モテたい一心で始めた飲食業。バーやイタリアン、居酒屋等、多くの業態を経験して独立
JR国分寺駅から西武多摩湖線に乗り換えて1駅。一橋学園駅から徒歩3分、ビル2階に構える「鶏出汁おでん くっく堂」。住宅街に近く、周辺には店が少ない分、窓に点る灯りが目を引く。女性も気軽に来られる店にしたかったという清水氏の言葉通り、店内は明るくナチュラルな雰囲気だ。
清水氏は20歳の頃、“モテたい”を動機に入店したソウルバーをきっかけに飲食業界へ。「当時はバーが流行っていて、ブームに乗っかったんです。狙い通り、モテましたね」と笑う清水氏は、接客業の楽しさに魅せられ、5年間に渡ってバーテンダーとして働いた後にグローバルダイニングへ転職。エスニック業態「モンスーンカフェ」やイタリアン業態「カフェ ラ・ボエム」等でサービスマンとしての腕を磨いた。5年後、さらなるステップアップを目指して入店したのが猿屋一家だ。同社では「国分寺 猿酔助(さすけ)」や「国分寺街角酒場 P-man(ピーマン)」(現・「がぶ飲みワイン サルノコシカケ」)、「串焼きスタンド猿子(えてこ)」(現・「酒場猿子」)等、様々な店舗を経験する。
猿屋一家グループといえば“35歳定年制”を提唱していることで知られているが、「僕がその第1号なんです。34歳のある日、『来年から35歳定年制になるから、独立するか、辞めるか決めてね』と言われて。もう『わかりました』って言うしかないですよね(笑)」と清水氏。「でも、20歳の頃からずっと『将来的には自分で店をやりたい』と思ってはいたものの、やりたい、やりたいと言うだけで、具体的に目標を立てて逆算していなかった。だから、すごくいいタイミングで背中を押してもらったと思います」。
独立し、カツオの藁焼きをメインに楽しませる創業店「ワラヤキスタジオ 炙ブリ」を立ち上げたのはコロナ禍真っ只中の2021年。営業時間短縮や休業など、多くの飲食店が苦境にあえぐ中、協力金を申請せずに夜8時以降の営業を敢行したところ、地階の店舗ながら連日満席に。「自分が休んだら、お客さんは行く場所がなくなってしまう。だから1日も休まず店を開けていました」。
目まぐるしく働きながらも、当初から店舗展開を意識しており、清水氏と「一緒に働きたい」という人材が現れたことで2店舗目となる「鶏出汁おでん くっく堂」の開業に繋がった。一橋学園にゆかりがあったわけではないというが、偶然出合った物件に一目惚れし、すぐに申し込んだのだとか。ローカルエリアに出店するなら、まずはこの街に溶け込まなくては――と、店舗工事期間中は界隈の飲食店を飲み歩きながら「近々おでん屋を始めるので、よろしくお願いします」と挨拶して回ったという。
店舗データ
店名 | 鶏出汁おでん くっく堂(くっくどう) |
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住所 | 東京都小平市学園西町2-28-4タクマビル2階 |
アクセス | 一橋学園駅から徒歩3分 |
電話 | 042-312-1699 |
営業時間 | 17:00~25:00 |
定休日 | 火曜 |
坪数客数 | 11坪約24名 |
客単価 | 3000~3500円 |
運営会社 | 株式会社えんたていな |
オープン日 | 2023年11月17日 |
関連リンク | 鶏出汁おでん くっく堂(Instagram) |