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ゴーストレストランの先駆け「The Vegetarian Butcher Derivary」の仕掛け人に聞く、新しい飲食店営業のかたち

最近、飲食業界を賑わすキーワードのひとつ「ゴーストレストラン」。実店舗を持たずに間借りで商品を製造し、Uber Eatsなどのデリバリーサービスで販売する、その名の通り”実態のないレストラン“のことだ。そんなゴーストレストランの先駆けとして登場したのが「The Vegetarian Butcher Derivary」。プラントベースミート(植物由来代替肉)を使ったハンバーガーを、池袋の「BUTAMAJIN 池袋店」の厨房を間借りし販売している。仕掛け人の村谷幸彦氏に、この事業を始めた狙いを聞いた。



ベジタリアンブッチャージャパン 代表取締役:村谷幸彦氏
1988年山口県生まれ。都内のしゃぶしゃぶ店や韓国料理店で勤務した後、渡米し1年ほどホテルのサービスマンを経験。帰国後、2016年8月に大将軍(富山県富山市)の代表・本田大輝氏とともに「BUTAMAJIN 池袋店」をオープンさせ、現在はオーナーとして同店を運営。2017年8月、ベジタリアンブッチャージャパンを立ち上げ代表に就任し、2019年9月から「The Vegetarian Butcher Derivary」事業を開始。

ベジタリアンブッチャージャパン(HP)
ベジタリアンブッチャージャパン(FB)

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―「The Vegetarian Butcher Derivary」とは?

オランダ発のプラントベースミートのメーカー、THE VEGETARIAN BUTCHERのプラントベースミート(植物由来代替肉)を使ったハンバーガーを、フードデリバリーサービスのUber Eatsと出前館で販売しているゴーストレストラン事業です。現在は池袋駅西口エリアにある「BUTAMAJIN 池袋店」の厨房で製造。配達可能範囲はそこから3㎞圏内になります。主なメニューは、ビーフ風やチキン風のバーガー、ナゲットなど全8品。いずれも肉を使わないため、ベジタリアンの方が安心して食べられるのはもちろん、プラントベースミートは低カロリー・低糖質という特徴があるので、ダイエット中の人やアスリートなど健康を気遣う人にも好評です。


(見た目、味わい、食感すべて本物の肉と遜色ない仕上がりに)

THE VEGETARIAN BUTCHERは世界中で評価されているだけあり、味の面にも自信があります。味付けや食感など本物の肉と遜色なく、言われなければ代替肉だと気づかないほど。従来の代替肉とは一線を画したおいしさで「代替肉=おいしくない」のイメージを覆し、無理なく食べられるのが特徴です。

―なぜゴーストレストランという営業形態を選んだのでしょうか?

当社はTHE VEGETARIAN BUTCHERの日本における専売契約を締結し、国内で同社の製品を主に業務用で販売していました。最近、ハンバーガーパティの取り扱いも開始し、こちらは小売用製品として売り出していこうと考えました。

ところが、スーパーに卸しても「ベジタリアン」のカテゴリーに並べられてしまうことが予想できた。昔からある大豆ミートと同じ扱いをされ、ベジタリアン以外の人の目には触れにくくなってしまう。プラントベースミートは、低カロリー低糖質で健康志向であることや、環境にもやさしい製品であることなど、普段、お肉を食べる人にとっても訴求できるポイントがたくさんある。ターゲットを特定の人達に絞り込まず、一般の人にとっても親しみの持てる、今までにない商品として打ち出したかったのです。

そのために、視点を小売りから飲食に転換。このパティを使ったハンバーガーを提供する飲食店を検討しました。ですが、いきなり実店舗を出すのはリスクが大きい。プラントベースミートというマーケットが未開拓の商材に大きな投資はできないということで、まずは省コストで始められるゴーストレストランという形態にたどり着きました。

フードデリバリーサービスで、ハンバーガーは特に人気の高いカテゴリー。このプラントベースミートを使ったハンバーガーなら勝機があると、2019年9月に自身が運営する池袋の「BUTAMAJIN 池袋店」で販売を開始しました。

―どのような仕組みなのでしょうか。

通常は焼肉店として営業する「BUTAMAJIN 池袋店」のキッチンを使ってハンバーガーを製造。それをUber Eatsと出前館を使って配達しています。

調理工程は至ってシンプル。成形された状態で納品されるパティを焼き、野菜、ソースとともにバンズに挟むだけ。営業中でも負担のないよう、3~5分あれば完了できるようになっています。複雑さもないため誰でも同じクオリティを再現できる。始めるにあたって特別に購入すべき機器などもないので、初期費用はほぼゼロです。


(成形された状態で納品されるプラントベースミートをグリルし、具材とともにバンズに挟むだけで調理が完了できる簡素なオペレーションとなっている)

―今後の展望は?

このビジネスモデルのFC化を視野に入れています。現在の「BUTAMAJIN 池袋店」の1店舗のみから、店舗を増やすことで配達可能エリアを拡大していきたいです。早速、11月中旬からは新宿、渋谷、浜松町の飲食店でも開始し、年内に10店舗ほどの体制になる予定です。今後もフードデリバリーサービスの需要の高い主要エリアを中心に加盟店を増やして行きたいと考えています。

飲食店としてごくごく一般的な厨房があればどの店舗でもすぐに製造可能なので、参入障壁は極めて低い。必要なのはガスと包丁、まな板くらいでしょうか。どこにでもありますよね(笑)。パティ以外も、レタスやトマトなど手に入りやすい食材のみで構成されています。

さらには他業種とのコラボも検討中。アパレルやフィットネスなど親和性の高そうな業種とのプロモーションでブランド価値を高めたい。先ほど述べたように、従来のように特定の人だけに向けた食材としてではなく、新しさやオシャレであることを価値として幅広い層にPRしていけたらと思います。

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