株式会社グロブリッジとは
2008年、ベンチャー・リンク出身の大塚 誠氏が創業。WEBマーケティングを駆使した出店戦略で居酒屋を中心に約80店舗まで規模を伸ばしていたが、コロナ禍を機に半数以上を閉店。一方でデリバリー事業を開始し、デリバリーブランド「東京からあげ専門店 あげたて」がヒット。現在は同社が培ってきたWEBマーケティングのノウハウを転用し、バーチャルレストラン(既存店舗を利用してデリバリー業態を営業すること)のFC展開やデリバリーコンサル事業をメインに手掛けている。
アフターコロナ、どうしますか?
デリバリーの話の前に、私はまず自分自身が飲食店経営者として、「アフターコロナ、どうしますか?」という疑問を自分自身に投げかけました。
飲食店経営者なら誰しも考えるアフターコロナの経営展開。今後、自社が生き延びるため、コロナで減った外食需要をどう穴埋めすべきか?頭を抱えている経営者も多いのではないか?しかし、そもそも「コロナのせいで外食需要が減った」と考えること自体が間違いかもしれないと思うのです。
コロナ抜きでも縮小していた外食マーケット。外食業界の「不都合な真実」
データで見てみると以下は、居酒屋市場について、各年の前年対比(上段)と、2011年(10年前)の市場規模を100として比べた際の比率(下段)を示したグラフです。
パブ/居酒屋 市場規模
※参考:日本フードサービス協会
10年前の2011年と比べ、2021年はコロナの影響も大いにあってなんとなんと21%にまで落ちこんでいます。このたった10年で5分の4の市場が無くなったということです。
ただし、注目してほしいのは2019年。コロナの影響の出る前でも2011年と比べて74%、つまり8年で4分の1のマーケットが消えている。コロナ明けは当然ながらコロナ中より回復するのは当然で、それによってコロナ前でも既に右肩下がりの縮小市場である真実を忘れてはいけないです。
着実に進む日本の人口減少や生活スタイルの変化。そもそもコロナ以前から、外食産業にとってプラスになる要素は残念ながらあまりありません。こうした「不都合な真実」から目を背けず、コロナ前から問題に正面から向き合ってきたか?と問われると、まだまだそこまでの危機意識をもって対策をうててこれなかったとただただ猛省する限りです。
ここに加えて、周知のとおりコロナ禍によってマーケット縮小の流れが加速しました。リモートワークが進み、緊急事態宣言に伴う時短営業や酒類提供制限により、人々の外食頻度はぐっと減ってしまった。
それによってもたらされたのは「無目的フラフラ来店の喪失」。外食の回数が減ったことで、人は何か強い目的がないと外食に行かなくなってしまいました。それまでは「なんとなく」行っていた会社の歓送迎会や忘年会、友達同士の集まり。一度、外食が強制的に制限されてしまったことで、「あれってやる意味あったかな」と気づき始めているんです。これを取り戻そうとするのはなかなか難しい。