インタビュー

株式会社スプラウトインベストメント 代表取締役 高橋誠太郎氏


――ところで、天然地魚や活魚はどのように仕入れているのでしょう。

神奈川県の三浦漁港をはじめとする全国各地の漁港から“朝獲れ”のものを直送して仕入れています。当社では地魚や活魚・活けイカの卸専門会社(ワイエムティー(株))をグループ企業に有しているので、そのバイイング力を生かし、神奈川・三浦半島の“松輪鯖”や千葉・館山の“叉木の金目鯛”といった注目のブランド魚や、活イセエビ、活車エビ、活アワビ、活カワハギなどといった付加価値の高い素材を豊富に取り揃えています。魚を傷つけない伝統的な漁法である“一本釣り”のこだわり魚も仕入れています。

通常の仕入れでは店に届くまでに約1日半かかりますが、当社では“朝獲れ”のものを漁港から自社の軽トラックで全店舗分をまとめて運び、その日のうちに各店で提供しています。だから素材はとびきり新鮮ですし、原価も比較的、抑えられるのです。さらに卸売会社として他の飲食店にも素材を供給しているところです。

とびきり新鮮な活イカのお造り

――活イカはどのように仕入れているのでしょう。

イカに関しては、ヤリイカ、スルメイカ、ケンサキイカ、アオリイカなどを、季節ごとに産地を変えながら各地の漁港から独自のルートで仕入れています。中でも三浦半島の伊東漁港から水揚げされたイカは、水槽を搭載した自社トラックで配送しています。さらにイカ400杯を備蓄できる水槽を設置した店も用意し、各店に新鮮なイカを安定的に供給できるような体制を築いています。ちなみに関東では唯一の活イカ卸専門店だと聞いております。

――そのように活イカに注力している理由は何でしょう。

活魚の中でも活イカは、お客様の“絶対に食べたい!”という衝動を喚起する、とても魅力的な素材です。“活け”ならではのイカの甘みや、透き通って輝くイカの身の見栄えなどが魅力になっているのでしょう。

しかしながら、イカは水槽で1~2日しか生きられないほど扱いが難しい。一般的に、活イカを店で提供するには、ある程度、商品単価を高く設定しないと成り立たないのです。その点、当社では卸売業も手がけるので原価コントロールがしやすく、さらにイカの配送法や店での扱い方も工夫しているので運営できるのです。

活イカ

――例えば、どのようにイカの扱いを工夫しているのでしょう。

「新宿いかセンター」では二つの水槽を用意し、イカの種類によって水槽を分けています。ヤリイカなら水温15~16℃の水槽に、スルメイカなら水温17~18℃の水槽に…といった具合です。水温が1~2℃違っただけで状態が変わってくるほど、イカはデリケートな素材だからです。

さらに水槽の水温はいつも一定ではなく、水揚げされた漁港の海の水温に合わせて、日により微調整を加えています。イカのさばき方はもちろんですが、さばくまでの保管の仕方にも細心の注意を払っているのです。

 

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