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学芸大学に「居酒屋ホドケバ」が開業。「アオギリ」「はんろく」に続く3店舗目、イタリアンの要素を加えた居酒屋料理をホッピーやサワーで楽しむ、「心がほどける場所」を目指す

3月22日、学芸大学に「居酒屋ホドケバ」がオープンした。同じく学芸大学で「大衆酒場アオギリ」、都立大学で「大衆酒場はんろく」を展開するアオギリコーポレーション(東京都目黒区、代表:澤出晃良氏)の新店舗だ。カフェのような居酒屋らしかぬスタイリッシュな空間で、イタリアンの要素が融合した居酒屋料理を、ホッピーやハイボール、自然派ワインまでの幅広いドリンクで楽しめる居酒屋だ。「心がほどける場所=ホドケバ」として、地域の新名所を目指す。

学芸大学駅東口からすぐ、「いきなり!ステーキ」の2階で営業。急な階段を上った先のドアを開けて入店する。スドウ図画工作のスドウPユウジ氏に依頼したロゴをさりげなくドア前に飾る
オープンキッチン前のカウンターは8席。ほか、2名掛けテーブル席を配置。店内にはメニュー名を書いた薄茶色のクラフト紙をずらりと貼り付ける
イタリアンのベースに「ホドケバ」流にアレンジした居酒屋らしいつまみが揃う。合わせるドリンクはワインからサワーやチューハイ、ビール、ホッピーまでと幅広く用意。決まりにとらわれず、各々が好きなものを飲めるのが魅力だ
アオギリコーポレーション代表の澤出晃良氏。若い頃は「やんちゃだった」というが、35歳で独立を目指し一念発起。快活な人柄で、気持ちの良い接客でお客を迎える

(取材=大関 まなみ)


フリーター生活から30代半ばで一念発起。挫折を繰り返しながら独立開業

生活圏で地域住民のニーズが強く、コロナ禍でも酒場カルチャーが衰えない人気エリアとして飲食店オーナーが熱視線を送るエリアのひとつ、学芸大学。駅から徒歩1分のビル2階に、「居酒屋ホドケバ」がオープンした。「アオギリ」「はんろく」を展開するアオギリコーポレーションの3店舗目だ。代表・澤出晃良氏の独立店「アオギリ」は、多くの人気酒場が軒を連ねるエリア、通称「学大十字街」にあるが、今ほどの盛り上がりはなかった2012年に出店し、学芸大学の酒場カルチャーを牽引してきた。2018年には隣駅の都立大学に「はんろく」も出店し、2店の人気酒場オーナーとなった澤出氏だが、そこまでの道のりには紆余曲折があった。

澤出氏が飲食の仕事を始めたのは24歳のとき。それまでは東京でフリーターをして「プラプラしていた」という。そんな折、先輩からカフェの立ち上げの誘いを受けて大阪へ。「それまでディスコやスナックのような、いわゆる夜の仕事しかやったことがなく、昼の世界が怖かった。お客様にコーヒーすら満足に提供できずに洗い物ばかりしていました。結局、周囲の人達と衝突し、28歳で逃げるように東京に戻りました」と澤出氏は振り返る。

その後、飲食店で働くも限界を感じ、やがて葉山に憧れ夏はそこで過ごしたり、音楽を始めたりと「自分探しをしていた」という。「そうこうしているうちに35歳になったとき、周りは家庭を持ったり家を買ったりしているのに、自分は何もないと気づきました」。一念発起し、独立を見据えて居酒屋「根室食堂」で働き始め、同時にクラブのボーイも掛け持ちしながらノウハウと資金を貯めた。そして、西小山で条件のよい物件と出合ったことからカレー店の開業を企てる。しかし、結局は計画の甘さから挫折してしまったという。資金は底を尽きたが、「もう後がない」と、諦めずに再び資金を貯めて、2012年3月、晴れて「アオギリ」をオープンし独立を果たした。開業当初は集客に苦戦したものの、地道な営業で認知度が上がり、3年目ごろから軌道に乗っていったという。その勢いに乗り、2018年5月には「はんろく」もオープンした。

代々木上原「ランタン」の店づくりに感銘。カフェのような空間でホッピーを!

3店舗目を視野に入れる中、澤出氏は代々木上原の居酒屋「ランタン」に感銘を受けたという。「カフェのようなオシャレな空間なのに、ホッピーやハイボールを飲むというギャップに衝撃を受けました。ありそうでなかったスタイルだけど、とても惹かれました。だって、カフェで働く人間も仕事後には店で自分達が好きなホッピーやハイボールを飲む。なのにお客様には『オシャレな雰囲気に合わないから』と出さないのも変な話だなと。このスタイルを僕らなりにアレンジして、慣れ親しんだ学芸大学に“心がほどける場所”になる居酒屋を作ろうと決めました」。そうしてすぐに連絡を取ったのが、現在「ホドケバ」で料理長を務める阿部郁真氏だ。澤出氏の大阪時代の知人で、イタリアンの料理人として活躍していた。「阿部君がいれば、すぐに思い描く店ができる!」。折しも阿部氏も、その時の職場の退職を考えていたタイミングだったという。新店舗の立ち上げに快諾し、店づくりがスタートした。

それが2020年春頃。いざ物件探しをしようとしたところにコロナ禍に。一旦は時期を見送り、夏頃から物件探しを開始し、同物件に巡り合った。「ここは6年前からテナントが3~4回も変わる鬼門の場所だったそう。しかし、駅から近く場所がいいので決断しました」。

日々の疲れを癒し、絡まりがほどける場所を目指すから「ホドケバ」

「ランタン」のスタイルをヒントに、店づくりは「心がほどける場所」をテーマに行った。「日々の生活で、仕事やストレスで頭の中がこんがらがってしまうこともある。その絡まりがほどけるような、リラックスできる場所でありたい」と「ホドケバ」と命名。「心がほどける場だから、固くなりすぎてはいけない。料理はイタリアンをベースにしますが、難しい料理はナシ!誰もが気取らず楽しめる居酒屋を目指します」と澤出氏は話す。

内装は、グレーを基調とした壁に木製のイスやテーブルを配置しすっきりとした印象に。「アオギリ」や「はんろく」と同様、「居酒屋だけど清潔感があるスタイリッシュな空間」のテイストを受け継いでいる。

料理に関しては「アオギリ」「はんろく」では和食がベースだったが、今回は阿部氏のイタリアンの経験を生かしながら居酒屋つまみをアレンジした品々が揃う。ピクルスやカルパッチョなど冷菜、揚げ物、パスタまで約30品。かまぼこに野菜のみじん切りをベースにした酸味のあるラビゴットソースをかけた「蒲鉾ラビゴットソース」(550円)のような、居酒屋つまみ×洋食の融合メニューが目立つ。パテドカンパーニュも「煮こごりポーク」(650円)という名前でユニークに提供。肉の食感と旨みの強いソーセージを湯葉で包んで揚げた「揚げ湯葉ソーセージ」(750円)、ニョッキに中華エッセンスを加えた「四川麻婆ニョッキ」(750円)などが人気だ。

ドリンクは、「フードは洋食中心だけど、居酒屋が好きな自分達が飲みたいもの」をラインナップ。メニュー表の先頭に並ぶのは自然派ワインで、「オレンジ(ピノグリージョ)」「ロゼ(チェラスオーロ)」(各グラス500円、カラフェ1500円)に加え、その日の銘柄が数種類。ボトルは常時20品ほどで、小売価格(およそ2500~3000円ほど)に抜栓料2000円が付く価格設定だ。サワー・ハイボール類は「擦りおろしレモンサワー」「自家製コーラサワー」「さゆりバイス」(各550円)「マーガオライムサワー」(450円)など11品、ビールは「生ビール」(450円)や瓶、ビアカクテル。「割もの」として「烏龍茶割り」「コーン茶割り」(450円)のお茶割りや「チャイ豆乳割り」(450円)など豆乳割りで6品を用意。ホッピー(セット450円、中身200円)に、「深山ぶどうサワー」(550円)など果実酒6品、焼酎は「蔵の師魂」のオレンジ・グリーン・ピンク(同じ銘柄だが、ラベルの色ごとに異なる味わい。各500円)の3種類をそろえる。「日本酒は店全体の雰囲気とマッチしなかったので置かなかった」(澤出氏)という。

今後も店舗展開を見据え、人材は積極募集中。「楽しく働き続けられる」職場づくりを目指す

オープンから1か月ほど、既存店のファンを中心に地域の老若男女が来店。現在の売上は日商30万円ほどで目標をクリアしている。「今はオープン景気もあるので、2か月後からが本当の勝負ですね」と澤出氏。コロナ禍で既存2店の売上は減少したものの、「アオギリ」は常連客が根付いていたこともあり、現在は回復基調に。「はんろく」はファミリー層の多い都立大学の立地もあり苦戦しているが、喫煙可の店へ転換するなど策を打っている。今後も店舗展開を見据える澤出氏は、来年1月を目途に三軒茶屋に「アオギリ」業態を出店するのが目標だという。そのためにも人材を積極募集しており、「仲間と一緒に楽しく働き続けられる環境をつくりたい」と意気込む。

店舗データ

店名 居酒屋ホドケバ
住所 東京都目黒区鷹番3-3-19 鷹番ビル 2F

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アクセス 学芸大学駅から徒歩2分
電話 03-6303-1140
営業時間 19:00~翌2:00
定休日 月曜
坪数客数 19坪38席
客単価 3500~4000円
運営会社 株式会社アオギリコーポレーション
オープン日 2021年3月22日
関連リンク 居酒屋ホドケバ(FB)
関連リンク 居酒屋ホドケバ(Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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