時間制の根底にあるのは、“モノ消費”ではなく“トキ消費”の発想
コンセプトには「酒場好きの、酒場好きによる、酒場好きのための店」を掲げ、直野氏自身が食べたい、飲みたいものを取り揃えた。
同店の何よりの特徴は、居酒屋では珍しい「時間制」を取っていること。60分3800円、90分5400円、120分7000円のいずれかで、料理やドリンクは好きなものを好きなだけ楽しむことができる。「着想のきっかけは、『酒 秀治郎』で年に数回、常連さんで飲みきり会というのを行っていたことです。その会では、料金は一律で日本酒はあるだけ飲み放題、料理も大皿で出して好きなように取るというもの。これはスタッフの負担が少なく、かつお客様も好きなように楽しめて満足度が高かった。ここからこの時間制のアイディアが浮かびました」と直野氏は話す。
同時に、この「時間制」には“お客に何を提供するのか”の考えが表れている。「例えばビールが400円、唐揚げが300円でお会計が700円、というのは単に“モノ”を売っているに過ぎない。そうではなく、当店では60分で3800円、とお客様に“時間”を提供しています。時間制の中で、それぞれ食べる量やペースはお客様によって違うけど満足いく時間を過ごしてもらう。飲食店というより、楽しい時間を提供するという点ではテーマパークのように考えています」。

1階はカウンター席のみ。店のテーマは大衆酒場でありながらも、「飲み食べ放題」ゆえチープな店だと思われるのを避けるべく、あえて落ち着いた雰囲気に仕上げ、大人の客層にアプローチしている。デザインは「酒 秀治郎」と同様に神谷デザインが手掛けた

2階はカウンター席に加えて最大8名の個室も配備。「酒 秀治郎」が完全予約制であるのに対し、同店では予約は取らないスタイルが基本だが、オープン前に実施したMakuakeプロジェクトで会員権を購入したお客は個室の予約が可能だ
店舗データ
店名 | 居酒屋ひでじろう |
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住所 | 東京都世田谷区太子堂4-28-9 |
アクセス | 三軒茶屋駅から徒歩5分 |
営業時間 | 17:00〜23:00 (LO22:00) |
定休日 | 日曜 |
坪数客数 | 30坪36席 |
客単価 | 4500~5000円 |
運営会社 | 株式会社HIDEJIRO |
オープン日 | 2023年8月10日 |
関連リンク | 酒 秀治郎(記事) |
関連リンク | 居酒屋ひでじろう(Instagram) |