「目黒 三谷」出店の影で動いていた、ビストロへの挑戦
2023年12月にオープンした「目黒 三谷」は、わずか7.7坪ながら月商700万円超を叩き出す大ヒット店に。連日満席の勢いは止まらず、今年6月には2号店「サンヤ」が始動した。そして、そこからわずか2ヵ月半、今回、三軒茶屋に「Bistro Sanya」を出店することとなった。既存店では新鮮なホルモンを名物にした居酒屋スタイルを採用してきたが、今回挑むのはビストロ業態。実はこの構想は、「目黒 三谷」開業の頃からすでに動き始めていたというから驚きだ。
曽我翔太郎氏は今回の出店についてこう振り返る。「『目黒 三谷』開業の1か月後には、次の物件探しを始めました。7.7坪の狭小店舗では厨房スペースが限られ、冷蔵庫や調理機材の配置に制約が多い。その分、芝浦の新鮮な肉など良質な食材の魅力を十分に引き出せないもどかしさがあったんです。また、『目黒 三谷』とは違う楽しみ方を提供したい思いもあり、洋食業態へチャレンジしようと思いました。物件探しでは、広い厨房スペースの確保を最優先に設定。もちろん、自分たちの世界観を体現できる古民家物件であることも譲れない条件でした」。
月5件の内見を重ねる中で、理想的な物件を見極める審美眼も磨かれ、ついに出会ったのが、かつて探偵事務所だった2階建て物件。事務所仕様の空間を解体し、こだわりを詰めこんだ色気あるビストロへと生まれ変わらせた。今回も、施工は電気・水道・ガス工事を除き、すべてsouzouによるDIY。古い建物ゆえにガス管の接続など設備面で予期せぬトラブルもあったが、それらを乗り越え、細部まで同社らしい美意識が宿る空間づくりを行った。
なかでも今回、特に意識的に取り入れたのが“音”による演出。レコードで音楽を流すことで、訪れた人の記憶に残るような空間づくりを意識している。「既存店よりも単価を上げる以上、空間の演出にはしっかりとこだわりたい。音は記憶に残る重要なファクターだと思うんです」と曽我氏。ターゲットは20代後半以上の大人たち。空間と音が生む余白を、ゆとりある時間として楽しんでもらいたいという思いが込められている。

三軒茶屋駅南口から徒歩3分。人通りの多い栄通り商店街から一本入った先、静かな住宅街に看板を掲げずひっそりと佇む。喧騒を抜けて辿り着いた先の一軒には、知る人ぞ知る特別感が漂う
店舗データ
店名 | Bistro Sanya(ビストロサンヤ) |
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住所 | 東京都世田谷区三軒茶屋1-32-21 |
アクセス | 東急田園都市線 三軒茶屋駅から徒歩3分 |
電話 | 03-6690-4886 |
営業時間 | 18:00~24:00(LO 料理22:00、ドリンク23:00) |
定休日 | 火曜 |
坪数客数 | 20坪14席 |
客単価 | 8000円 |
運営会社 | 株式会社souzou |
オープン日 | 2025年9月5日 |
関連リンク | Bistro Sanya(Instagram) |
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