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コラム

アトレ上野に「バニュルス」旋風吹くか?

5周年を機に「アトレ上野」が5月から段階的に進めてきたテナントの入れ替え、既存店のリニューアルが完了、最後の目玉"の「バニュルス」がオープンしたというので行ってきた。さすが、丸山宏人・オザミワールドである。街と溶け込み、通りにオーラを放っていた。"

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


JR上野駅は迷路である。「アトレ上野」もその迷路を無理 やりいくつかの区画に分け、ゾーニングしただけに何度足を運んでも目的の店にたどり着くのが難しい。大地震が来れば確実にパニックになるに違いない商業施 設である。先日も8月にオープンしたカフェ・カンパニーの「ワイアードカフェ」(レトロ館地下1階)を探すのに30分もかかった。それはともかく、JR首 都圏の駅ビルを商権にもつ首都圏駅ビル開発株式会社・アトレ側は今回の“グランドリニューアル”に並々ならぬ力を注いできたことが、テナントの顔ぶれに現 れていると言えよう。 5月から順次出店したのは「立喰酒場 buri」(竹 若)、「妻家房」(永明)、「アフタヌーン・ティールーム」(サザビーリーグ)、「ワイアードカフェ」、そして「バニュルス」である。また、既存店「コカ レストラン」(コカレストランジャパン)、ブラッスリー・レカン」(セーキ)、「リモネッロ」(ユニマットクリエイティブ)もリニューアルした。なかで も、今回の注目株は山下口から不忍口に抜ける“パークアベニュー”に出店した「立喰酒場 buri」と「バニュルス」である。ここは坪7万とも8万ともいわれ、朝4時まで営業することが条件だったが、申込みが殺到したという。その中でアトレ側 の担当者が最終的に選んだのが恵比寿でカップ酒と立ち飲み文化を発信した「buri」と銀座でスペインバル文化を発信した「バニュルス」だった。 とくに「バニュルス」 が出店した場所は角地で間口が広い“最高の物件”。際コーポレーションの「上海バール」跡である。入り口近くにはハイテーブルと“プランチャー(鉄板)料 理”を見せる長いカウンターのあるバル、奥はレンガの台でグリル料理を見せるレストランフロア。36坪50席ほどの店だが、各テーブルを見渡すと“ワイン 不毛地帯”の上野で見事にワインが出ている。アトレ側もこの光景に満足しているに違いない。納堂友幸店長は「月商2,000~2,200万円が目標です」 と明かしたが、ランチと終電以降の深夜帯が課題のようだ。スペインバルブームで大手チェーン店も新業態でスペインバルに参入しているが、数ある中で「バ ニュルス」を選んだアトレ側の見識は評価したい。

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