飲食の実店舗だけでない、多様な働き方を模索中
なぜ、実店舗を構えず間借りで営業を続けるのか?長野氏は「最初から間借りでやろうと決めていたわけではなく、いろいろな縁が重なり、たまたま間借りという形に落ち着いたという側面もあるのですが」と断りながら、こう答える。「実店舗を持つと365日24時間、店から収入に頼ることになる。私は今38歳ですが、体力的に頑張れるのは長くて20年くらい。そう考えると実店舗を持つことにリスクを感じてしまって。同時に、人の問題もある。スタッフを雇っても成長すればやがてその人もいつかは独立したくなるでしょう。そのたびにまた人を雇って……を繰り返すのも大変です。以前から、料理人のキャリアとして、こういった独立のやり方しかないのかと漠然と疑問を抱いていました。だからこそ、間借りで小さく始めて、状況を見ながらうまくいったら次の展開に進めればいいと思いました。また、今の時代はいろいろな副業もやろうと思えばできる。飲食一本に収入をゆだねるのではなく、間借りであれば様々なことに並行してチャレンジできる。とはいえ、私自身もまだ模索中で、今後、実店舗を出すかどうかはわかりませんね」。
間借り営業について、長野氏はこうしたメリットを見出す一方で、間借りなりの苦労もあるという。「一般的なレストランと比べるとキッチン設備が限られているので、そこをうまくやる工夫は必要ですね。『あるもので工夫する』精神で頑張っています(笑)。営業日が少ないゆえ、食材の管理面でも冷凍でもクオリティが維持できるアイテムを多く取り入れるなどしてロスを防ぐようにしています」と長野氏は話す。
(取材=大関 まなみ)
店舗データ
店名 | 七一飯店、nano |
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住所 | 東京都渋谷区東2-20-2 |
アクセス | 渋谷駅から徒歩9分、恵比寿駅から徒歩11分 |
営業時間 | ≪七一飯店≫金17:00~22:00※金曜ランチは持ち帰りのみ可、土日月11:30~15:00、17:00~22:00≪nano≫火水18:00~23:00頃 |
坪数客数 | 約13坪12席 |
客単価 | ≪七一飯店≫ランチ1000円、ディナー1800~1万円≪nano≫2000~1万円 |
関連リンク | 七一飯店(Instagram) |
関連リンク | nano(Instagram) |