創業80年の老舗ブランドがAIで店づくり!?「大衆しゃぶしゃぶ勝治」が上野御徒町に開業。ビフテキ290円「ビーフキッチンスタンド」で知られる奴ダイニング新業態

効率化と職人技術のバランスでつくる“大衆”しゃぶしゃぶ

松本氏は新業態開発の経緯についてこう話す。「祖父や父が培ってきた和食の技術を受け継ぎ、日本の伝統文化を表現する店がやりたかった。海外でも和食は人気ですが、“海外の人がつくる和食”ではなく“日本人がつくる和食”をやりたい。海外に持って行くことも視野に入れています」。

加えて、昨今の飲食業界の労働事情も絡んでいる。「近年は働き方改革が進み、飲食店でも長時間労働が少なくなっている。これはもちろん歓迎すべき流れではありますが、短い時間の中で昔の職人と同じ技術を身に着けるのは難しい。そこで『ビーフキッチンスタンド』で培った仕組みを生かしながらも職人レベルの“めちゃくちゃおいしい”しゃぶしゃぶを用意しました」。なお、店名の「勝治」とは、100歳の大往生で亡くなった祖父の名前だ。

肉が主役である「ビーフキッチンスタンド」を展開してきたことから、同じ肉業態、その中でも日本の伝統食であるしゃぶしゃぶに着目。価格を抑えて「大衆」でありながらも、「日本人による本物の和食」にこだわり業態をつくりあげた。

まずは５月から横丁施設「本厚木一番街」内で「大衆しゃぶしゃぶ勝治 本厚木店」のテスト営業をスタート。商品のブラッシュアップを重ねる中、上野御徒町の同物件に出合った。ちょうど、「ビーフキッチンスタンド」の秋葉原電気街店と上野店の中間に位置していたことも、ドミナント展開を目指す中で好都合だったという。

店内は日本の伝統工芸品を散りばめる。デザインはAIに壁打ちしながら決め、イメージ画像もAIで生成した

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