コラム

二人の東京初出店”と”芸人バル”オープン!”

怒涛のような話題店オープンラッシュが続く。来週から7月末にかけて、渋谷・恵比寿エリアでユニークな3店舗が誕生、それをフューチャーしてみた。

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。
現在、フードスタジアム 編集主幹。商業施設リーシング、飲食店出店サポートの株式会社カシェット代表取締役。著者に『イートグッド〜価値を売って儲けなさい〜』がある。


まずは大阪からの“東京初出店”となる「地鶏と鯨 きやんせ」。渋谷宮益坂のauショップ地下1階に7月25日オープンする。オーナーは「居酒屋甲子園」理事をつとめる株式会社大阪笑売研究所の 上山弘明さん。社名のキャッチには「世の中を明るく照らすフードビジネス」とある。コテコテの“関西元気系”かと思いきや、「『健康食、安全性とは?』 『日本の伝統食文化はどこに?』と考えた末、天然素材や手作り感をこよなく愛する農家さん漁師さん業者さんたちとがっちり肩を組み、大阪の食文化の一つ 『安くて旨い』を念頭に置いて、同時にお客様に食事をする楽しさを笑顔で持って伝える店として最高の店創りと食文化再生に本気で取り組んでおります」との こと。 大阪ではなんばグランド花月の地下1階で「花月食堂」、平野区で鯨料理「漁場料理 すんくじら」を経営。今回は「すんくじら」オープンから約1年、“地鶏と鯨”で勝負である。「きやんせ」は鹿児島弁で「来てください」の意味。店名のロゴ マークには島津藩の紋章が配してある。上山さんは鹿児島出身、「“丸十”を背負っている以上、薩摩隼の奉仕の精神を強く心に刻みたい」という。地元のネッ トワークがあるからこそ調達できる最上級の薩摩地鶏と鯨。このキラーコンテンツで渋谷を面白くしてくれそう。また、同時期に居酒屋甲子園の総帥、てっぺん 大嶋啓介さんが中目黒に「まいどのてっぺん」を、元てっぺん自由ヶ丘料理長だった矢野潤一郎さんが学芸大学に「型無」をオープン、この“東横線同時多発開 業”も話題を呼びそうだ。 もう一つの“東京初出店”は仙台から。仙台市に拠点を置く株式会社コンセプション(代表・沼倉幸俊氏)が、 イタリアンレストランバー「ALMA(アルマ)」を恵比寿の渋谷橋から明治通りを渋谷方面に少し歩いた立地。熱血漢の同社ナンバー2で常務の萱場俊克さん (35歳)が昨年9月から東京入りし、西麻布のバーで働き、土地勘を磨きながら徹底的なマーケティングリサーチを行った上で、「“第六感”でこの物件に決 めた」と言う。イギリスから取り寄せたアンティークものの高さ3m以上もある大きな扉を嵌めこむのにピッタリの高さと間口があったから。コンセプションは イタリア料理店「An treffen(アントレッフェン)」、スタンディングバル「Oggi Domani(オッジドマーニ)」など、仙台市青葉区で5店舗を展開、今回が6店舗目となる。 シェフの及川秀治さんはコンセプションの総料理長で元「An treffen」料理長。地元では“天才料理人”と評価が高い。今回は、フレンチシェフの及川秀治さんによる極上のイタリア料理。食材を見極める目も確か な“感覚派”のシェフが、「三陸の新鮮な魚介の素材が持つ、本当の味を引き出したい」と抱負を語る。店名も食材に愛を込めて、ラテン語で「恵み」という意 味のALMAにした。コンセプションの地元、東北の豊かな自然が育んだ海の恵みをふんだんに使い、シェフのアレンジでどこか遊び心のあるイタリア料理を楽 しんでもらいたいという。スタンディングスペースもあり、夜中14時まで営業する。恵比寿にまた1店、終電を忘れさせてくれる店が誕生する。(23日21 時よりプレスレセプションがあります。プレスの皆様見逃せませんよ!) もう1店、大きな話題になりそうなのが渋谷の明治通り沿い、並木橋近くのグラフ社という出版社の1階に7月30日オープンする“芸人バル” 「ARIAQUA(アリアクア)」。1981年に「ブッチャーブラザーズ」を結成、「リッキー」の芸名で自らも芸人として活躍する岡博之さんがプロデュー スするバルスタイルの店。ホールスタッフは全員若手お笑い芸人。岡博之さんは、2000年に株式会社ソーレアリアを起業し、お笑い芸人の育成に力を入れる一方、ダンディ坂野やカンニングのブレイクに一役買うなど、東京お笑い界のフィクサー的存在として多くの若手芸人に慕われている。 以前からフード業界に並々ならぬ意欲を持っていた。ホールタッフは、ソーレアリア所属のCUB&MUSI(カブトムシ)、アタッチマン、 ぽってかすーのシーサー比嘉などを予定。CUB&MUSIは、NHKの「爆笑オンエアバトル」やNTVの「エンタの神様」にも出演の注目株とか。 また、店長・益田凡児も鳳啓助の一番弟子だった現役のお笑いプロデューサー。「ダンディ坂野やカンニング竹山、ヒロシが店にふらりと立ち寄ることもあるか も」と言う。明治通りから笑いが絶えない日が来るか?

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