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コラム

「赤坂Bizタワー」のテナントチェック!

業界が注目していた最後の都心型大規模商業施設"「赤坂Bizタワー」に出店する飲食テナントが明らかになった。名称は「赤坂Bizタワー SHOPS & DINING」、オープンは来年3月6日である。 "

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


「赤坂Bizタワー(地 上39階、地下3階、高さ約180m)」は、TBS放送センター(既存棟)とBizタワーに挟まれた2つの劇場「赤坂BLITZ」「赤坂ACTシアター」 や「TBSギャラリー」からなる「akasaka Sacas(赤坂サカス)」のランドマークタワーとなる。高級賃貸住宅や「Sacas広場」などもあり、「完成後は文化施設や「Sacas広場」を中心に 多彩なイベントも開催され、六本木ヒルズ、東京ミッドタウンと並ぶ新名所となることは間違いない。オフィス棟には大手広告代理店の博報堂がまるごと田町か ら引っ越してくる。これで“日テレ×電通村”「汐留」VS“TBS×博報堂村”「赤坂」の構図がくっきりと浮かび上がる。赤坂は“歓楽の街”から“ギョー カイの街”に進化を遂げるに違いない。 「赤坂Bizタワー」の商業施設には46店舗が出店するが、そのほとんどは飲食。物販もエグゼクティブなメンズ“セレメンズ(セレブなメンズ)”を ターゲットとした店舗が出る。丸の内や銀座の新商業施設がほとんどどこも同じように“大人の女性”をターゲットとしたのと対照的。飲食もバブルを経験した “セレメンズ”が歓喜するラインナップとなっている。バブル時代を彷彿とさせる高級店が目白押しだ。例えば、「赤坂璃宮」が赤坂本店を移転。譚彦彬(タンヒコアキ)総料理長と香港から招いた一流シェフのコラボレーションが楽しめるという。旧「TBS会館」時代から40年以上商売を続けてきた“地権者”ざくろグループは、日本料理「ざくろ」、しゃぶしゃぶ「しゃぶせん」など4店舗の飲食店とケーキショップを出店。あの懐かしの“トップス”も戻ってくる。さらに高級フレンチの「マキシム・ド・パリ」が新業態のビストロとカフェ・バー、日本初となるパリの高級ブーランジェの3店舗を出店するというから、これも「フレンチといえばマキシム」というセレメンズには待ち遠しいのではないか。 さて、ここまではフードスタジアムらしからぬネタであるが、私がチェックしたいのは新興ベンチャーたちの出店。なんとラムラが初のフードコート「DO-ZO(ドーゾ)」に挑戦するのも気にはなるが、和、中華、韓国に比べ洋系は外しまくっているだけに今回もヘルシーな和食が中心になるようだ。“新感覚スタイルを提案する”とリリースにはあるが、ラムラ的新感覚とは何かを注目したい。フォーシーズがやはり来たか、スペインバルに挑戦。これまでのスペインバルとどう変えてくるかが見もの。スペイン料理の名匠・ジョセフ・バラオナ・ビニョス氏監修とあるが、オザミワールドの「バニュルス」を超えられるかどうか。カーディナルも丸の内TOKIA「P.C.M」、大丸東京新店「B.C.T」に続き、「P.C.A」を出店。1階の“顔”を目指す。また、P.C.Mよろしく、キリンの島田新一さんが外国人好みのスタンディングスタイルを仕掛けるのだろうか。 私が最も注目する“新外食第2世代”勢からは、稲本健一・ゼットンが1階角地にシャンパンバーとワインレストランの2店舗、松村厚久・ダイヤモンドダイニングが51店舗目となるスタンディングバースタイルの中華業態「爆麺闇雲堂」を出店する。ゼットンは東京ミッドタウン「Orange」、霞ダイニング「カスミガセキ」に続く“大型商業施設の角地”ゲット。稲本さんは私に「もう東京では商業施設の1階角地にしか出ませんよ」と霞ダイニングレセプションで語っていたが、いずれも三井不動産案件への出店を果たし“上場効果”を発揮したということだろうか。ただ、角地を取る限り、美味しい食事を期待したい。 “新外食第1世代”の巻き返しも面白い。吉本隆彦・ミュープランニング&オペレーターズがマロニエゲートに続き「ジムトンプソンテーブル」、中島武・際コーポレーションが久々の大型商業施設出店となる中華料理「DORAGON RED RIVER」を出す。この両雄の対決も見ものである。そのほか、新興勢力だが、“トップの顔”が見えないメイセイトレーディングがベルギービール「デリリウムカフェ」、ペッカリイが ポルトガル料理「カステル・ブランコ」を出店。ベルギービールブームは定着したが、“ポスト・スペインブーム”を狙い“ポルトガルブーム”を仕掛けている ペッカリイの力量がここで問われることになろう。私の印象では、ペッカリイが目指すポジションではなく、もっとカジュアルライン、思い切って“ポルトガル バル”ぐらいのポジションシフトを期待したいのだが…。

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