飲食店・レストランの“トレンド”を配信するフードビジネスニュースサイト「フードスタジアム」

スペシャル企画

スキマバイトアプリ「タイミー」は人材不足の救世主になるか?現役大学生のタイミー代表・小川氏&導入企業のGOSSO代表・藤田氏スペシャル対談

今、注目を集めているスキマバイトアプリ「タイミー」。スマホひとつで「この時間なら働ける」人と、「この時間だけ働いてほしい」企業を、最短8秒でマッチングするサービスだ。「焼肉ライク」のダイニングイノベーション、串カツ田中ホールディングスをはじめ名だたる企業から次々と資金調達を成功させ、“人材不足の救世主”になり得る存在として熱い視線が注がれている。創業者は1997年生まれの現役大学生、小川 嶺氏。今回は「タイミー」を導入しているGOSSO代表取締役の藤田 建氏、フードスタジアム代表の大山 正の3人で対談を実施し、飲食業界の未来を変えうる話題のサービスに迫った。


株式会社タイミー 代表取締役社長 小川 嶺氏
1997年生まれの22歳。20歳のときにアルバイト求人アプリ「タイミー」を立ち上げる。

GOSSO株式会社・GOSSO BEAUTY LAB株式会社 代表取締役 藤田建氏
「鎌倉野菜とチーズフォンデュ ガーデンファーム」をはじめ、居酒屋、焼肉など複数の飲食店を経営する。

タイミー
https://timee.co.jp

スマホ1つで「簡単に働ける」「簡単にバイトが見つかる」

大山 正(以下、大山):まず、「タイミー」とはどういったサービスなのでしょうか?教えてください。

小川 嶺氏(以下、小川):アルバイト求人アプリ「タイミー」は、「この時間なら働ける」人と、「この時間だけ働いてほしい」企業をつなぐサービスです。従来の応募や面接は不要で、働きたいと思った時にすぐ働けて、当日中に給料がもらえるという手軽さがウリです。求人側は、「この日のこの時間帯に人が足りない!」という場合に、単発でフレキシブルにアルバイトを配置することが可能です。

私がこのサービスを立ち上げて1年2ヶ月ほど。都内の学生を中心に認知が広がり、現在のユーザー登録者は25万人以上です。

自身の単発バイトの経験をもとにサービスを構想

大山:小川さんは、現在大学在籍中なんですよね?

小川:立教大学の4年生で、現在22歳です。株式会社タイミーは約2年前に設立しました。

大山:大学2年生で起業されたんですね。どういった経緯で、このサービスを考えられたのでしょう?

小川:サービスを思いついたのは、日払いの単発バイトで働いたのがきっかけです。私は「タイミー」の前に、別の事業で会社経営をしていたのですが、それをたたむことになったんです。当時は少額ですが借金を抱えていて、固定のアルバイトをしながら、空いた時間に単発バイトを入れて働く生活をしていました。その単発バイトで実感したのが、仕事が確定するまでの手間の多さです。単発バイトで働くために人材派遣会社のサービスを利用するのですが、まず派遣会社の登録説明会へ足を運び、登録する。その後、メールやアプリで流れてくる求人案件に応募して、人員を確定させる最終確認の電話、それでようやく働ける、という流れで、すごく大変でした。「スマホ1つで簡単に働けたら良いのに」という発想から立ち上げたのが、「タイミー」です。

大山:現在、「タイミー」の求人は飲食業が約7割を占めていますが、当初から飲食業界に重きを置いたサービスに使用と考えていたのでしょうか?

小川:なかったですね。まず「簡単に働く」という仕組み作りが一番の目的だったので。

まず商材を作り、そこからどの業種にアプローチしていくか検討していきました。当社の営業部長の岡田、彼も同じ大学生なのですが、意見を求めたところ、「飲食が好きだ」と熱く語ってくれ、飲食業を中心に営業を開始しました。

すると、飲食店とユーザー、どちらの需要にもうまくマッチしていき、結果的に飲食に特化したサービスへ成長しました。今では、ありがたいことに飲食業界の方から色んなお話をいただいている状態です。

祖父の意思を継いで18歳で社長を志す

大山:先ほど話題に出た、タイミーを立ち上げる前にしていた事業というのは、どんなことをされていたんですか?

小川:アパレル店で試着した服の写真を、アプリ上でシェアすると商品代が割引になるサービスを提供していました。
アパレル業界において、ネットが発達して店舗への来店が減る中で、リアル店舗の存在意義って「実際に試着してもらう、新作に触れてもらう」に尽きるんですよね。そこで店舗に来てもらえる仕組みを考えたんです。なかなか苦労しました。

大山:若い頃からトライアンドエラーを繰り返されていたんですね。聞くところによると、社長になるのが夢だったとか。

小川:18歳から社長を志しました。曽祖父が会社を経営していて、それが祖父の代で潰れてしまったんですね。祖父は私が18歳のときに亡くなったんですが、それを大変後悔していて。おじいちゃん子だったこともあり、意志を継ぐ決意をしました。時間は有限で、いつ死ぬかわからないから、後悔したくないという気持ちも強かったですね。

「タイミー」の人材は質が高く、飲食経験者も多数

大山:そのタイミーを実際に利用し、個人、会社ともに出資されている藤田さんにもお話を伺っていきます。まずはタイミーを導入した理由をお聞かせください。

藤田建氏(以下、藤田):何より人員不足ですね。昔はアルバイトの採用に困らなかったんですが、ここ2、3年で状況は大きく変わりました。
会社の制度や福利厚生を改善して社員の定着率が向上しても、アルバイトはエリアによって応募が全くない状態でした。特に上野エリアは切実でしたね。そんな折、タイミーの営業部長・岡田さんと一緒に飲む機会があり、導入してみることにしました。

大山:実際に利用してみて、いかがでしたか?

藤田:よかったです!「タイミー」で来てくれたスタッフは優秀な方が多く、社内で評判です。まだ利用していない店舗からも「使いたい」と声が上がっています。

弊社では新しい仕組みを導入するとき、必ずいくつか競合を試してから自社にあったものを選びます。「タイミー」以外にも似た人材サービスをいくつか使いましたが、「タイミー」が一番ですね。

大山:どういった部分が良かったんでしょうか?

藤田:従来の人材派遣業者に依頼した際に起きる「困ったこと」が、「タイミー」では、ほとんど起きないんですよ。

特に心配していたのは、接客のできない人員が来ることでした。人材派遣業者に高い時給で依頼したのに何にもできない人が来て、何もしないまま帰ってしまう……なんてよくある話だと思うんです。店舗スタッフがそのフォローに回ると、人員が足りないから頼んでいるのに、さらに手間がかかる本末転倒の事態が発生する。

大山:「タイミー」では、その事態が起きない理由はどこにあるのでしょう?

藤田:リテラシーや感度の高い学生ユーザーが多いんですよね。「タイミー」のユーザーには、これまで働いた店の評価を可視化した「信用スコア」というものがつくので、ごまかしが効かない。飲食が割合を大きく占めるサービスだけあって、飲食でのアルバイト経験のあるユーザーも多い印象です。飲食経験者を求人条件に絞ってマッチングすることができるのも助かっています。

大山:店舗では、どういう業務をお願いしているんですか?

藤田:主にホールで、ランナー、洗い物など、一般常識をもっていれば誰でもできるポジションです。店舗のオペレーションは整えてあるので、状況によってオーダーを取るところまでやってもらうこともあります。接客経験があれば、どの店でも根っこは一緒ですから。

大山:その日に働きはじめて、オーダーが取れるんですか?

藤田:レジや電話係は難しいですが、注文用ハンディはスマホを操作する感覚で使えるので、初心者でもオーダーは取れます。大半が学生でスマホネイティブ世代ですから、端末使うのは僕らより上手い。(笑)

働きたいのに働けない学生の機会損失を防ぐ

大山:リテラシーの高い学生ユーザーが多いというのは、小川さんの大学生のネットワークでユーザーを広めたからですか?

小川:確かに、立ち上げ当初に周囲の大学生をつないでサービスを広めたというのはあります。あと、自分の体験がサービス立ち上げのきっかけなので、学生がユーザーのペルソナでもあるんです。
大学生って固定のアルバイトをしている人が多いのですが、その中で希望したシフトに入れずに時間を持て余している人もかなり多くいます。しかも、そのほとんどが飲食店でアルバイトしていて接客スキルが身についているので、飲食業界にとって即戦力な場合が多いんですよ。人手不足だと言われている中で、そんな人が働きたいのに働けないって、すごく勿体無いじゃないですか。

大山:確かに、雇用側は予算の都合でアルバイトのシフトを削ってしまいますもんね。実際のユーザーはどのように「タイミー」を利用しているんでしょうか?

小川:意外かもしれませんが、同じ店にリピートして働く人が多いです。ユーザー側も自分が働いた店に評価をつけられる機能があるのですが、店に高評価をつけた多くの人がその後も同じ店で働いています。

他にも色んな使い方をする人がいます。例えば、アルバイト先を探している人が、「タイミー」を使ってお試し感覚で複数の店舗で働き、そこから自分にあったお店にレギュラーのアルバイトとして応募したり、また、飲食店の店長が「タイミー」で勉強のために他店でアルバイトをしたりしています。

やりがいを求めるユーザー、給料時重視のユーザー、多様な使い方が可能

大山:藤田さんは多くの業種、業態の飲食店を展開していて、広い知見をお持ちですよね。「タイミー」はどんなお店にマッチすると思われますか?

藤田:「タイミー」のユーザー含め、今の若い子には大衆酒場業態のような、お客様の笑顔に触れて、やりがいを実感できるお店がマッチするのではないでしょうか?「自分が動いて価値を感じること」を重要視する時代だと思います。
大山:それって今までとは真逆ですよね。従来の単発バイトは、皿洗いなど誰でもできる仕事をやらせるじゃないですか。

藤田:逆です。例えば「串カツ田中」なんて好例ではないでしょうか。オペレーションがシンプルに組まれているので初めて働く人も馴染みやすい。そのうえで、子供からシニアまで客層が幅広く、お客様に喜んでもらえるポイントも多いので、やりがいを感じやすい。単に給料目当てではなく、「役に立っている」と実感することを目的に働く若い人も増えているように思いますよ。

小川:その通りですね。一方で、「余暇を給料に変える」を重視して単純作業を求めるユーザーも一定数いるので、皿洗いなどの単純作業を依頼する飲食店も多いです。こちらは人材獲得というより、正社員の負担を減らすための意味合いが強いですね。大手チェーンのある店舗では、「タイミー」によって正社員の残業時間を月20時間、削減できたそうです。

大山:「どこの痛みをとるか」次第で、多様な利用方法がありますね。

労働環境改善に「タイミー」を利用し、社員の定着率75%を目指す

藤田:当社では、労働環境のKPIにアルバイトの退職率、社員の定着率を据えています。特にアルバイトの定着率75%を目指していて、「タイミー」はそれに一役買ってくれると信じています。

人手が足りない分は「タイミー」で。社員で埋めようとすると生産性が下がり、誰も社員になりたがらなくなってしまいます。

アルバイトの定着率75%が実現すると、日々の戦力が固定できるんですね。やはり、スターティングメンバーが確立していなければ試合に勝てない。生産性の高いメンバーで固めると、売り上げも変わりますし、自然と社員も休めるようになります。

他にも、「タイミー」を使って、店を卒業した元アルバイトや社員を雇う計画を立てています。熟練したスキルを持っていて、お店に対する愛もあるんだけど、就職等で辞めてしまった人っていますよね。こういう人たちが、土日のタイミングが合う時に力を貸してくれるだけで、状況は随分違います。「タイミー」を通じて雇用すれば、給料の支払いは「タイミー」で行ってくれるので、当社で給料計算や労務管理を行う必要がないのもメリットです。

大山:とことん使いこなしますね!その発想はありませんでした。

タイミーは2022年に最年少上場を目指す

大山:最後に、お二人の今後の展望をお聞かせください。

藤田:今はチーズ居酒屋をはじめ、北海道イタリアン、焼肉などの経営をしていて、これから横浜、名古屋、大阪の100万都市を中心とした展開を目論んでいます。
そのためには、やはり従業員が肝。お客様のためには、まず従業員の働く環境を整えることが大切です。人手不足の課題をタイミーと協業して解消し、ミッションを実現していきたい。「タイミー」は当社の成長戦略に必要不可欠なサービスです。

小川:直近の話でいうと、これまで「タイミー」のマッチング率は約90%だったのですが、先週は96%にアップしていたんです。飲食業界をはじめ、世の中に必要とされていることを実感し、本当に嬉しく思います。
来年1月からは名古屋にもサービスを拡大予定。“一期一会を作れる”サービスで、働くことをもっと自由にしたいですね。

そして、もうひとつの目標は、2年半後の2022年4月に上場を目指しています。最年少上場に向けて、応援してくれる株主にも還元できるように必死に頑張るのみです!

藤田:期待しています!

大山:小川さん、頑張ってください。本日はお忙しい中、ありがとうございました!

【イベントのご案内】
ダイニングイノベーション 西山ファウンダー、串カツ田中 貫代表取締役、WDI 清水代表取締役が、タイミー代表小川氏とともに登壇!
〈参加無料〉外食企業経営層向けセミナーのお知らせ
日時:11月27日(水) 12:30開演
場所:The Place of TOKYO
※200名限定、参加は抽選制です。
※当選者に開催1週間前に詳細を連絡いたします。下記リンクよりお申し込みください!
https://peraichi.com/landing_pages/view/taimeexthecfoconsulting

スペシャル企画一覧トップへ

Uber Eats レストランパートナー募集
Copyright © 2014 FOOD STADIUM INC. All Rights Reserved.