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コラム

2008年エリア・ホッピング”のすすめ!”

2007年は東高西低"と言われたように、丸の内、有楽町、銀座、東京駅などの大型商業施設オープンにスポットが当たったが、2008年はどうなるのだろうか? 大型開発が一巡し、"街場"が再び見直されるのではないか。"

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


2008年1月は“浜松町”に注目が集まる。1月15日には、三菱地所と東急不動産による汐留再開発の“最後の高層ビル”となる「汐留ビルディング」に飲食中心の20店舗が入る商業施設「ハマサイトグルメ」がオープン。1月22日には、大門交差点近くに“ちょっとアッパーな”7店舗が入る複合飲食ビル「ムーンストリート大門」が 開業する。「ハマサイトグルメ」には、東京初や商業施設初出店の業態がいくつか登場、「ムーンストリート大門」にも“焼きはぐり専門店”や“薩摩牛”など の話題店が出店する。文化放送が昨年移転、来年には羽田空港に国際線が就航するなど、街としてのポテンシャルが上がりつつある。新しい施設や飲食ビルが、 銀座エリアや六本木エリアに流出していた地域オフィスワーカーたちの足を引き止めることができるかどうか…。 3月は“赤坂”である。6日に開業する「赤坂サカス」の目玉商業施設「赤坂Bizタワー SHOPS & DINING」に 46店舗がオープンする。東京メトロ千代田線赤坂駅付近はBizタワーの飲食店が放つエネルギーで様変わりする。「サカス」の開業で注目されるのは、東京 ミッドタウンとの回遊性が生まれ、これまで商売するには厳しいとされてきた「赤坂通り」が活性化するのではないかということ。この通り沿いには“TBS関 係者御用達”の隠れ家店が点在しているが、最近は立ち飲みやワインバーなど気軽に立ち寄れる店も増えている。また、赤坂駅から溜池山王駅方面へ抜けるエリ アも軽いフレンチやバールなどの新店が増えており、“サカス効果”が周辺の街場に及び始めている。 6月は“渋谷”が熱くなる。東京メトロ副都心線(13号線)「渋谷駅」が 東急文化会館跡地の地下に開業する。一年後には地下商業施設「エチカ」がオープン。2012年には東急東横線と直結し、文化会館跡地には地下4階、地上 33階建ての高層ビルが建ち、地下3階から地上7階までが商業施設となる。17年にはJR渋谷駅と空中デッキでつながる計画だが、そんな大きな開発の起点 となるのが副都心線開業。地上は工事現場で殺風景だが、その背後の宮益坂や桜ヶ丘エリアがこれから盛り上がりそうだ。これまで道玄坂、井の頭通り、文化村 通りのある西口が渋谷の中心だったが、これからは東口にも注目が集まるに違いない。 2007年はミッドタウン開業で「六本木エリア」、新丸ビルやマロニエゲート、イトシア開業で「丸の内・有楽町・銀座エリア」がスポットライトを浴 びた。2008年は商業施設同士の競争ではなく、街場が見直され、“エリア間競争”が激しくなるだろう。ただ、それは競争だけには終わらない。街と街が競 争しながらも連携して、“エリア”としての価値向上を目指す。その鍵を握るのが“回遊性”である。「赤坂」が浮上すれば、「赤坂からミッドタウンまで歩こ う」「乃木坂まで足を伸ばしてみたい」という動機が生まれる。“回遊”のポイントになるのは店である。カフェでもバールでも立ち飲みでもいい。もちろん飲 食に限らないが、街と街をつなぐ“峠の茶屋”機能が増えてくれば通りが活性化する。ハイネケンが進めている「アペリティーボ」なども一つの方法だろう。エリア内の店舗で“ビールと小皿料理”を楽しめる。店をはしごする“バーホッピング”のスタイルも提案している。2008年は“エリア・ホッピング”を提唱したい。

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