忘れてはいけない!給付金なく家賃を払い続けたあの1年。給付金中は挑戦していたか?
2020年の初頭。コロナ騒ぎが始まった当時、「ヤバい!」となってそれぞれの店が様々な取り組みをしていましたよね。テイクアウトやEC、マルシェなど……。
当社も、2019年末頃から雲行きが怪しいなとは感じていました。そして2020年になってからのクルーズ船騒ぎ、4月の緊急事態宣言……。当時は「1~2か月耐えれば、すぐに元に戻るだろう」とどこかで楽観視していました。ところが、状況はどんどん悪くなるばかり。その時は約80店舗を運営していましたが、売上の7割が落ちました。物件の賃料だけで毎月4000万円ほどの支出があり、そこに諸々の経費がのっかってくる。銀行も大忙しで融資の相談もままならない。持続化給付金の支給が決まりましたが、当時は1社につきいくら、という金額で、1店舗のみの個人店はいいかもしれませんが、うちのような他店舗展開をしている企業にとっては雀の涙。夏頃には人が徐々に戻り始めたものの、冬にはまた感染者数が増えて時短営業の要請や酒類提供制限のダメ押しでした。
結果、僕らは50店舗以上を閉店しました。それでもすぐに閉められるわけではなく、一定期間は家賃を払い続けなくてはならない。なんとかつないできましたが、我ながらよく生きてこれたなと思います。
業界の影響力のある方々が政府に対して呼びかけたこともあり、翌年の年明け頃から、ようやく店舗ごとの家賃補助の支給が始まりました。
しかし、補助金が支給され始めた途端、それまで取り組んでいたテイクアウトやEC、マルシェなどの新しい取り組みのニュースはパタリと止んでしまった。逆に補助金のおかげで通常通り営業するよりも儲かるので何もしない方が得策だといわんばかりに休み始める店も出てきた。
でも忘れないで欲しいんです。コロナに翻弄されて大変だった1年。色々な人に助けてもらったこと。
「コロナもそのうち終わるでしょ……」と何もしないでいる人と、アフターコロナに向けて確実に縮小する外食マーケットに対して次の一手を仕掛ける準備をする人。ここに大きな差が生まれます。
いうなれば今は、補助金に助けてもらっている猶予期間。この期間の行動にどう動くかで未来が変わる。最初に述べた通り、コロナに関係なく外食マーケットは縮小している現実がある。今こそこれに向き合う絶好のチャンスなんです。何もしないなんて、あり得ないですね。