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コラム

二匹の虎”が飲食業界を元気にする”

この一週間は虎まみれ"だった。先週19~20日は"マネーの虎"こと安田久エイチワイシステム社長と札幌一泊"食材探しのツアー"に同行した。昨日は、"飲食業の虎"中島武際コーポレーション社長と恵比寿にできたグッチ裕三の「うまいぞお」で痛飲。虎はあくまで元気である。 "

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


“マネーの虎”安田久さんはいま、11月にオープンする銀座の大箱の新業態「北海道料理」のネタの仕込みでいま走り回っている。なにしろ、“47都 道府県47店舗”と郷土料理店を銀座中心に次々に出店することを打ち出して、いまや“地方の虎”として全国を飛び回る日々。そのことは彼のブログ「虎の一攫千金」を読めばわかるが、今回の北海道料理店については、「今年最後にして最大の勝負」(安田さん)を賭けている。それは札幌への“随行取材”でひしひしと伝わってきた。 北海道の何を切り取って差別化し、安田さん的インパクトを打ち出すか、そこが私の興味だったが、「7メートルの水槽に活きた蟹やホタテなどの甲殻類 を陳列、客が食べたいものをその場で選んで新鮮なまま提供する」という今回の業態の軸が固まったようだ。銀座5丁目に150坪を超える物件を取得、11月 のオープンがいまから楽しみである。 “飲食業の虎”中島武さんは、「『ARIgTT』誌創刊を共にした“朋友”」(中島武公式blog)だが、そのブログの最近の日記で私のことをなぜか“ホメ殺し”攻撃している。そのことをダイヤモンドダイニングの松村厚久社長が面白がって、昨日“中島武×佐藤こうぞう会談”の場を仕掛けたのだが、なぜかそこに20代若手業界人のホープといわれるエムグランドフードサービスの井戸実社長も同席して、まさに“業界リーダー3世代”が揃い、気がつけば“業界VSフードスタジアム対決”となった。 分が悪い。ふだん歯に衣着せず辛口批評を書いている私は肝を冷やしたが、詰められることなく3時間みっちりと“ナマ武の飲食業論”を伺う場となっ た。フードスタジアムについても、概ねバッサリ斬ったあと「期待しているよ」と最後には優しい言葉。「“グッチ裕三”よりも“エルメス中島”のほうが ちょっとは食をわかってるよ」と、ジョークの切れもいい。“ホメ殺し”で返すわけではないが、かつて私は中島さんのことを“飲食業界の北野武”と称した が、いまやまさに“武監督”の領域に上がったのかもしれない。 それにしても、安田久さん、中島武さんという“二匹の虎”が業界を面白くしていることだけは事実だ。二人とも飲食店経営が大変なわりに儲からないこ とを熟知している。ともに昔は人生の崖っぷちに立たたされた強烈な失敗体験もある。しかし、いまやベンツとベントレーで業界を駆け抜ける。二人とも“チョ イ悪オヤジの色気”を放つ。業界に必要なのはこの“色気”なのだろう。

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