。外食部門ではマクドナルドの原田社長、ハイデイ日高の神田社長の大手企業経営者と並んで、我らが米山久社長と井戸実社長が同時受賞した。

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


米山久株式会社APカンパニー代表取締役、井戸実エムグランドフードサービス代表取締役については、フードスタジアムでも何度も取り上げたし、昨年12月に開催した私が主宰する次世代飲食経営者倶楽部「第6回サードG」には、外食アワード2007の 受賞者でいま最も元気な外食経営者である松村厚久ダイヤモンドダイニング社長と共に参加してもらい、2008年の締め括り講演とパネルディスカッションを 催したばかりだ。その身近な二人(井戸社長はサードGの幹事長)が受賞の栄華に輝き、本当に心から慶びの言葉を贈りたい。ただ、業界には「二人にはまだ早 すぎるのでは…」という声もあった。「外食アワード」はどうやって決まるのだろうか?
「外食アワード」は外食産業記者会が創 立25周年の記念事業として2004年に制定したもので、目的は「外食産業の発展と外食の食文化醸成に寄与する」こと。加盟社の登録記者すべてが参加し、 「外食産業界でその年に活躍した人、話題になった人」を毎年選び、それぞれ紙(誌)面を通じて受賞者を報道し、後日、表彰式を行う。外食産業記者会の説明 文によると、「表彰制度の基本的なフレームは、常設の表彰制度運営委員会が推進母体となり、全会員参加型の選考委員会(加盟社3グループ持ち回り)を毎年 設置。会員社の登録記者が候補者を推薦し、次いでノミネート状況を内部公表して意見を募り、最終的に選考委員会が受賞者を決め、幹事会の承認を得て発表す るという仕組み」。要するに、日本を代表する業界紙誌25社の取材の成果、創意が反映されている客観的な賞だということだ。
外食経営者からはこれまで、横川竟日本フードサービス協会元会長、新井田傳幸楽苑代表取締役会長(2004年)、赤塚保柿安本店社長、岡本晴彦クリ エイト・レストランツ社長、鵜飼貞男うかい社長、石井宏治ビーヨンシー社長(2005年)、安部修仁吉野家ディー・アンド・シー代表取締役社長、大嶋啓介 NPO法人居酒屋甲子園理事長・てっぺん代表取締役(2006年)、松村厚久ダイヤモンドダイニング代表取締役社長(2007年)らが選ばれている。若手 経営者にとっては、大嶋氏、松村氏のその後の活躍ぶりからすると、このアワード受賞が飛躍への大きなジャンピングボードとなっていると言っても過言ではな いだろう。
私も昨年12月、このフードスタジアムがフードリンクニュースさんと一緒に、WEBメディアとしては初めて外食産業記者会に加盟した。今回の外食ア ワード2008の選考にはまったく関与していないが、2009年については選考をさせていただく立場になるかもしれない。フードスタジアムというメディア の使命は、2003年の創刊以来、一貫して“時代を変えるアーリーステージ企業の発掘”にある。サードGを立ち上げたのもそのためだが、外食大激変期に あって、いまこそ既成概念にとらわれない次世代経営者の登場が待たれている時代はないだろう。
米山氏、井戸氏(史上最年少受賞者)の受賞が早すぎる、と私は思わない。それは時代が求めていたということだろう。明治維新は20代の幕末志士たち が成しとげたことを忘れてはならない。年齢や企業の売上げ、店舗数で計るのではなく、「これまでの経営手法、発想、仕組みとどう違うのか」「それが新しい 時代を切り開く永続的なパワーとなり得るのか」、そして「本当にその経営者は外食ビジネスを愛し、命を懸けているのか」。そういった問いに応えられる経営 者にこそ、受賞の資格があるのではないか?

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