「週に1度しかオープンしない」レア感で人気に火が付き、ランチ時は行列に
長野氏は調理師学校を卒業後、青山の「ラ・グロッタ エンメ」(現在は閉店)ではキッチンで料理人のキャリアをスタートし、代官山のリストランテでホールとして働いたことも。その後、五反田の「トラットリア アリエッタ」のキッチンで4年、そして渋谷の「タロス」へ入り、シェフも務めた。
「タロス」での勤続が9年になろうとする頃、「何か新しいことがしたい」と、武蔵小山でイタリアンを経営する知人に相談。そこで長野氏は2つのチャレンジを開始した。ひとつは、その知人の紹介で、「七一飯店」の運営を手伝うことに。「七一飯店」はもともと飲食店を中心にデザインを行う会社が2019年から始めたブランド。同社のショールームにキッチン機能が設えられていたため、そこを間借りするという格好で「魯肉飯」(800円、税抜き、以下同)の提供を、毎週水曜日に始めたのがはじまりだ。「七一飯店」の名前の由来は、「週に一回通いたい、普段遣いの店」というコンセプトからだ。少ない営業日にもかかわららず、SNSの投稿や口コミが増え、テレビや雑誌の取材が入ったことで火が付いた。「週1しかオープンしない」というレア感も手伝い、お昼時は行列ができることもある人気ぶりとなった。
そこへ2020年秋ごろに長野氏が店主として参画し、同時にディナー営業も本格的に開始。ディナーでは中国の蒸留酒、白酒にフィーチャー。約10品の白酒を用意し、500円~。「中国ではメジャーな白酒ですが、日本ではまだあまり見かけません。当店をきっかけにその魅力を知ってもらえたら。本場中国ではストレートで飲むのが一般的ですが、飲みやすいよう自家製のシロップと合わせたカクテルにしたりしています」と、白酒とレモンスカッシュを合わせた「バイチュウスカッシュ」(700円)、自家製のコーラシロップと炭酸を合わせた「バイチュウコーラ」(750円)、リンゴジュースと合わせた「サンノヘ」(900円)などアレンジ系も豊富に用意する。同時に、長野氏が腕を振るう白酒に合う小皿料理もラインナップ。「きゅうりの芥子漬け」(400円)、「お好み焼き調 卵焼き」(700円)、「ラムカツ」(700円)、「鴨燻製」(800円)、など、小ポーションの小皿サイズで提供。もちろんランチと同じルーロー飯も提供し、〆に楽しむほか、ルーロー飯とドリンク1杯の使い方をするお客も。現在では営業日を週1から週4に拡大し営業している。
店舗データ
店名 | 七一飯店、nano |
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住所 | 東京都渋谷区東2-20-2 |
アクセス | 渋谷駅から徒歩9分、恵比寿駅から徒歩11分 |
営業時間 | ≪七一飯店≫金17:00~22:00※金曜ランチは持ち帰りのみ可、土日月11:30~15:00、17:00~22:00≪nano≫火水18:00~23:00頃 |
坪数客数 | 約13坪12席 |
客単価 | ≪七一飯店≫ランチ1000円、ディナー1800~1万円≪nano≫2000~1万円 |
関連リンク | 七一飯店(Instagram) |
関連リンク | nano(Instagram) |