手軽に一級品の魚を楽しめる店を作りたい。魚のプロだから実現した“天然魚”のみの運営スタイル
横浜スタジアムの最寄り駅として知られる関内駅。駅の北側は、港町の風情漂う華やかな繁華街が広がり、南側にはオフィスビルやイセザキ・モール商店街が立ち並ぶ。そんな関内駅北口から野毛方面へ進むと現れる、小粋なBarや飲食店が軒を連ねる「吉田町 ノラねこ通り」。独特でディープな雰囲気を持つこの通りにオープンしたのが「路地裏のサニー Noraneko St.(ノラネコストリート)」だ。
運営はイグネ、代表の田中雄也氏は秋田出身だ。大学進学を機に上京し、在学中に「ビーフキッチン中目黒本店」でアルバイトを経験。そこで飲食業に魅了され、大学卒業後は同社の社員となり、横浜店の立ち上げを店長として牽引した。その後も、系列である丸の内の鉄板焼き「KATANA」などを含め、同社で計6年ほど経験を積んだ。
そして、別の角度から飲食業を学びたいと考えた田中氏は、食品衛生検査の会社へ入社。食品の成分検査を通じて、さまざまな飲食店のオペレーションを外部の視点から学んだ。この経験を活かし、野毛で飲食店のシェフをしていた知人とともに、2015年に海鮮立飲み「jin-bay(ジンベイ)」を野毛にオープン。4坪ほどの広さでありながら、月商400万円の繁盛店へと成長させた。
2019年10月には、自身の店を持つため鶴見に「魚屋酒場フィッシャー」を開業し、独立を果たす。同店は、毎朝豊洲から仕入れる新鮮な旬魚や珍しい魚をカジュアルな空間でリーズナブルに楽しめる酒場だ。運営のイグネでは、田中氏の兄が長年、豊洲で魚の卸売をしてきた経験を活かし、魚の卸売事業も展開。自社で直接買い付けた魚のみを使用するため、業界では難しいとされる天然魚だけを扱う運営スタイルを実現している。
田中氏は、同店の開業の経緯についてこう振り返る。「おいしい魚はすし店や和食店に行かないと食べられない、というイメージを変えたかった。兄と共通する『より手軽に一級品の魚を楽しめる店を作りたい』という思いから天然魚にこだわった店を開きました。クエやブドウエビなど、普段はあまり触れることがない魚介類もメニューに加え、お客様に新しい発見を提供したいという思いもあります」。その結果、同店は地域住民を中心に高い評価を得て、現在では、10坪の店舗で月商400万円を記録する繁盛店となっている。

関内駅北口から徒歩6分、夜の雰囲気が似合う「吉田町 ノラねこ通り」に立地。入口には黄色い太陽が特徴的なオリジナルロゴの暖簾がかかり、訪れる人を明るく迎え入れる
店舗データ
店名 | 路地裏のサニー Noraneko St.(ノラネコストリート) |
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住所 | 神奈川県横浜市中区吉田町3-14 新井ビル |
アクセス | JR関内駅から徒歩6分 |
電話 | 080-6110-3232 |
営業時間 | 17:00~23:30 、金・土・祝前日 17:00~26:00 |
定休日 | 日曜 |
坪数客数 | 11坪26席 |
客単価 | 4000~5000円 |
運営会社 | 株式会社イグネ |
オープン日 | 2025年7月10日 |
関連リンク | 路地裏のサニー Noraneko St(Instagram) |