学芸大学「臥薪」が「GASHIN８（ガシン エイト）」として新スタート。グローバルダイニング卒業生Pineが運営チームに加入、鮮魚と出汁とワインを軸に打ち出し進化

縁あって熊本出店、多くの出会いが生まれる

そんな中、今年は２つの店舗を手掛けることになったPine。まず今年5月にオープンしたのが、熊本県阿蘇地方の小国町にある「HUIT×竹蔵」だ。グローバルダイニング時代の同僚の親戚が小国町でコーヒー店を営んでおり、その親戚から「町にあるレストランを引き継いでくれる人を探している」との話があった。松原氏は「小国町には旅行に行ったことがあり、食べ物はおいしいし温泉もあって、かなりいい印象があった。ただ、出店となると東京と熊本で距離もある。そこで、一度そのバーでポップアップ営業を行ってみたのですが、想像以上に多くのお客様が来て、地元とのつながりが生まれた。思い切って出店を決めました」と話す。「竹蔵（たけのくら）」は引き継いだ店の旧店名だ。黒川温泉の飲泉を使った自家製生地のピザを売りにしたピッツェリアとして営業する。

「熊本に出店したことで、生産者とつながりが生まれ、ジビエや阿蘇のあか牛、地酒などを扱えるようになった。特にジビエはハンターと鹿の狩猟現場に同行したことも」と松原氏。これらの食材や酒は渋谷の「HUIT」にも取り入れ、店のレベルアップが図れたという。

さらに間髪入れずにもう１件の話が舞い込む。熊本出店がひと段落し、松原氏が東京に戻った７月ごろ、この「臥薪」の新しい展開への誘いがあった。「熊本では肉を中心にさまざまな素材に出合いましたが、相対的に魚が弱くなっていた。そこで魚に強い『臥薪』とコラボできるのはまたとないチャンス。和食業態をやりたかったこともあり、すぐに決めました」。

2階ではあるが角地にあり、二面のガラス張りで外からよく見える造り。空間の格好よさも、松原氏が運営を決めたポイントだという。内装はほぼ変えていない

店舗データ