学芸大学に「有縁（うえん）」がオープン。フェアグランドやWAT出身店主による、小料理と純米酒のカウンター9席の酒場

クリエイティブにもこだわり、店の想いやストーリーも発信

オープンから1か月弱。9席の店内が予約で満席になる日も徐々に増えているという。「小さな店だからこそ、お客様ひとりひとりの顔がわかる。前職の『山都』では週末になれば300人が来店する大箱店。そうしたダイナミックな経験も貴重なものでしたが、その時できなかったサービスもここでならできるし、満足していただいている手ごたえも感じられて、改めて飲食っていいなと実感する日々です」と蝶野氏は話す。「学芸大学は飲んだり食べたりが好きな人がいっぱいいる街。そうした人たちの選択肢に入る店にしていきたい」とも。

また、同店ではSNSなどのクリエイティブにも力を入れている。それらの業務を「編集」と呼び、ともに店を立ち上げた石川健太氏が担う。単なる飲食の場としての認知を取るのではなく、想いやストーリーの部分も発信し、それを楽しみに来店する人を増やしていきたい狙いだ。まずはこの店を軌道に乗せることを目標としつつ、チャンスがあれば将来的には新たな店舗も考えなくもないという。「国内に限らず海外でも日本酒の魅力を伝えられたら」蝶野氏は話す。

写真右が店主の蝶野慶一氏、左が石川健太氏。2人は大学の同級生で15年来の仲。石川氏は直近は小豆島の醤油メーカーで製造からデザイン業務までを行っていた。「有縁」では「編集」としてSNSの運用、映像制作やスチル撮影、デザイン業務などを担当するほか、蝶野氏とともに現場にも立つ

（取材＝大関　まなみ）

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